「朝起きたら体がむずむずしてかゆい」
「皮膚に湿疹のような症状がでる」
「虫刺されの痕があるが、蚊とは違うような気がする…」
あなたも、このような謎のかゆみに悩まされていませんか?
ネットで検索すると、ダニの他に、ノミ・蚊・トコジラミ・蕁麻疹(じんましん)・帯状疱疹(たいじょうほうしん)についてなど色々な情報があるので、「自分のかゆみの症状が何か」を判断するのは難しいですよね。

そこで、「自分が悩まされているかゆみの原因が何かを知りたい」という方のために、まずダニを疑って、自分の症状がダニによるものかを判別し、その後「かゆみの正体の原因」を突き止める方法や、「対処法」を紹介します。

「かゆみの原因」がわかれば、いたずらにかゆみに対して怖がったりストレスを感じたりすることがなくなり、そのかゆみのおさまる「目安」や「正しい対処法」を知ることで、落ち着いて正しく自分で対処できるようになります。

この記事では、素人でもかゆみの原因が判断できるように、様々なダニによるかゆみの特徴を『写真付き』でわかりやすく解説し、その後「ダニ以外の可能性」について説明します。

また効果のある市販薬や、病院に行くべきかの判断についても説明します。

もう原因不明の、『謎のかゆみ』に悩まされる必要はありません。

あなたが今悩んでいるかゆみの正体を知って、病院に行くまでの正しい対処ができるようになります。
ぜひ、最後までお読みくださいね。

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1 しつこい謎のかゆみは「まずダニを疑う」

しつこい謎のかゆみは、まずダニを疑いましょう。

自分の症状がダニによるものかを判別することで、「深刻な病気なのではないか」といたずらに不安になることがなくなります。

ダニは、ほとんどの場合深刻な事態になることはありませんし、適切な治療や対処をすれば、すぐにかゆみがなくなります。

2 皮膚のかゆみは、ダニアレルギーの可能性が非常に高い

皮膚のかゆみは、ダニアレルギーの可能性が『非常に』高いんです。

厚生労働省などの報告によりますと、日本では、『全人口の約2人に1人』が何らかのアレルギー疾患に罹患(りかん)※していますが、そのうちのおよそ8割がダニアレルギーです。

※罹患とは病気にかかること

わが国の全人口の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患していることを示している。これは近年の国民の約3人に一人がアレルギー疾患に罹患している状態よりもさらに急速に増加していることを示している。

アレルギー疾患対策報告書
引用:厚生労働省「アレルギー疾患対策報告書」1(1)ア(ア)アレルギー疾患の罹患者数より https://goo.gl/ixb8H6

さて、実際にはその検査の結果、アレルギー性ぜん息やアトピーの症状をもつ方の7~8割はダニ・ハウスダストが原因と言われています。 このため、これらのダニアレルギー対策は大変重要です。

ダニ対策の必要性
引用:認定NPO法人(特定非営利活動法人)アレルギー支援ネットワーク「ダニ対策の必要性」 https://goo.gl/tyxBpM

2-1 アレルギー疾患患者の多さ

なぜこれほどアレルギー疾患患者が多いのかは、はっきりしたことはまだわかっていませんが、「先進国を中心に増え続けている」ことは確かです。

アレルギーの原因についてのひとつの有力な仮説の中に、「衛生仮設」と呼ばれる説があります。

渋谷内科・呼吸器アレルギークリニックでは、衛生仮設について次のように説明しています。{( )内の説明文は、筆者によるものです。}

私たちは生まれてくる時には、Th2細胞(過剰になればアレルギー反応を引き起こす寄生虫に対する防御にあずかる細胞)が優位の状態で生まれてきます。…ところが生まれてからあまりに清潔な環境で過ごし、感染を受ける機会が少ないと、本来成熟するべきTh1(細菌やウイルスに対する免疫・防御機構を担う)反応が育ってこないために、いつまでたってもTh2優位の状態が是正されずにいる結果、アレルギーの発症を引き起こしやすくしているというのがこの仮説です。

引用:渋谷内科・呼吸器アレルギークリニック https://goo.gl/Dh9mEP

この他にも、先進国特有の要因として、下記の点が原因として考えられています。

  • 食生活の変化による免疫力の低下
  • 抗生物質の多用による免疫力の低下
  • 住環境の変化によるアレルゲンの増加

2-2 アレルギーの中でもダニアレルギーの有症者が多い理由

数が増えているアレルギー疾患の中でも、特にダニアレルギーの有症者が多いのには理由があります。

「布団」、「じゅうたん」、「たたみ」という「一日の中で多くの時間を過ごす場所」にアレルゲンとなるダニがたくさんいますので、家にいるかぎり『毎日』、それも『長時間』、アレルゲン※を取り入れていることになるからです。

※アレルゲンとは、アレルギーを誘発する元となる物質のこと。

神奈川県衛生研究所は、「日本人がとりわけダニアレルギーになりやすい」ことについて次のように報告しています。

30年前に比べ、今の日本の住まいはダニとって好条件!
部屋の中のダニの数は、約3倍に増えました。

家の中にはこんなにたくさんのダニが!!アレルギーの原因物質もこんなに…!
引用:神奈川県衛生研究所「家の中にはこんなにたくさんのダニが!!アレルギーの原因物質もこんなに…!」 https://goo.gl/S16TKk

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3 そのかゆみ!ダニかどうか判断する

あなたのそのかゆみが、ダニかどうか判断することは可能です。

ダニによるかゆみには『特徴』があるので、他の虫に刺された場合と見分けることによって適切な対処ができるようになります。

最初に「ダニによる2種類のかゆみ」と、「ダニによるかゆみかを調べる4ポイント」について考え、次いで「ダニ以外の可能性」について解説します。

3-1 「ダニによる」かゆみは2種類あった!

ダニによるかゆみは、「刺された(噛まれた)ことによるかゆみ」と、「ダニアレルギーによるかゆみ」の2種類があることを覚えておきましょう。

「刺されたことのかゆみ」と、「ダニアレルギーによるかゆみ」は、ダニの『種類』もかゆみの『部位』も『対処法』も違ってきますので、どちらが原因であるかをはっきり認識しておくことは大切です。

かゆみの原因 ダニの種類 かゆみの部位 対処法 かゆみを抑える方法
刺されたこと ツメダニ
イエダニ
マダニ
刺された部分のみ ダニの駆除 かゆみの部位に薬を塗る
ダニアレルギー ヒョウヒダニ
コナダニ
全身症状 ダニの駆除、およびアレルゲンの除去 アレルギー症状を抑える薬を飲む

ダニを駆除した後に糞や死骸を取り除くことが基本的な対策法

かゆみの種類が何であれ、「ダニを駆除」した後に「糞や死骸を取り除く」ことが、基本的な対策法です。

アレルギーの原因となっているのは、『刺さないダニ』であるヒョウヒダニの死骸や糞ですが、『刺すダニ』であるツメダニは、ヒョウヒダニを捕食するためにやってきますので、結果的に『2つの種類の対策』になるのです。

ダニの死骸と糞がアレルゲンの直接の原因になることについて、わしお耳鼻咽喉科は、次のように説明しています。

実はアレルギーの原因になるのはダニはダニでも死骸やフン【死ダニ】です。空中に舞ったダニの死骸やフン【死ダニ】を吸い込むことによって鼻炎症状や咳などが出てきます。空中に舞いにくい生きたダニ【生ダニ】はアレルギーは起こしにくいのです。

ダニ(ハウスダスト)アレルギーの診断と治療
引用:わしお耳鼻咽喉科「ダニ(ハウスダスト)アレルギーの診断と治療」 https://goo.gl/dPBeBg

以下に、「生きたダニ」と、「死骸や糞」による被害をまとめました。

【生きたダニ】

  • アレルゲンである糞が増える
  • ダニが増える
  • 刺すダニであるツメダニを呼び寄せる

【死骸や糞】

  • アレルギーの直接の原因となる

3-2 「ダニによる」かゆみかを調べる4ポイント

「ダニによる」かゆみかを調べる、4ポイントについて解説します。

「1つだけ」で判断するのは難しいですが、4つのポイントから総合的に判断すると、素人でも判断することは可能です。

4ポイントとは、下記のような要素です。

  1. かゆみの部位
  2. かゆみの症状
  3. かゆみが起きた前後の環境変化
  4. かゆみの状態

詳しく、解説していきますね。

1.かゆみの部位

かゆみの部位が『露出していない柔らかい部分』であれば、ダニによるかゆみの可能性が高いです。

ダニは小さいので服の中に入っていけますが、噛む力が弱いので柔らかい部分を狙ってきます。

一方露出部分を中心に噛まれているなら、「蚊」、「シラミ」、「ブヨ」、下半身を中心に噛まれているなら、「ノミ」の可能性が高いでしょう。

ダニによってかゆくなる部位には、下記のようなものがあります。

  • お腹やわき腹
  • 腕の内側
  • 太ももの内側
  • ふくらはぎ
  • その他露出していない部分

または噛まれたわけではなくアレルギー症状なら、柔らかくない部分も含め、「体全体」がかゆくなります。

2.かゆみの症状

かゆみの症状は、「ダニによる」かゆみかを調べる2つ目のポイントです。

『刺されてからすぐ』にかゆみを感じる蚊と違い、ダニは『刺されてからかなり経過した後』(8時間以上)かゆくなり、症状が長く(1週間〜10日)続きます。

いなばクリニックの稲葉岳也院長は、かゆみの症状がなぜ遅くなるのかについて、次のような見解を述べています。

唾液腺物質や有毒物質などのアレルゲンが体内に侵入すると、それらに対して特異的に反応するTリンパ球(白血球の一種)が活性化され、炎症反応を引き起こす物質(炎症性サイトカイン)が放出されるため、虫にさされた箇所にかゆみをともなう腫れが生じます。Tリンパ球の増殖や活性化に時間がかかるため、症状があらわれるのが遅くなります。

虫刺されで腫れるのは、なぜ?
引用:ヘルスケア大学「虫刺されで腫れるのは、なぜ?」 https://goo.gl/NKhqBV

かゆみの症状が出てくると、「皮膚の状態」や「かゆみの感覚」にも独特の症状が出てきますので、これらの症状についても詳しく説明しますね。

皮膚の状態

ダニに刺されたあとの皮膚の状態は、「痛みはなく」「1センチ程度の赤い腫れ」が出てきて、多くの場合「腫れが近くに数か所ある」のが特徴です。

ダニに刺されると腫れてくるのは、免疫機能の働きすぎによるものなので、「痛み」ではなく「炎症反応」がでてきます。

いなばクリニックの稲葉岳也院長は、ダニに刺されるとなぜ腫れるかについて次のように説明しています。

蚊やダニなどの吸血性の虫に刺されると、かゆみをともなう腫れが生じます。これは、虫が人の血を吸う際に皮膚に注入する唾液腺物質に対して、アレルギー性の炎症反応が起こるためです。唾液腺物質には刺激性がほとんどないため、ハチに刺されたときのような痛みや発赤は起こりません。

虫刺されで腫れるのは、なぜ?
引用:ヘルスケア大学「虫刺されで腫れるのは、なぜ?」 https://goo.gl/NKhqBV

かゆみの感覚

ダニのかゆみの感覚は、蚊と比べると『強い』のが特徴です。

「ダニによるかゆみが強い」というのは、それだけ生存にとって危険であることの証拠で、実際人間だけではなく、犬や猫などの動物も足で『かいて』ダニを取り除いています。

このように「かゆい」という感覚は、病原体などを媒介するノミやダニを『かいて』取り除くための、脳からの指令であり、生存のために必要な行動です。

3.かゆみが起きた前後の環境変化

「ダニによる」かゆみかを調べる3つ目のポイントは、かゆみが起きた前後の環境変化です。

「特定の環境変化によってダニが急激に増え始め」、それがかゆみの被害に直接つながりますので、前後の環境変化をたどれば、自ずと犯人が『見えて』きます。

「特定の時期」「特定の部屋」「常温保存の食品」「何かアクションをした時」になぜダニが増えるのかを解説しますね。

特定の時期にかゆみが増す

もしあなたのかゆみが、「梅雨時期から徐々に被害が増え始め秋口にピークになっている」なら、ダニの可能性が非常に高いといえます。

ダニは、『高温多湿』の時期に増え始め、『湿度が下がり始める秋』には繁殖した大量のダニの死骸や糞が乾燥して空気中に漂い、体内に入りやすくなります。

愛知県衛生研究所は、ダニの繁殖力は、湿度と比例することについて次のように説明しています。

「ダニは、(最適60~80%)でよく繁殖します。…湿度50%以下では繁殖できません。」
居住環境のダニとダニアレルゲン
引用:愛知県衛生研究所「居住環境のダニとダニアレルゲン」 https://goo.gl/WqYGK2

なおかゆみのピークが梅雨時期か秋口かで、ダニの種類も見分けることができます。

  • 梅雨時期にかゆみが増え始める
    →ヒョウヒダニを捕食する『ツメダニ』に刺されたことによるアレルギー反応
  • 秋口にかゆみが増え始める
    →『ヒョウヒダニの死骸や糞』を吸い込んだことによるアレルギー反応
特定の部屋でかゆみが増す

他の部屋ではかゆくならないのに、特定の『部屋』にいるとかゆみが増す傾向があるなら、ダニの可能性が高いといえるでしょう。

ダニは『あなたがいる場所によって来る』のではなく、『ダニがいる場所にあなたが行く』ときに被害を受けます。

「高温多湿」で、人間やペットの毛やフケ、ほこりなど「ダニの餌」がある場所ならダニは自然と集まってきます。

なお、ダニの被害が多い場所トップ3は次のようになっています。

  1. 寝具(枕、マット、布団カバーセット等)
  2. じゅうたん
  3. 畳(い草ラグを含む)

ダニが増えやすい部屋には、「掃除機をかけてダニの餌となるものを取り除く」、「喚起をして湿度を下げる」など、ダニが住みにくい環境に整えるのが大切です。

常温保存の食品を食べた時かゆみが増す

「長期間常温で保管している開封済みの食品」を食べている時に、かゆみが出てくるならダニの可能性が高いといえます。

ダニは「寒さに弱い」ので、「冷蔵庫に入っている食品」に侵入・増殖することはありませんが、「開封済みの食品」の中には大量のダニが侵入して増殖します。

常温保管した食品がどれほど危険であるかについて、農研機構は次のような論文を掲載しています。

「28歳の女性は、開封後常温保管したお好み焼き粉で、もんじゃ焼きを調理しました。調理中に少しずつもんじゃ焼きを食べていくと、喘息の様な症状に続いて15分後には嘔吐し、30分後には腹痛になったため緊急搬送されました。病院到着後、意識混濁があり顔面が腫れ全身に紅斑が見られました。…調理したお好み焼き粉からは1g当たり50匹のコナヒョウヒダニが発見されました。また、女性はアレルギー性の喘息や皮膚炎の病歴を持っていました。これらのことから、症状は、お好み焼き粉に発生したダニを誤食したことで起こるアナフィラキシーであると考えられました。」
引用:農研機構「ダニを誤食して起こるアレルギー症状」 https://goo.gl/czH3h9

「小麦粉だけ」など、特定の食品を食べた後のみにかゆみが生じるのなら「小麦粉アレルギー」の可能性が高いですが、『不特定多数の食品により被害が出ている』ならダニアレルギーによるものと疑うべきでしょう。

小麦粉、ゴマ、ホットケーキミックスなど「常温保存が可能なもの」も、できるだけ冷蔵庫で保存するようにしましょう。

衣替えをしたなど何かアクションしたあとにかゆくなった

「衣替えをした」など、何かアクションしたあとにかゆくなったならダニの可能性が高いといえます。

「ダニは洗濯だけでは殺すことができません」ので、ダニがいっぱいついた服を保存していたことになり、服を着る時に大量繁殖したダニや、ダニの糞を吸い込んでしまうことになります。

ためしてガッテン2018年7月22日放送では、「生きたダニを洗濯機で洗っても81%は生き残っている」という内容が放送されていました。

衣替えで服をしまうときは、布団乾燥機などを使って、ダニを熱で完全に殺しその後洗濯機にかけて死骸や糞を洗い流してください。

※ダニは、50℃以上の温度では30分以内に死滅します。

4.かゆみの状態

「ダニによる」かゆみかを調べる4つ目のポイントは、かゆみの状態です。

ダニに刺された痕の写真を紹介しますので、今まで考えた、かゆみの「部位」、「症状」、「かゆみが起きた前後の環境変化」と共に総合的に判断してください。

【ツメダニに噛まれたかゆみの状態】
ツメダニに噛まれたかゆみの状態
写真は一ヶ所ですが、大抵このような赤いポツポツが複数広がります。

【ヒョウヒダニによるかゆみの状態】
ヒョウヒダニによるかゆみの状態
こちらは、ダニに刺されたのではなく、ヒョウヒダニとその糞を体内に吸い込んだことによるアレルギー反応です。

【マダニによるかゆみの状態】
マダニによるかゆみの状態
画像:広島県感染症・疾病管理センター https://goo.gl/1P3DbV
マダニは、ダニの中でも身体が大きく目視で確認することができます。

3-3 ダニ以外の可能性

今まで考えた4つの特徴が当てはまらないなら、『ダニ以外の可能性』も疑いましょう。

ダニによるかゆみは、基本的に『自宅での治療は可能』ですが、ダニ以外のかゆみはすぐに治療しなければならない『深刻な症状』もあります。

ダニのかゆみと間違いやすい、「蕁麻疹(じんましん)」「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」と、同じかゆみでも見分けのつきやすい「蜂」「ムカデ」の可能性について、解説します。

蕁麻疹

蕁麻疹は、ダニと間違えてしまうことがあります。

『15~20%の人は一生のうちに一度は経験する』といわれている病気なので、ダニアレルギーと同じく発症しやすく、おまけに『虫刺されの症状と似て』いるのが原因です。

日本皮膚科学会は、虫刺されと蕁麻疹の違いについて次のように説明しています。

虫刺されは後に何日かしこりのようなものが残ったり、ひっかいているうちに表面がジクジクしたり、数が増えたりすることがあるのに対し、蕁麻疹は必ず痕かたなく消えてしまうのが特徴です。また全体が平べったく膨らんだり、赤い輪のような形になることがあるのも蕁麻疹の特徴です。逆に一見虫刺されの様に見えるブツブツでも、数時間以内に痕かたなく消えてしまうようであれば、蕁麻疹の可能性が高いといえます。

引用:公益社団法人日本皮膚科学会「蕁麻疹 虫刺されとどう違うのですか?」 https://goo.gl/1swVdz

蕁麻疹はほとんどの場合、1ヶ月以内に起こらなくなりますが、もし慢性的な症状に悩まされているなら皮膚科に行って治療しましょう。

帯状疱疹

初期段階の帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、ダニのような虫刺されと間違いやすいです。

「かゆみが1週間以上続く」こと、「赤い腫れがでてくる」ことなど「ダニによる虫刺されと共通点が多い」からです。

日本皮膚科学会は、帯状疱疹について次のように説明しています。

片側の神経分布領域に一致して神経痛様疼痛、知覚異常あるいは痒みが数日から1週間続き、やがて虫さされのような浮腫性の紅斑が出現します。この時期に軽度の発熱やリンパ節腫脹、頭痛などの全身症状がみられることもあります。間もなく紅斑上に小水疱(みずぶくれ)が多発し、水疱は中央にくぼみがあります。内容は初め透明ですが、黄色い膿疱となり、6~8日で破れてびらん(ただれ)または潰瘍になります。

引用:公益社団法人日本皮膚科学会「ヘルペスと帯状疱疹 Q13帯状疱疹の症状は?」 https://goo.gl/pDwpVS

帯状疱疹の場合、原因となるウイルスを除去する抗ウイルス剤による治療が必要なので、必ず皮膚科に行ってください。

蜂による皮膚症状は、屋内で被害に遭うダニと違い、『大きく腫れる』ため、見分け方は簡単です。

※屋外に生息する「マダニ」とは、腫れ方が似ているので、注意が必要です。

蜂は刺されたら『鋭い痛み』を感じますが、マダニに刺されても『自覚症状』がほとんどありません。

ただし、マダニには「感染症」が、ハチには猛毒による「アナフィラキシーショック」になる可能性がありどちらも非常に危険ですので、すぐに病院に行くようにしましょう。

なお、蜂に刺されてしまった時にどのように対処すべきかについては「蜂に刺された時にやると悪化する『世の中の常識』と適切な対処法」に詳しい情報が載せられていますので、あわせてお読みください。

ムカデ

「ムカデ」に刺された痕は特徴がありますので、「ダニによるかゆみ」と見分けるのは簡単です。

ムカデに刺されると『鋭い痛み』を感じ、刺されると噛みあとである赤い斑点が『2か所』あるのが特徴です。

ムカデも、ハチと同じようにアナフィラキシーショックに陥る可能性がありますので病院に行くことをオススメします。

なお、ムカデに刺されてしまった時にどのように対処すべきかについては「とっさの応急処置で後遺症回避!ムカデに刺されたときの対処法」に詳しい情報が載せられていますので、あわせてお読みください。

4 ダニのかゆみには「落ち着いて」対応しよう

ダニのかゆみには、「落ち着いて」対応しましょう。

ダニによるかゆみはほとんどの場合深刻な状況になることはなく、適切な治療をすればすぐにかゆみは治まります。

「ダニのかゆみへの有効な市販薬」「いつかゆみがおさまるか」「皮膚に痕が残るか」「病院はどの科に行ったらよいか」という、ダニによるかゆみに関するよくある質問にお答えしますね。

4-1 自分でできるダニのかゆみへの有効な市販薬

自分でできるダニのかゆみへの有効な市販薬は、『ステロイド成分』が入っている薬です。

※ステロイド成分は危険な薬と主張する人がいますが、根拠はありません。
安全に関する厳しい審査をくぐり抜けてきたものばかりなので、用法を守れば、非常に安全で強い味方です。

ダニによるかゆみは、「体内の免疫機能が働きすぎてしまう」アレルギー症状なので、「免疫機能をコントロールしてくれる」ステロイドは強い効果があります。

一方「蚊」などの虫刺されに配合されている普通のムヒは、かゆみを抑える「ヒスタミン成分」しか入っていませんので、免疫機能が関係しているダニによるかゆみを抑えることはできません。

ステロイド成分の中でも、市販薬の中でかなり効果が高いランクに分類している、「PVA」という成分が配合されているムヒアルファEXをオススメします。

 

4-2 かゆみは10日でおさまる

「かゆみは基本的に10日でおさまる」、と覚えておくのは非常に大切です。

「ダニによるかゆみが消えないかもしれない」という妄想に取りつかれると、「ダニノイローゼ」という精神的な被害になって、『いつまでも』かゆみに悩まされてしまう可能性があります。

千葉工業大学 工学部建築都市環境学科の小峯裕己教授は、ダニノイローゼについて、次のように説明しています。

ダニ検査を何度行っても加害種が検出されず、心理的要因や身体的要因などによってかゆみが収まらないものを、ダニが原因であると信じて疑わない精神的な症状である。

引用:ダニ・カビ完全対策 室内微生物汚染 小峯裕己/編著 井上書院出版

要因は物理的なものではなく精神的なものなので、「かゆみは10日でおさまる」ということをしっかりと頭に入れておきましょう。

4-3 かゆみがおさまったら皮膚に痕は残るのか

かゆみがおさまったら皮膚に痕が残るかどうかは、多くの場合『その時の処置』にかかっています。

処置が遅れてかきむしってしまい、ダニによる発疹が長く続いてしまうと、『皮膚病』に発展してしまう恐れがあります。

オバジクリニックトウキョウコッツフォードの良枝院長は、ダニに刺された痕が残らない方法について次のように解説しています。

ダニに刺されて放置していると、腫れたり、かゆみがでてかいたりした結果に、痕が消えないなど思わぬ皮膚ドラブルを起こすこともあります。ダニの体内には人間に感染する病原体を含んでいることもあります。そのため、ダニを見つけたときにまずは、直接、手や素足でつぶしたりもしないように、肌に触れることのないように気をつけます。かまれたり、刺されたりした部分は消毒し、虫刺されの薬やあれば、ステロイド系の治療薬を使います。

引用:ヘルスケア大学「ダニに刺された痕が残ってしまったら」 https://goo.gl/1EiVLQ

「ステロイド成分の入った市販薬」をつけて、「かきむしらない」ように気をつけておけば痕になることはほとんどありませんが、もし心配な場合は病院に行くようにしましょう。

4-4 病院は皮膚科にいけば正解

病院は、皮膚科にいけば正解です。

皮膚科に行けば、「ダニであるかどうかの判断」を含め、「かゆみを抑える治療」、「痕が残らないように処置」をしてくれますので安心です。

皮膚科に行くと、次のような処置をしてくれます。

  • ダニによる被害全般の診断と治療
  • ダニ以外が原因だった場合のかゆみ(例えば虫刺されと見分けがつきにくい蕁麻疹や帯状疱疹)の治療
  • 症状に合わせて、塗り薬、飲み薬をもらえる
  • アレルギー検査(望む場合)

アレルギー検査のすすめ

慢性的なかゆみに加えて、せきや鼻水などアレルギー症状に悩まされているなら、39項目のアレルギー検査をオススメします。

原因がはっきりわかれば、原因に応じた対処ができるようになりますので、根本的な治療につながりますし、不必要な対処をする必要がなくなります。

私は自分で調べたことにより、「ダニアレルギー」であることはわかっていましたが、「小麦粉アレルギーではないか」とも思っていたので、しばらくの間小麦粉を控えていました。

それはとてもつらい経験でした。(ラーメン、パスタ、パン、ケーキなど小麦粉を使った料理はとても幅広いんです…。)
しかしアレルギー検査により、小麦粉は陰性で、原因は「小麦粉に侵入していたダニ」であることがはっきりしましたので、それ以降小麦粉を使った食品が食べられるようになりました。

さらにアレルギー検査をすると、ダニアレルギー反応を抑える飲み薬ももらえますので、かゆみが全身に出ている場合でも、うそのように症状がなくなりますので、辛いかゆみからも解放されます。

まとめ

今回はダニによるかゆみの特徴と、その対処法について解説しました。

しつこいかゆみに悩まされているときは、まずダニを疑いましょう。

ダニによるかゆみは、「特徴」があるため、素人でもある程度の判断をすることができます。

ダニは、「かゆみ」や「湿疹」だけではなく、「せき」「くしゃみ」「鼻水」などの症状を引き起こしたり、最悪の場合「アナフィラキシーショック」に陥ったりすることさえあります。

アレルギー症状がひどくなる前に、出来るだけ早く『ダニ対策』をすることをオススメします。

なお、「【ダニ対策の決定版】被害に遭わないための効果的なダニ対策」では、「安くできて継続的にできる確実なダニ対策」についてわかりやすく解説していますのであわせてお読みください。

いずれにしても、今謎のかゆみに悩まされていたとしても、「症状を知り」、「正しい処置」をすればかゆみはすぐに抑えることができ、安心して夜も眠れるようになります。