あなたは、シロアリの駆除を自分でするべきだと思いますか?それとも業者にお願いすべきだと思いますか?業者にお願いするとお金がかかりますし、「駆除してくれる人が悪徳業者ではないか」と思うと心配になりますよね。

でもあなたの家は、すでに「素人では難しいレベル」になっているかもしれません。そこで今回は、あなたの家のシロアリ駆除を「自分でできるレベルかどうかの判断基準」をお伝えします。

この記事を読んで頂ければ、シロアリの被害レベルに応じた適切な判断ができ、あなたの家からシロアリ被害をなくすための最も良い方法がわかるようになりますよ。

まず最初に「シロアリ駆除は自分でできるのか、それとも業者にお願いするべきか」についての判断基準を紹介し、その後自分で駆除する方法やその注意点、また「信頼できる駆除業者の選び方」をお伝えします。

自分で駆除するにしても、業者にお願いするにしても、正しい判断をすればもうあなたの家でシロアリに悩むことはありません。シロアリがいるかもしれないと悩んでいる人は、あとになって後悔することがないようにぜひ、最後までお読みくださいね。

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1 被害が「小さい」場合は自分でできる

素人でも設置するだけで、シロアリを完全駆除できる駆除剤があるため、シロアリの被害が「小さい」場合は、自分で駆除できます。まだシロアリによる被害がない場合も、自分で予防することができます。

2 被害が「大きい」場合は業者に頼む

被害が大きくなるとシロアリ全てを完全駆除するのは難しくなり、完全駆除が遅れると、被害はさらに拡大してしまいます。シロアリの駆除を自分でするか、業者でお願いするかを判断するために、あなたの家の『被害レベル』を把握する必要があります。

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3 『被害レベル』の確認基準

『被害レベル』の確認基準は、「シロアリの被害が素人でもハッキリわかるかどうか」で判断できます。シロアリの被害は、見えないところで進行していますので、素人では「本当の被害」の区別はつきにくいんです。

もしあなたの家が、「シロアリの被害があるとハッキリわかっているレベル」ならその被害はすでに「大きい」といえます。

なので、これから紹介する方法で試してみて「もしかしたらシロアリかもしれない」と思うくらいなら、まだ「自分で駆除できるレベル」です。シロアリの被害は表面的に表れませんが、いくつかの「特徴」がありますので、まずその特徴を確認しましょう。

3-1 今すぐできる!被害状況の確認方法

まずは、被害状況をわかる範囲で確認しましょう。
今すぐできますので、早速やってみてくださいね。

シロアリによる「被害」は、シロアリのいる「サイン」であり、床下にもぐらなくても、いるかどうかを確認することができます。シロアリによる被害、つまりサインは、次のようなものです。

シロアリ被害のサイン

確認内容 危険度 詳細
羽アリ ★☆☆ ・羽アリをよく見かける。
蟻道(ぎどう) ★★☆ ・基礎部分などに、屋内につながる土のトンネルがある。
・木材やコンクリートの割れ目や隙間に土が詰まっている。
内部の侵食 ★★★(要注意!) ・床がブヨブヨする。
・戸や襖の立てつけが悪い。
・柱や床板をたたくと、空洞音がする。

上記の「サイン」の一部、あるいはすべてがはっきりしているなら被害レベルは大きいです。サインが一つか二つで、「そう言われるとそうかもしれない」という程度なら被害レベルは小さく、「素人でも駆除することは可能」です。

羽アリがシロアリかどうかを判断する

羽アリがすべてシロアリなわけではなく、家に被害をもたらさない、「クロアリの羽アリ」もいます。かといって、シロアリ全てを覚えておかなければいけない訳ではないので安心してください!

日本で被害をもたらすシロアリの99%が「イエシロアリ」か「ヤマトシロアリ」なので、この2つの種類のシロアリを覚えておけば判断できます。イエシロアリとヤマトシロアリは『2枚の羽根の大きさが同じ』ですが、クロアリは『2枚のうち頭に近い羽根の方が大きい』という特徴を持っています。

シロアリクロアリもしあなたの家の周りにいる羽アリが「シロアリ」なら、その数十倍のシロアリがあなたの家の木材を加害しています。
※加害するシロアリは、「職蟻(ショクギ)」と呼ばれます。

クロアリは被害がありませんので、クロアリの羽ありが「家の外」にいるなら問題ありません。ただし、「家の中」にクロアリの羽ありがいるならそれは、シロアリを狙っている可能性がありますので(=家の中にシロアリがいる)シロアリ対策が必要になります。
※シロアリの最大の天敵はクロアリです。

蟻道をみかける

基礎部分あるいは、木材やコンクリートの割れ目や隙間に土が詰まっているのをみかけるなら、それはシロアリの蟻道です。

※蟻道については、この後で紹介する「蟻道を探す」で詳しく書いています。

シロアリは、あなたの家の屋内に侵入するために土で作った蟻道を設けますが、木材やコンクリートがあるならかじって侵入経路を作ります。

「内部」が侵食されている

「床がブヨブヨする」、「戸や襖の立てつけが悪い」、「柱や床板をたたくと空洞音がする」なら白アリによって家の「内部」が侵食されているサインです。

シロアリは、「木材」を好んで食べますが、人目につくのを避けるため表面ではなく目に見えない「内部」の木材を食べます。シロアリによって浸食された床やタイルをめくると、表面は何でもないのに内部の木材がボロボロになっています。

床、柱、戸がブヨブヨしたり、空洞音がしたりするなど内部が侵食されているサインがはっきりわかるなら、すぐに業者にお願いしましょう。シロアリ駆除に加えて、家の補修をしないと大地震の時に簡単に崩れ落ちてしまいますので大変危険です。

3-2 床下にもぐる

シロアリは、光を嫌うので床下など家の奥深くに巣をつくるため、実際に床下にもぐって点検するのは大切です

あなたの「目」で被害レベルを確認すれば、素人で行うレベルか、業者にお願いするレベルかを判断することができます。

床下にもぐるための準備

準備を怠ると事故の原因になったり、せっかくもぐったのに肝心のシロアリ点検ができなかったりします。点検には、下記の道具を用意しておきましょう。

  • 懐中電灯
  • 軍手、マスク
  • 床、柱などを突っついて確認するための棒かドライバー
  • デジカメ、もしくはスマートフォン

床下にもぐる時は「二人体制でおこなう」ことを徹底してください。一人は入口側で待機して、「入口が閉まって出られなくなってしまう」などの可能性も考えられますので、もしものことがあった場合に備えておきましょう。

3-3 蟻道を探す

蟻道とは、シロアリが地面から木部に移動するための「つながり」です。

蟻道
※蟻道(ぎどう)
蟻道(ぎどう)とは、乾燥や光を避けるための糞や土などを固めて作るトンネルで、シロアリは、その中を通ってあなたの家に侵入します。ベタ基礎のように、床下をコンクリートで一面覆っている場所でさえ、「コンクリートと床板の間のわずかな隙間」に蟻道を作って侵入してくることがあります。

シロアリは、基礎のコンクリート部分に沿って蟻道を作ることが多いので、基礎部分を重点的に確認しましょう。
※中には蟻道を作らないで配管や配線、あるいは断熱材をかじって、直接侵入してくるケースもあります。

危険な蟻道の見極め方

蟻道を発見したからといって急に怖くなって、全ての蟻道を壊してしまうと、後になって業者に頼むときに困ってしまうので蟻道を見極めることは、とても重要なことです。

業者は蟻道を確認して、『種類』を見極めたうえで、具体的にどのように駆除をするかという戦略を立てています。シロアリとクロアリそれぞれの蟻道の特徴は、以下の通りです。

シロアリの蟻道 クロアリの蟻道
細い 太い
到達点まで途切れない 真ん中で途切れている場合がある
触ると硬い 触るともろくてボロボロ崩れる

蟻道が使われているかどうか確認するために、蟻道を壊してシロアリが出てくるかを確認することができますが、「一部のみ」にしておきましょう。

4 自分でできるシロアリ駆除

シロアリ駆除として一般的な方法は、「ベイト工法」と「バリア工法」という二つの方法がありますが、自分でできるシロアリ駆除としてオススメしたいのは、「ベイト工法」です。

ベイト工法は、被害が小さいうちなら素人でも簡単にできる方法で、なおかつシロアリの巣から駆除することができます。どうしても「目に見えるシロアリをすぐに駆除したい」と思うかもしれませんが、シロアリの巣から駆除して完全駆除を目指しましょう。

4-1 素人でもできる!ベイト工法

ベイト工法とは、ベイト剤という駆除剤を混入した毒エサを食べさせる素人でもできる工法です。素人でもできるといえるのは、「完全駆除できるのに方法が簡単」だからです。

ネットやホームセンターでベイト剤を購入し、シロアリが寄ってきそうな場所に置くだけです。

 

 
ベイト工法は、巣全体の駆除を目的としているため即効性がなく、1~2ヶ月ほど時間がかかるというデメリットがあります。

ベイト剤を食べたシロアリは、脱皮ができなくなります。
※シロアリは、脱皮ができないと死んでしまいます。

働きアリは仲間にエサを与える習性がありますので、ベイト剤を巣に持ち帰ってくれ、巣全体が全滅しますので、「完全駆除」になります。

ベイト剤の設置場所

ベイト剤の設置場所は、「シロアリの侵入経路」です。シロアリの侵入経路に置けば、シロアリがベイト剤に気付き、あとは仲間に場所を教えて巣に運んでくれますので「巣を全滅」させることができます。

シロアリの侵入経路は、下記のような場所です。

  • 水回り(台所、浴室、洗面所、トイレ、散水栓など。
  • 花壇、樹木、切り株。
  • 花壇、樹木、切り株。
  • その他、蟻道やシロアリによる木材の破損個所のそば。

設置場所を確認したら、次のステップに従って、ベイト剤を設置してください。

  1. 上記の場所の木部に固定するか、基礎から20~30cm離れた場所の土を3cmほど掘り、埋めてください。
    ヤマトシロアリは4~6個、イエシロアリは1個設置します。
  2. 1~2ヶ月に一度、ベイト剤の下にシロアリが集まっていないかを確認します。

    シロアリがいたら、ふたを閉めて元の場所に戻します。

    シロアリが集まっていなかったら場所を移動し、中身が足りなくなったら傍にもう一つ追加します。

  3. 効果が出るまで、2ヶ月から12ヶ月待ちます。

4-2 即効性がある!バリア工法

バリア工法は、即効性がありますが中途半端に施工すると完全駆除が遅れますので、素人にはオススメできません。

バリア工法は、薬剤をシロアリの巣や侵入ルートに直接塗りつける方法です。床下にもぐって行う作業で、シロアリの侵入ルートを把握し、木材にドリルで穴をあけて薬剤を注入するなど専門的な知識、技術、経験が求められます。

バリア工法をすれば、シロアリはあなたの家に侵入してくることができなくなり、およそ5年間効果がもちます。

5 自分で駆除する場合の注意点

自分で駆除する場合に、注意する点があります。

「とにかくシロアリ駆除をしよう」というだけでは、効果がないばかりか、「被害を拡大する」ことさえあるんです。

必ず「完全に駆除」しなければならないことと、やってしまいがちな「殺虫剤を使用しないこと」について解説しますね。

5-1 「完全に」駆除しなければならない

シロアリは数万匹規模で活動しているため、確認できる被害箇所は「ごく一部」のため、「完全に」駆除しなければ意味がありません。

生き残ったあなたの目に見えないところで活動しているシロアリは、バラバラになって拡散し、別の場所に巣を作って被害を拡大してしまう可能性があります。

5-2 殺虫剤は使用しない

シロアリは、とても「警戒心の強い」生き物で、殺虫剤をかけようとすると逃げてしまうので殺虫剤の使用はオススメしません。

シロアリの拡散を防ぐために、無意味に刺激しないでおく必要があります。羽アリを見つけたなら、殺虫剤のかわりに掃除機で吸いこめば逃げられることなくまとめて吸い込むことができます。

吸い込まれた羽アリのほとんどは、すぐ死んでしまいますが生き残った羽アリも1週間以内に掃除機の中で死にます。

6 業者にお願いするメリット

業者に見積もりをすると「えっ!こんなにするの?」と驚くかもしれませんが、やはり高いお金を払うだけの納得のいく理由があります。なぜなら、業者は「素人がなかなかできない作業」をしてくれるからです。 

6-1 完全駆除してくれる

シロアリを完全駆除してくれるが、業者にお願いする大きなメリットの一つです。

シロアリは、人の目に見えない部分で生活しているので被害箇所も目に見える場所だけとは限りません。素人が完全駆除したと思っても、実は集団の中の「ごく一部」かもしれません。

業者は、専門知識や経験で、あなたの家にいるシロアリを「全て」把握し、専門の道具で根絶してくれます。

6-2 床下の作業

シロアリの駆除をするためには、慣れない床下での作業が求められることがありますので、業者にお願いすると安心です。

床下は、足場が不安定だったり、酸素が薄かったりするので、思うように作業ができないことがありますし、危険な状況になることもあります。

業者に頼めば安全ですし、床下を隅々まで点検してくれますので被害状況やシロアリの場所をきちんと把握することができます。

業者によっては、専門のカメラを使って床下を撮影し、あなたの目でも確認させてくれるところもあります。

7 信頼できる駆除業者の選び方

シロアリの被害が大きい場合、業者にお願いする必要がありますが、信頼できる業者をみつけるための「選び方」があります。

シロアリ駆除は、あなたの目に見えない作業が多いため、いい加減な仕事をしたり、高額な費用を請求したりすることがあります。

あなたも、シロアリ駆除と聞くと「悪徳業者」というイメージがありませんか?でも安心してください!信頼できるシロアリ駆除業者はたくさんいますし、選ぶポイントさえつかんでおけばあなたも必ず見つけることができます。

選ぶポイントは、「点検すること」「極端な割引をしないこと」「アフターフォローをすること」「資格の有無」です。「消費者側の知識不足」が悪徳業者に騙される原因の一つですので、このポイントをしっかり理解しておきましょう。

7-1 契約する前に点検する

シロアリの被害状況は「目視」でないとわからないため、契約する前に床下にもぐってしっかりと点検してくれます。

点検をしないで契約しようとする業者は、「いいかげん」であるか、「後で高額な費用を請求するか」のどちらかの可能性が高いです。しっかり点検したうえで、見積書を作成してもらいましょう。もちろん見積書に書かれている以上の高額な費用を業者から請求されても、支払う義務はありません。

7-2 極端な割引をする業者に注意する

複数の業者を見積もりする中で、他社と比較して極端な割引をする業者には注意しましょう。

業者の中には、そのような消費者心理をついて「値段だけ」を安く設定するところもあります。安い業者はそれだけ技術やサービスに自信がない業者かもしれません。実際、極端な割引をする業者はアフターフォローに重きを置いていない傾向があります。

7-3 アフターフォローがしっかりとしている

駆除業者にお願いする時、アフターフォローがしっかりしている業者を選びましょう。シロアリはとても「小さく」、「目に見えない場所で生活している」ため完全駆除したと思っても残っていることがあります。

いくら経験を積んだプロでも「必ず駆除できるとは限りません」ので、アフターフォローをしっかりしている業者を選ぶのは大切です。アフターフォローには、下記のようなものがあります。

名称 内容 期間
保証制度 工事後、シロアリが発生してしまった後無料で保証してくれる制度です。 5年以上
損傷の保証 シロアリ工事や、工事後再びシロアリが発生してしまったことによって建物が損傷した場合、その修繕費用を払ってくれます。 5年以上
定期点検 工事後定期的に異常がないかを点検してくれます。 1年に1回

見積もりの段階で、上記のようなアフターフォローがしっかりしているかどうかを確認してください。

7-4 有資格者がいることを確認する

シロアリ駆除には、日本しろあり対策協会が発行している「しろあり防除施工士」という資格がありますので、作業してくれる人の中に有資格者がいることを確認しましょう。国家資格ではありませんが、一定以上の実務経験(学歴により異なる)や、建築やシロアリに関する専門知識が必要となる信頼できる資格です。

もちろん資格を持っていない人がすべて悪徳業者というわけではありませんが、技術や経験が「目に見える証拠」となっているのは安心できますよね。

下記のサイトは、日本しろあり対策協会の加盟店を検索できるサイトです。お住まいの都道府県をクリックすれば、お近くの加盟店を調べることができますので、参考にしてください。

公益社団法人 日本しろあり対策協会
https://goo.gl/xpkvMt

まとめ

シロアリの駆除が自分でできるか、それとも業者にお願いすべきかを紹介しましたがいかがだったでしょうか。

【自分か業者かの判断について】

  • 「シロアリがいるかもしれない」程度なら、「被害が小さい」ので、自分で駆除できる。
  • 素人が見て被害がはっきりわかる場合は、被害が「大きい」ので、業者にお願いするべき。


【シロアリの確認方法】

  • シロアリによる「被害」は、シロアリのいる「サイン」。
  • 蟻道を探し、見つけたら一部を壊してみてシロアリが出てくるかを確認する。


【自分で駆除することについて】

  • 即効性はないが、簡単にできて完全駆除できる「ベイト工法」がオススメ。


【業者にお願いすることについて】

  • 「信頼できる業者のポイント」をつかんでから見積もりをお願いする。

シロアリは、ほっておけば家の土台が崩れてしまう、害虫の中でも最も人に害を及ぼす虫です。シロアリと人間との共存は、絶対に不可能です。

シロアリがいる可能性が「わずか」だったとしても、シロアリ対策は絶対に必要です。自分でするにしても、業者にお願いするにしても、「できるだけ早く」駆除するようにしてくださいね。