「大切なマイホームをシロアリなんかに奪われたくない!」念願のマイホームを購入したときに、気になるのが『シロアリ』の存在です。せっかく手に入れた新築の我が家も、シロアリに狙われれば数年でボロボロにされてしまいます。
「近所でシロアリの駆除をやっているけれど、もしかして我が家も危ないのかな…」「まだ家でシロアリの被害は見つかっていないけれど、今後に備えて対策しておくことってあるだろうか」愛着を持って数年暮らしている我が家なら、この先も長く住み続けるために「シロアリの危険から少しでも逃れたい…。」と思いますよね。
「シロアリから我が家を守るために、自分でできる予防方法はないだろうか?」未来の安全のために、今はないシロアリ被害を未然に防ぎたいけれど、その『予防』について、よくわからずに悩んではいませんか?
ここで紹介する方法を実践してもらえれば、自力でシロアリの被害から大切な我が家を『予防して守る』ことができるようになります。この記事では、完璧なシロアリ予防のために理解しておくべき3つの知識と、自分の力で我が家をシロアリから守るための予防方法を6つのステップでお伝えします。

また、自力予防ならではの注意点にも触れますので、漏れなく、シロアリ予防をする方法がわかるようになります。最後まで読んでいただければ、今後、あなたが、シロアリの予防について、悩むことはなくなります。
未来のシロアリ被害の不安に怯えることなく、あなたの力であなたの大切な家を守るための方法がすぐに身に付きます。最良の知識が得られ、最善の判断が下せるようになりますので、ストレスのない、快適な生活を送ることができるようになりますよ。

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1 シロアリ予防は「あなたの力」で対策できる!

「シロアリ対策は、素人には難しい」と感じるかもしれませんが、駆除ではなく『予防』であれば、しっかりとポイントを押さえて行うことで、あなたの力でも実現可能です。

シロアリ被害の多くは、『被害発生箇所が限定されている』ため、必要な箇所に適切な対策をすればいいだけだからです。

1-1 自分で予防できれば節約できる

自分で予防できれば、業者を利用した場合に比べて、なんと約10万円程の節約をすることができるんです。

シロアリ被害は、『いつ遭うかわからない』ものですが、同時に『遭うかどうかもわからない』という側面も持っています。できることなら、『安く』費用を押さえて、未来の安心に保険をかけたいですよね。

1-2 便利なグッズがあなたの手助けに

シロアリ予防においては、市販の便利なグッズが、あなたの手助けになってくれます。各メーカーで研究しつくされた対策グッズは、初めて作業する人や、家の構造上作業が困難な人にも、高い効果を引き出せるよう作られているからです。

例えば、床下作業が難しい場合は、床下に入らずに対策できる『燻煙タイプ』があります。

2 完璧なシロアリ予防とは?

完璧な予防とは、シロアリを『寄せ付けない環境を整えること』です。シロアリの被害は目の届かない床下で進行していくので、事前に、いかに侵入させないように対策できているかが、大事になってきます。
一度シロアリに住み着かれて被害を受けてしまうと、素人での『完全駆除』は、非常に難しいのが現状です。

また、被害自体に気付かず、被害が深刻化し、大量の羽アリが家の中に出てくるのを目撃して、初めてシロアリの被害に遭っていたことに気付くケースも少なくありません。シロアリを寄せ付けない環境を整えるためには、次の3つのポイントに注意が必要です。

  1. 予防に最適な時期を選択する
  2. 対策グッズを正しく選択する
  3. シロアリの好まない住環境を整える努力をする

順に説明していきますね。

ポイント1:予防に最適な時期を選択する

『予防に最適な時期』を選択することは、非常に大切です。シロアリ対策においては、『駆除』と『予防』で最適な時期が異なるからです。

予防に適さない時期に対策をしても、効果は得られません。最適な時期を選択することで、最も効果を発揮させる予防を実現できるのです。

シロアリの駆除とは?

シロアリの駆除とは、『すでに我が家に住み着いている個体を殺すこと』を目的としたものです。住み着いたシロアリは、信じられないほどの個体数で家を侵食するため、いち早く全滅させなければなりません。
ヤマトシロアリであれば約2~3万匹、イエシロアリであれば約100万匹で1つの家族となります。駆除方法には、毒餌を用いる『ベイト工法』と、薬剤を散布する『バリア工法』の2種類があります。

駆除方法 ベイト工法 バリア工法
方法 毒餌(ベイト薬剤)を巣に持ち帰らせ、毒餌を食べたシロアリを死に至らしめて、巣を全滅させる。 床下・土壌・被害のある部分に薬剤を散布・注入し、シロアリを殺虫する。
利用する習性 餌を巣に持ち帰る習性。 仲間同士で体を舐め合う習性。
目的 巣に潜んでいる全てのシロアリにまで駆除効果を広げ、殺虫する。
違い 遅効性 即効性
駆除に適した時期 駆除においては、食害の侵攻をいち早くとめることが先決となるため、シロアリの「冬眠しない」性質に期待し、被害が見つかった時点で時期を問わず「すぐに」駆除することが求められる。
ただし、ベイト工法の場合は、働蟻(働きアリ)の活動が不活発な時期には、餌の収集量や行動範囲も減るため、完全駆除までに時間がかかる。

予防に最適な時期は1~3月

予防に最適な時期は、『1~3月』です。

シロアリの新しい住み家探しは、4月から始まります。巣が手狭になるまでに個体数が増殖すると、羽アリが飛び立ち、新しい巣を探し始めるのです。

羽アリが飛び立つより前に、『忌避対策』を施すことが最も予防の効果を発揮します。1月~3月に予防対策を適切に行っていれば、羽アリが我が家に飛んできても、住み着かれる心配がありませんよ。

シロアリの活動期と羽アリが飛び立つ時期

シロアリの活動期と羽アリが飛び立つ時期は、適度な温度と湿度のある『4~7月』です。

寒さを苦手とし、暖かい環境を好みますが、高温すぎると、体内の消化器官が上手く働かなくなるため、8月など真夏の1番暑い時期には、地中など涼しい場所から出てこなくなり、活動が鈍くなるのです。

普段、人前に現れないシロアリが、羽アリとなって一斉に飛び立つ行動のことを、『群飛(ぐんぴ)』と呼びます。群飛の時期は、シロアリの種類によってもやや異なります。

シロアリの種類 ヤマトシロアリ イエシロアリ
羽アリの群飛の時期 4~5月 6~7月
生息地域※ 北海道の北部を除く日本全土 千葉県以西の温暖地域

羽蟻(黒蟻)と羽アリ(シロアリ)の違い

羽アリ(シロアリ) 羽蟻(黒蟻)
触角 じゅず状(虫眼鏡で観察) くの字形
4枚とも同じ大きさ 前羽が後羽より大きい
ずん胴 くびれている

ポイント2:対策グッズを正しく選択する

自力でシロアリ予防を行うためには、『対策グッズを正しく選択する』ことが重要です。シロアリを寄せ付けなくするためには、『忌避性のある予防グッズ』を有効に使わなければいけません。
市販の対策グッズで使われることが多い忌避性の成分には、『ビフェントリン』や『シラフルオフェン』などがありますので、有効成分を確認して、適切な『予防目的』の効果を出せるグッズを購入しましょう。
シロアリ対策グッズには、『駆除目的のグッズ』と『予防目的のグッズ』の2種類があり、忌避性が備わっていない駆除用のグッズでは、『シロアリを寄せ付けない効果はない』ので、予防対策には適しません。シロアリ対策という言葉だけで適当に駆除用グッズを購入してしまわないように注意しましょう。

ちなみに、バリア工法で使われる薬品は、シロアリを薬剤に接触させる必要があるので、シロアリに逃げられないように、あえて忌避性のない成分が使われています。

市販のおすすめシロアリ予防対策グッズ

市販のグッズにはたくさんの種類がありますが、その中でも特におすすめのシロアリ予防対策グッズを3つ紹介します。これから紹介するグッズは、『予防効果が高い』だけでなく、『素人でも扱いやすい』特徴を持っています。
1.「ネオターマイトキラー乳剤」
薬剤を使う場合に気になるのが『安全性』です。

ネオターマイトキラー乳剤では、人畜に対する毒性が低い『シラフルオフェン』が使用されており、『揮発しにくい』特徴を持っているので、初めて予防対策を行う人でも安心して使えます。

 

有効成分 シラフルオフェン
特徴 予防効果の高い成分の中でも、安全性が特に優れている「シラフルオフェン」を使用。

2.「シロアリアース」
狭い床下に潜っての作業は、思う様に動けないことが多々あります。
シロアリアースは、『逆さでも使える』スプレータイプで、隙間用『ノズルが付属』しているので、狭い床下の隅々まで、簡単に予防効果のある薬剤を散布することができます。

 

有効成分 ビフェントリン
特徴 逆さでも噴射できるスプレータイプ

3.「白アリ スモークマン」
建物の構造上、床下に入ることができない部分があるという家もあります。
白アリ スモークマンは、床下に入れない場合でも、『換気口から煙を充満させることで、有効成分を散布する』ことができます。

 

有効成分 ビフェントリン
特徴 換気口から煙を充満させることで、薬剤を散布できる燻煙タイプ。

ポイント3:シロアリの好まない住環境を整える努力をする

自力で完璧な予防を行うためには、シロアリの好まない住環境を整える努力も必要です。あなたの家がシロアリにとって魅力的な餌場になっていれば、どんなに予防対策を行っても、イタチごっこになってしまいます。
シロアリが住環境に被害を与える行動は、餌を求める行動が原因の食害によるものですので、食料となる木材があり、適度に湿度のある環境は、シロアリのとって恰好の巣になり、シロアリを引き寄せます。シロアリを引き寄せないためにも、次の2つのポイントに注意してください。

  1. 庭先に木材や段ボールなどを放置しない
  2. 湿気のもとになる要因は排除する

順に説明していきます。

(1)庭先に木材や段ボールなどを放置しない

まず大事なポイントが、庭先に『木材』や『段ボール』などを放置しないことです。家の柱を食べるイメージの強いシロアリですが、求めているのはシロアリの栄養分となる『セルロース』だからです。

そのため、木材の他にも、木材から『セルロース』を抽出して作られている、段ボールや新聞紙も、シロアリの大好物となっており、庭先に放置していると恰好の的になってしまいます。木材や段ボールなどを地面に直接置いていると、土の中から安全に辿り着くことができてしまうので、シロアリの温床になりやすく、庭先から今度はあなたの家へと移動してくる可能性があがってしまいます。
餌になるものはすぐに処分してしまうか、どうしても庭先に置いておかなければいけない場合は、地面に直接置くのではなく、下にブルーシートを敷くようにしましょう。

(2)湿気のもとになる要因は排除する

湿気のもとになる要因を排除することは、住環境を整える上で常に意識することが必要です。シロアリは湿気のある環境を好むため、湿気がちな家は、シロアリに巣を作られやすく、狙われやすくなってしまいます。
具体的に注意が必要な点は、下記の3点です。

  1. 雨漏りの放置
  2. 結露の放置
  3. 掃除での水使用

どれも、水分が原因で、断熱材が湿気を含み、シロアリの被害を拡大させてしまう要因となります。
湿気のもとになる因子は出来る限り早く対処し、定期的に窓を開けて家全体の換気を行うなど、湿気を取り除く工夫を行いましょう。

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3 自力で我が家を守るためのシロアリ予防方法

自力で我が家を守るためのシロアリ予防方法を紹介します。

業者が行うアプローチを、知識や経験のない初めて挑戦する人でも実践できるように、6つのステップに分けています。
手順通りに実践すれば、自力でもプロと同じような予防対策を行うことができますよ。

用意するもの

自力で予防対策を行う場合は、事前に用意するものをしっかりと揃えておきましょう。準備を怠ると、手際よく作業を進められないことで、十分な効果を発揮できないだけでなく、怪我をしたり、薬剤を吸引してしまい、中毒症状を起こす可能性があります。
具体的には、『予防対策』自体に必要なものと『床下に潜るための装備』として必要なものの、2ケースのために、準備をしてください。

予防対策グッズ
  • 予防用薬剤
  • 噴霧器(液剤タイプを散布する場合)
床下に潜るための装備
  • 長袖長ズボンの服(カッパなど使い捨てれるものが望ましい)
  • マスク
  • ゴーグル
  • 手袋
  • 防護頭巾(ニット帽でも可)

シロアリ予防方法6つのステップ

自力予防方法の『手順』は、6つのステップに沿って、順番通り行うことが大切です。順番を違えたり、注意点をないがしろにすると、適切な対策が行えなくなってしまいます。

  1. 床下に潜るための準備
  2. 床下に侵入する
  3. 木部に予防用薬剤を散布する
  4. 土壌に予防用薬剤を散布する
  5. 建物の周囲に予防用薬剤を散布する
  6. 家全体の換気を行う

順に説明していきますね。

ステップ1:床下に潜るための準備

まずは、『床下に潜るための準備』を行います。床下に入らなくても良い対策グッズもありますが、最大限予防効果を発揮するためには、床下での作業を避けないことが重要です。

より完璧な予防対策を行うためには床下に潜って作業を行う必要があるからです。

床下に入らない予防策 床下で行う予防策
方法 燻煙タイプのグッズ利用 薬剤を局所的に散布
効果 床下の構造によっては全体に成分が行き渡らない可能性がある グッズの効果を最大限に引き出し、狙われやすい部分を重点的に対策することが可能

床下での作業は、3つの点に注意が必要です。

  1. 狭く暗い床下の作業で怪我をしない
  2. 薬剤を吸い込まないようにする
  3. 薬剤が直接肌に付着しないようにする

次のような防護服セットを1つ購入すると、便利ですよ。

 

セット内容
  • フード付き防護服
  • 感染症対策ゴーグル
  • 感染防護マスク
  • ブーツカバー

ステップ2:床下に侵入する

装備を整えたら、必要な道具を持って、『床下に侵入』します。予防対策では、プロの行う防除消毒の作業と同様に、『柱などの木部を守るための薬品を散布』し、『土の中から床下に侵入できないように土壌部分に薬品を散布』していきます。
侵入や被害のほとんどが床下から始まりますので、床下全体に予防用の薬剤を散布することが理想的です。

侵入口は次の3点をヒントに探してみてください。

  1. 庭からすぐに床下に入れる構造ではないか
  2. 床下収納がある場合、そこから床下に入れないか
  3. 和室の畳を取り外し、その下の床板を外して侵入口を確保する

床下に入ることがどうしても難しい場合は、スプレータイプや燻煙タイプのグッズを使って、換気口から散布するようにしましょう。燻煙タイプを利用する場合は、なるべく床下全体に行き渡るよう、四方から煙を行き渡らせる工夫が必要です。

ステップ3:木部に予防用薬剤を散布する

床下に潜ったら、土台や柱といった構造部分の『木部に予防用薬剤を散布』していきます。木部に薬剤を散布することで、シロアリの被害を防ぐだけでなく、防腐効果も得られますので、家のメンテナンスという側面も達成できます。
木部の薬剤散布のポイントは次の2点を押さえて行ってみてください。

  1. 「とにかく木部に漏れなく」を意識する
  2. 水回りの下にあたる箇所は特に念入りに散布

防腐効果がありますので、「掛け過ぎかな?」と思うくらいで問題ありませんよ。液剤タイプの薬剤を購入している場合、ハケなどを使って手塗りしていくこともできますが、『噴霧器』を購入しておくと、効率的に散布することができるのでオススメです。

 

ステップ4:土壌に予防用薬剤を散布する

木部への散布が終わったら、『土壌部分にも予防用薬剤を散布』します。シロアリは、土の中を通って床下へと侵入してくるので、土壌部分への散布することで、地上に上がってくることを防ぐことができます。
土壌への薬剤散布は次の点に注意してみてください。

  • 配線などの電気類に薬剤がかからないようにする
  • 『掘り返しても薬剤が染み渡っている』くらいまでに、しっかりと量を散布する

ステップ5:建物の周囲に予防用薬剤を散布する

床下での散布が終了したら、『建物の周囲にも予防用薬剤を散布』しておきましょう。庭先に巣を作られてしまうと、庭の餌が無くなれば、そこからすぐに、家へと侵攻されてしまいます。
念には念を入れて、建物の周囲まで対策を行っておけば予防は完璧ですよ。建物の周囲の薬剤散布は次の4点に注意しましょう。

  • 倒木がある場合は、その周辺に念入りに行う
  • ご近所と隣接している場合は、事前に薬剤散布の許可を得る
  • ペットを外飼いしている場合は、一時的に別の場所に避難させる
  • 家庭菜園で野菜を育てている場合は、薬剤がかからないよう覆う等注意する

ステップ6:家全体の換気を行う

予防用薬剤を散布し終わったら、最後に『家全体の換気』を行います。『薬剤散布による湿気の除去』『薬剤のニオイを消す』『室内に入り込んだ薬剤をきれいな空気で循環させ外へ出す』という3つの観点から、換気は必須です。

市販されている薬剤は、低臭タイプのものが多いですが、多少なりと臭いがする場合があります。また、薬剤は、住人各々の体質や健康状態によっては中毒症状がでる危険性があります。
作業する場所は床下でも、薬剤が揮発して室内に入り込む可能性はゼロにはならない点を知っておきましょう。換気の際は次の3点を押さえて行いましょう。

  1. フロアや部屋に関わらず、すべての場所に風を通す
  2. 1時間以上を目安にしっかりと換気する
  3. 換気扇はスイッチをオンにしておく

4 自力予防ならではの注意点に気を付ける

自力対策におけるシロアリ予防を『確実に成功させる』ためには、自力予防ならではの注意点に気を付けなければいけません。プロの任せる場合は、対策自体も、対策した『後』も、一定期間は契約した業者にすべて丸投げできますが、自力対策においては、『やりっぱなしは禁物』です。

注意点を疎かにしてしまうと、苦労して予防対策を行っても、結局シロアリの被害に遭ってしまう、という結果に陥りかねません。具体的には、次の2つの注意点に気を付けましょう。

  1. 定期的に点検を行う
  2. 使用する薬剤の予防効果の持続期間を忘れない

順に説明していきますね。

注意点1:定期的な点検を行う

予防対策を行った後には、『定期的な点検を欠かさず』に行いましょう。防蟻作業の後の定期点検は、プロに任せた場合でも行われる必須事項です。定期点検の必要性は、次の2点から求められています。

  1. 予防対策がちゃんと効果を発揮しているかどうかを確認
  2. 被害の早期発見を達成する

プロの業者であっても、驚異的なシロアリの食害スピードや生存本能を前には、防蟻後も、一定期間定期点検を行い、被害を未然に防ぐよう働きかけることを欠かしません。
防蟻の効果を過信して点検を怠ってしまうと、シロアリに侵入されてしまった場合、その驕り(おごり)が被害の発見が遅らせてしまいます。定期点検を行っていれば、万が一シロアリに侵入されてしまっても、最小限の被害で食い止めることが可能です。

長期間被害に遭わなければ予防成功、とはいかない

シロアリの予防対策は、長期間被害に遭わなければ、それで成功という訳にはいきません。
シロアリの中には、餌場を積極的に変える遊牧民族のような『ヤマトシロアリ』がいるので、いつあなたの家が狙われるかは、分からないからです。

私が害虫・害獣駆除専門ライターとして取材してきた『シロアリの被害者』の中にも、こんな失敗談を持つ人がたくさんいました。

「シロアリの予防防蟻を専門業者に頼んで、高かったから、2回目の更新をしなかったら、ちょうど薬剤が切れると言われていた時期に、シロアリの被害に遭ってしまった」
「新築で立てて、4年目にシロアリ駆除業者と契約して、防蟻や点検などお願いしていた。しかし、15年住んで、1度も被害に遭わなかったので、契約を解除した。すると、契約を辞めた翌年にシロアリ被害に遭ってしまい、とんでもない目に遭った」
「築20年の実家と新築の我が家とで、同時期にシロアリの予防を業者にお願いした。5年で薬剤の効果が切れると言われ、実家は6年目に更新をしなかったが、その後15年間被害に遭わなかった。一方我が家は、6年目にも更新をし、3回目の築10年目の更新で契約を辞めた。すると、築12年目でシロアリの被害に遭ってしまった」

まるで賭けですが、『シロアリ被害に遭うかもしれないけれど予防対策を辞める』のと、『シロアリ被害に遭わないかもしれないけれど予防対策を継続する』とでは、実際に我が身に起きる結果は、全く違うことが、わかっていただけるのではないでしょうか。

注意点2:使用する薬剤の予防効果の持続期間を忘れない

『使用する薬剤の予防効果の持続期間』を忘れないようにしましょう。薬剤の防蟻効果は、永久的ではありませんので、持続効果が切れてしまう前に、繰り返し予防対策を実施していく必要があります。
しかし、薬剤の持続期間を把握していないと、次に予防対策を行うタイミングが分からなくなってしまい、シロアリに付け入る隙を与えてしまいます。そうなってしまわないように、使用した薬品の名前と持続期間、予防作業を行った日付をメモしたものを保管するようにしておきましょう。

市販予防対策での効果持続は半年~5年

市販の予防グッズの持続期間は『半年から5年程度』と商品によって大きく異なります。有効成分の違いや散布の方法によって、時効性が変わってくるためです。

できるだけ、予防対策の頻度を減らしたいのであれば、薬剤を購入する際に、どれくらいの持続期間があるのかを予めチェックし、持続期間の長いものを使用することをおすすめします。一見、高額に見える商品でも、予防効果が長く続くものであれば、トータルで見れば安く済むというカラクリを知っておくことが大切です。

5 自力?業者?シロアリ予防にかかるおおよその費用

シロアリの予防にかかる費用は、『自力』で行うか、『専門業者』に依頼するかで大きく変わります。金額軸で言えば、業者に依頼した場合、プロが確実な対策を行ってくれる分、どうしても料金が高額になってしまいます。
ただし、得られるメリットが異なるため、シロアリの予防に求めるあなたの価値が『金額』なのか『時間』なのかで、高いのか安いのかの判断はわかれます。『自力予防』『業者作業』のそれぞれの方法でかかる相場料金を、分かりやすく解説していきますね。

自力予防策にかかる相場料金

自力で予防対策を行う場合、一度の作業にかかる相場料金は『数千円~1万円』程度です。市販の予防グッズには様々な種類がありますが、1万円を大きく超えるような商品は少ないため、対策に必要な物品の購入費としては、比較的安く済ませることができます。
ただし、一度の作業で永久的な予防ができるわけではないので、定期的に点検と予防作業を繰り返す必要があります。作業に必要な物品代金の他に、お金はかからないものの、作業時間という負担が発生します。

業者依頼にかかる相場料金

専門業者に予防作業を依頼した場合の相場料金は、一戸建て住宅で『約8万~16万円(1坪3,000円~8,000円)』です。予防のための防除消毒であっても、施工料金は、『駆除目的で行われるバリア工法にかかる料金とほぼ同額』の値段が適応されるため、金額としては高額になりがちです。

まとめ

市販のシロアリ対策グッズでも、『忌避性』のある予防用のものを選び、シロアリの活動が活発になる前の1~3月頃に、適切な手順で対策をすることで、シロアリを寄せ付けなくすることができます。
また、シロアリの大好物であるダンボールを庭先に放置しないようにしたり、湿気のもとを取り除くなど、シロアリの好まない住環境を整えることも、シロアリ予防には非常に重要です。自力駆除を確実に成功させるためには、定期点検と薬剤の持続期間を忘れないことが必須であることも、理解いただけましたよね。
確実に我が家を守るためには、一度の作業で終わりというわけではなく、定期点検を行い、薬剤の防蟻効果の持続期間に合わせて、継続的に対策を続けなければいけません。シロアリの予防方法に悩んでいる人は、大事な我が家を守るために、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
実践していただければ、シロアリ被害の不安を抱えることのない、快適なマイホーム生活を手に入れられるはずですよ。この記事が、あなたにとって不安やストレスを取り除き、未来の安心のために、最善の選択と方法を見つけるきっかけになることを、心から願っています。