「夜中にドコドコとネズミに天井裏を走り回られて眠れない」「キッチンに置いてある食品や風呂場の石鹸がネズミに持って行かれている」この様に、ネズミがあなたの家に侵入して、様々な被害で困っていませんか?
プロの視点で申し上げますが、ネズミの被害をゼロにするなら『罠にかけて捕獲し処分する』事が一番です。とはいえ、一言に「罠」といっても「ネズミ捕獲箱罠」「バネ式罠」「粘着シート罠」「水がめ罠」など、種類も様々なんですね。
そこで今回はネズミ被害でお困りのあなたに、なぜネズミ駆除で罠が一番効果的なのかという根本的な理由から、罠の種類・具体的な設置方法までのすべてを紹介します。
罠駆除をカンペキにできるようになれば、今までネズミ駆除でうまくいかなかったという方でも、ネズミ駆除ができるようになります。うるさくて、勝手に食料を食べてしまうネズミは、罠を使って一匹残らず駆除してしまいましょう!
1 『殺駆除』なら罠が一番効果的!コツを抑えれば捕獲可能
殺処分に罠が効果的なのは、罠にかかったネズミを目で見て確認できる点にあります。
「ネズミの捕獲は難しい」とよく言われますが、それはコツを押さえた罠の使い方ができていないからです。罠の効果が最大限活かせるコツを押さえて、さらに学習能力を利用すれば、警戒心の強いネズミも簡単に捕獲することができます。
2 毒エサ・忌避剤は根本的な解決にならない
忌避剤
忌避剤は、ネズミが忌み嫌うものを使い、『追い払う』ためのモノであって、殺処分するためのものではありませんので、被害の根本的な解決にはなりません。
さらに忌避剤のデメリットは、ネズミが『無害であると学習されてしまうこと』です。
忌避剤をおいて数週間、効果が出たと思っても、無害だと学習すれば戻って来てしまいます。
その点、捕獲して殺処分すれば、戻って来る心配はありませんので、確実に駆除することができます。
毒エサ
毒餌駆除は、『ネズミの死体の処理』が大変です。殺鼠剤(さっそざい)=毒餌は、一口食べた瞬間に死ぬわけでは無く、食べた後3日から1週間後に死にます。
そのため、次のようなやっかいごとが生まれてしまいます。
- 毒餌を食べてから死ぬまでの期間があるため、『ネズミの死体』の捜索が必要になる
- 特に、屋根裏の手がとどかない所や、壁の断熱材の隙間でネズミが死んでしまうと、より死体の処理が困難になる
死体放置の二次被害
死体が見つけられずに放置されると、ネズミに寄生していたたくさんの菌やイエダニが、新たな寄生主をもとめて、周囲に散らばってしまいます。あなたの部屋にイエダニが発生してしまうかもしれないんです。
腐敗臭は強烈で最悪リフォームが必要
死体を放置すると腐ってしまい、強烈なニオイを放ち、最悪の場合こびりついたニオイを除去するために、リフォームする必要が出てきてしまいます。死体になってまで迷惑をかけられては、たまったものではありませんよね。
3 高い学習能力と警戒心が駆除に利用できる
高い学習能力と警戒心を逆手にとって、うまく罠を仕掛ければ簡単に駆除できます!一度罠を無害化して「安全だ」「警戒の必要はない」と学習させた後、罠を作動させると、ネズミはまんまと罠にかかります。
学習能力
高い学習能力は、迷路を使った実験でも証明されています。
迷路ケージで飼育されたマウスのランニングタイム及びエラー数は2回 目,3回 目,5回目の試行で著しく減少した。
この迷路を使ったネズミの実験で、迷路を通り抜けるのにかかった時間と、道を間違えた回数が、2回目、3回目、5回目と少なくなっていったようです。迷路のゴールに餌を置き、ネズミを迷路に放ちます。すると一度目は迷いながら試行錯誤し、ゴールに到達します。
そして、何度か実験を続けるうちに迷路の道を覚えて、一直線にゴール目指してすすみ出します!
警戒心
ネズミは、常に天敵から捕食対象としてねらわれているので、高い警戒心を持っています。
警戒心が強くほぼ決まった通路を使います。いつもと違った状態になると極端に警戒しますが、それが続くと馴れてきます。
東大阪市の保健所も明記しているように、出来るだけ警戒されないように罠を設置して、罠に慣れさせることが、ネズミを捕獲駆除する為の重要なポイントです。
4 捕獲罠を使った効果的な自力駆除方法
これからそれぞれの罠の使い方を、コツとあわせて詳しく説明していきます。
(1)ネズミ捕獲箱罠
『3つのコツ』を押さえながら、3ステップで説明します。
- 引き餌と箱罠の設置
- 箱罠を安全だと学習させる
- 箱罠を作動させる
オススメの箱罠
檻の中につるした『引き餌』におびき寄せられたネズミが、檻の中に入り、檻の中で『引き餌』を捕ろうとすると、ロックが外れて蓋がしまる仕組みです。
中からネズミが蓋を開ける事はできず、生きたまま捕獲することができます。繰り返し使用することができるので経済的ですね。
ステップ1:引き餌と箱罠の設置
- 引き餌にはいつも食べられているモノを選ぶ
- いつも食べられている場所に箱罠を設置
いつもの餌がいつもの場所にあることによって、ネズミの警戒心を解くことができます。
例えば、お風呂場の石鹸が齧られている場合は、お風呂場で石鹸を引き餌にして設置します。台所の棚の中で食品が持って行かれるなら、同じ場所で同じ食品を引き餌にして設置します。
箱罠や引き餌をさわる時は、軍手をつけて、人間のニオイを付けないようにしましょう。
人間のニオイはネズミを警戒させてしまい、罠に近づかなくなってしまいます。出来るだけネズミを警戒させない事が、罠での捕獲成功率を高めます。
また、もしいつも食べられている食品が、箱罠のエサ吊り棒にひっかかりにくくて使えない場合は、『ネズミの好物』を使います。『ネズミの好物』で、箱罠のエサ吊り棒に引っ掛けやすいのは次の4つです。
- 落花生
- さつま揚げ
- ソーセージ
- さつまいも
より効果を出すために、罠に仕掛ける前に『ごま油』で炒めると、ネズミの好物である『油っぽさ』を加える事もできますよ。
ステップ2:安全だと学習させる
箱罠自体は今まで無かったものなので、どうしてもネズミは警戒してしまいます。引き餌と箱罠を設置した後は、『箱罠は安全だ』とネズミに学習させ、罠に対する警戒心をときましょう!
- 引き餌を使い、罠に対するネズミの警戒を解く
- 箱罠のトビラがしまらないようにして、箱罠の中と周りに引き餌をまく
- 危害を加えず、引き餌をたべさせることにより、「この箱罠は無害だな。」とネズミに学習させる
無害だと学習した後は、簡単に箱罠に入ってきてくれます。
「箱罠の周り」と「箱罠の中」の両方の引き餌が食べられていれば、ネズミが箱罠を警戒しなくなったサイン。
箱罠の周り撒いた引き餌の状況を、毎朝確認して、ネズミが箱罠を警戒しているのかを見極めます。あなたが寝ている夜の間に、ネズミは活動しているので、毎朝の『引き餌チェック』で、ネズミの警戒心がわかります。
ステップ3:箱罠を作動させる
引き餌が食べられている事を確認したら、いよいよ箱罠を作動させます。箱罠の中にスイスイと入って来て、ネズミが引き餌を引っ張ると、トビラがしまるように、エサ吊り棒に引き餌を取り付けます。
- 引き餌の大きさは、エサ吊り棒に取り付けた時、棒の先端が見えず、餌が地面に付かない大きさにする
- 箱罠のまわりの引き餌はキレイに片付けておき、引き餌以外に食べるものがない状況にして、引き餌の効果を最大限発揮させる
- 罠を設置してからは、最低でも1週間は、罠の様子見し、コロコロ状況を変えてネズミを警戒・刺激させない
- 1週間は同じ場所で、「引き餌が齧られていないか」「周りにネズミが来た痕跡が無いか」を、観察する
- 箱罠で1匹ネズミを捕獲できたら、2~3日は罠を撤去し、同じ場所に引き餌だけをまいて、ネズミの警戒心をとく。引き餌を食べている事が確認できたら、警戒心がなくなってきた証拠なので、またステップ1から繰り返す
(2)バネ式罠
『3つのコツ』を押さえた使い方を説明するので、確実にネズミを罠にかけられます。
- 引き餌とばね式罠の設置
- ばね式罠を安全だと学習させる
- ばね式罠を作動させる
ステップ1から、それぞれのコツも含めて、順番に説明していきます。
オススメのバネ式罠
商品がコチラです。
小さいので、設置場所の制限がなく、あなたの家の『食品がネズミの被害に合う場所』が狭くても、設置する事ができます。
ステップ1:引き餌とばね式罠の設置
箱罠と同じく、『いつも食べられているモノ』を引き餌に使い、『いつも食べられている場所』にばね式罠を設置しましょう。『ネズミに警戒されない事』が、ネズミを罠にかける為の大事なポイントです。
- ばね式罠はネズミが通るルートには、設置しない
※屋根裏などのネズミが通るルートには、本来食料はないはずなので、そこに引き餌がいきなり現れれば、ネズミは警戒してしまいます。 - 「バチンッ」と挟まれて潰れたネズミの体液が、周りに飛び散る恐れがあるので、罠の下には新聞紙を敷いておいて、直接体液が家具などにつかないようにする
- 軍手を使って、罠に人間のニオイをつけないようにする
※「潰されたネズミを処理するのが気持ち悪くて、触りたくない」と思われる方には、バネ式罠での駆除よりも、箱罠や粘着式シートを使う事をオススメします。
ステップ2:安全だと学習させる
ばね式罠は、たいらな形をしており、この上にネズミがのった状態でばねが作動しないと、上手くネズミを挟めなかったり、尻尾だけ挟まったりしてしまいます。まずは、ばねが作動しない状態で、罠の上に引き餌を置いておき、ネズミに「ばね式罠の上は安全だ。」と思わせましょう。
2~3日の間、毎朝引き餌の状態を確認することがポイントです。
ステップ3:作動させる
引き餌がネズミに食べられていたら、いよいよばね式罠を作動させます。ばね式罠を「安全だ」と学習したネズミは、警戒せずに近寄ってきて、罠にしっかりかかってくれます。
- ばね式罠に取り付けた引き餌以外の餌は、片付けて周りに餌がないことで、引き餌の効果を最大限発揮させる
- 箱罠と同じく罠を設置した後、最低1週間は罠の様子を見て、コロコロ状況を変えず、毎朝「引き餌の状況」や「あらたなネズミの足跡がないか」の観察をする
- 1匹捕獲できたら、2〜3日は罠を撤去し、新聞紙の上に引き餌だけを撒いておき、ネズミの警戒心がとけるのを待ってから、引き餌が食べられている事を確認したら、ステップ1から繰り返す
(3)粘着シート罠
粘着式シート捕獲方法は、4ステップで行います。
- 設置場所
- 設置方法
- 安全だと学習させる
- 捕獲開始
それぞれのステップでの注意点も交えながら説明していきます。
オススメの粘着シート
こちらの粘着式シートが、10枚セットで販売されており、1枚あたりの価格も安くてオススメです。
ステップ1:設置場所
まずは、次の5つの点を踏まえて、『ネズミがどういう経路で移動しているか』を見極め、設置場所を選んでいきます。
- 『ラットサイン』がある場所
- あなたがいつもネズミを目撃する場所
- 壁際は家具の隙間など、目立たない所
- 壁の穴や部屋のトビラなど、ネズミの出入り口の前
- 天井裏などの他の罠の設置・回収が困難な場所
粘着シートは引き餌をつかわないので、『設置場所』が最重要ポイントです。粘着シートでは引き餌を活用できない、というより、使用しない方がいいんです。
いつも餌がない場所に引き餌があると、ネズミが警戒して立ち止まってしまう確率が高いです。
ステップ2:効果的な設置方法
- 『ラットサイン』と『いつも食品が被害に合う場所』を結んだルートが、『ネズミがいつも通るルート』となります。ネズミの通るルートに設置しましょう。
- ネズミは壁際や家具の隙間を通る修正があるので、壁際に設置するのも効果的です。
- 『備え付けの棚の中に空けられた穴』などにラットサインがあればそこが『ネズミの出入口』になっている可能性が高いので、その付近へも設置しましょう。
- 天井裏の点検口がある場合は、天井裏へも設置しましょう。
さらに効果的に設置するために、以下のポイントを押さえ、効果を最大限に発揮できるようにしましょう。
- 設置する場所は掃除しない
- 作業は軍手をつけて、人のニオイがつかないように
- 粘着シートの下には新聞紙を敷く
- ネズミが通る場所全体を粘着シートで埋まるように
- 生活空間に設置する場合は、夜間のみ設置する
- 設置する場所のラットサインは、掃除せずそのままにしておく
- 粘着シートを設置する時は、軍手をつけ、人のニオイがつかないようにする
- 粘着シートの下には新聞紙を敷き、新聞紙でネズミの汚れた足を拭き取り、粘着シートにくっつきやすくする
- 隙間なく並べ、ネズミが粘着シートを避けてたり、飛び越えたりが出来ないようにする
ネズミは夜行性ですので、夜寝る前に設置して、朝には片付けても大丈夫です。ただし同じ並べ方で並べて、ネズミに警戒されないようにしましょう。
ステップ3:安全だと学習させる
まずはネズミに、『罠自体を安全だ』と学習させて、『罠への警戒心』を無くします。ネズミの警戒心を解いた所で、いよいよ粘着シートでの捕獲開始です。
- 接着面を露出しないように、粘着シートを『折りたたんだまま』並べる
- ネズミに『無害なただの厚紙だな。』と学習させる
- 新聞紙や粘着シートの上に、糞尿やネズミの足跡を探す
- 糞尿やネズミの足跡が発見出来たら、ネズミが粘着シートを安全だと学習したサインとみなす
ネズミの警戒心を解いた所で、いよいよ粘着シートでの捕獲開始です。
ステップ4:捕獲開始
粘着シートのハシが重なるようにして、粘着シートを引き詰めるように設置します。
警戒心が薄まったネズミは、粘着シートにまんまと引っかかってくれます!
粘着シートをキレイに隙間なく並べるのではなく、ランダムに並べる方法もあります。粘着シートを警戒しながらうろうろと動き回るうちに、どれか一つに引っかかる算段です。
罠を設置して1週間ほど効果がなかった場合、並べ方を変えたり、もう一度ネズミの行動を観察して、設置場所を変更して挑戦してみましょう。
一度捕獲した場所の粘着シートは、2〜3日は片付けましょう。
1匹粘着シートにネズミがかかれば、仲間のネズミはしばらく警戒して近寄ろうとしません。
一度捕獲した場所は、新聞紙だけを引いておいて、警戒心をときましょう。
新聞紙にあらたなラットサインが現れたら、ステップ3から繰り返しましょう!
捕まえたネズミは、そのまま粘着シートごと折りたたんで、『燃えるゴミ』として処分しましょう。
(4)水がめ罠
水がめ罠捕獲方法は、3ステップで行います。この方法は、2003年にNHKの番組内で紹介されたものです。
「箱罠・ばね式罠で1匹は捕獲できたものの、罠を警戒されてしまい他のネズミが捕獲できない」という方には、ぜひチャレンジしてみてください。
素人でも簡単に設置できる方法で、かつ、一度に大量のネズミを駆除することが出来る画期的な方法です。
- 罠の自作
- 設置
- メンテナンス
用意するもの
ホームセンターやオンラインショップで用意できる以下の3つをそろえておきましょう。
- 深さが30cm以上の水がめ(中身が見えないポリバケツで代用可能)
- 籾殻(もみがら:お米の皮)やふすま(小麦の皮)
- 水(水道水でもお風呂の水の使いまわしでもOK)
水がめは、横から見て中身が見えないポリバケツなどでも代用可能です。
そして、籾殻やふすまなど、水に浮く炭水化物を引き餌とします。
ステップ1:罠の自作
水がめ罠は市販されている罠ではありませんので、自作する必要があります。
- 『ポリバケツ』など横から中身が見えない容器を用意
- 水深が30cm以上になるように水を張る
- 籾殻やふすまを、水面が見えなくなるまで入れる
籾殻やふすまは水面に浮くので、籾殻の下が水だと知らないネズミはそれを食べに来て、水に落ち、そのまま溺死してしまいます。
ステップ2:設置
水がめ罠は、他の罠と同じくラットサインのある所に設置します。
- ネズミの活動時間である夜、あなたが寝る前に、籾殻を水がめにいれます
- 翌朝、沈んだ籾殻とネズミの死骸を、ザルなどで水と分けます
- そのまま新聞紙などにくるみ、ゴミにだします。
ネズミの行動範囲内に水がめがあるようにして、ネズミの警戒心を下げつつ、上手くネズミをおびき寄せましょう。
つるつるした陶器の水がめやポリバケツを、ネズミは登ることができません。
ネズミが水がめのフチまで登れるように次のような工夫をしてフチまで誘導しましょう。
- 板などで地面から登れるように『スロープ』のようなモノを置く
- 玄関や階段などの『段差』を利用する
ステップ3:メンテナンス
籾殻やふすまは、3時間で沈んでしまい効果がなくなってしまうので、毎日メンテナンスしましょう。
- 籾殻の交換
- ネズミがかかってないかのチェック
毎日メンテナンスの必要がありますが、複数匹とれる可能性がある画期的な罠です。
他の罠とも併用しながら上手に利用しましょう。
水がめ罠は『はじめに罠にかかったネズミ』が、他のネズミからは見え無いので、他のネズミを警戒させることがありません。
「箱罠」「ばね式罠」「粘着シート」では、1匹ネズミを捕獲した後、しばらく罠を撤去して、ネズミの警戒心を解く必要がありました。なぜならネズミは賢くて警戒心が強いので、仲間のネズミが捕まっているのを見ると、同じ罠にはしばらく近寄りません。
しかし水がめ罠にハマったネズミは、そのまま溺死してしまい、水中に沈みます。水がめの横からは、中は確認できませんし、上からも籾殻しか見えず、中は確認できません。
他のネズミは、罠にかかった仲間が見えないので、警戒せずにまた罠にかかってしまうというわけです。
ちなみに、春から秋にかけては、木の実などの美味しく栄養価が高い餌が、屋外に他にもたくさんあるため、水がめ罠の『引き餌』の効果が発揮されにくくなります。
冬、他に餌がない時に仕掛けると、驚きの効果を得ることができますよ。
駆除が終わったらするべき2つのこと
駆除が終わったら『完全駆除で来たかの確認』と『同じ被害に遭わないための対策』を行いましょう。
(1)完全駆除で来たかの確認
「ネズミを完全に駆除できたか?」を確認するには、いままでの被害が収まっているかを確認します。
「天井裏からの物音は収まったか?」
「家具や壁などがあらたに齧られていないか?」
「天井裏なども含めてラットサインが新たに出ていないか?」
一つ一つの変化に目を凝らして見極めることにより、ネズミがもういないかどうかを確認できます。
(2)同じ被害に遭わないための対策
駆除が終わったら、また新たなネズミの被害に遭わないために次の環境的防除を行いましょう。
環境的防除は、かんたんに言うとお家をキレイに整理整頓することです。
キレイに整理整頓され、餌や巣の材料が無い家では、ネズミにとって住み心地が悪い為、ネズミは寄ってきません。
- ゴミは蓋付きのゴミ箱に入れる。
- 料理の後や使用した食器は、すぐに洗い台所を清潔に保つ。
- 植物性の石鹸はたべられるので、プラスチックの石鹸入れにしまう。
- 食品はダンボールやビニール袋ではなく、プラスチックやガラス容器にしまう。
- 巣の材料となる新聞紙・ダンボール・ティッシュ・タオルをそのままにせず、衣装ケースなどにしまい片付ける。
- 衣類やシーツも巣の材料になるため、衣装ケースに収納し不要なものは処分する。
以上の事を徹底して行いえば、あなたの家が「ネズミにとって住み心地の悪い家」になります。ネズミも餌がなくて、巣に出来る材料もないところには住みたがりません。
せっかく苦労してネズミを駆除したので、家をキレイに保ち、ネズミを寄せ付けないようにしましょう。
5 罠の効果を最大限引き出す4つのポイント
さらに捕獲率を上げるためのポイントは、『引き餌はネズミの好むものを使う』『ラットサインからルートを探る』『天井裏の駆除確認は鳴き声で行う』『罠設置場所は掃除しない』の4つです。
詳しくお伝えします。
(1)引き餌はネズミの好むものを使う
被害に遭っている食品がバラバラの場合や、まだ食品被害にまではいたっていない、という場合は、好物を引き餌に使いましょう。
ネズミの一番の好物は『油っぽいもの』です。
ちょこまかと動き回るネズミにとっては、高カロリーな油は大事なエネルギー源です。
具体的には次のものが有効です。
- 『ごま油』で炒めた落花生
- 『ごま油』で炒めたさつま揚げ
- 『ごま油』で炒めたソーセージ
- 『ごま油』で炒めたさつまいも
『ネズミといえばチーズ』というイメージがありますが、実はネズミの好物ではありません。
「ネズミはチーズを好きだ」というのは、チーズの貯蔵庫をネズミが寝床にしていた事が由来しています。
イギリスのチーズ会社の実験では、ネズミはチーズが好きではないとの結果が報告されています。食品保管庫にチーズを保管していた時代に、貯蔵庫をネズミが寝床にしていたのでチーズ好きと思われるようになったようです。
引用:アース製薬
ヨーロッパの家庭とは違い、日本では『チーズ』が食害に合うケースは稀ですので、わざわざ『引き餌』にする必要はありませんね。
(2)ラットサインからルートを探る
ネズミの糞尿や家具を齧られたあとは、『ラットサイン』と呼ばれ、ネズミが安心して通る『いつものルート』が分かります。
壁際や家具と壁の隙間などを伝って移動する習性があるので、確認してみましょう。汚れた身体を壁や家具にすりつけた際に、黒ずんでしまった証拠が残っています。その黒ずみもネズミの通りみちであることが分かる『ラットサイン』です。
ラットサイン
画像引用:アース製薬 https://goo.gl/AmQrDi
『ラットサイン』と、壁際や家具の隙間と、食料が被害に合う場所を線でつなぐと、ネズミがいつも通っているルートが浮かび上がってきます。
夜寝る前に、ネズミのルートと思われる場所に、小麦粉を軽くまいておくと、ネズミの足跡が残り、ルートを断定することができますよ。
(3)天井裏の駆除確認は鳴き声で行う
天井裏に設置した罠にかかったかを確かめるには、ネズミの鳴き声をよく聞いてみましょう!
罠にかかったネズミは、罠に捕まりパニックになり、叫ぶような鳴き方をしますので、すぐに分かります。毎日天井裏をあなたがチェックすると、ネズミが警戒してしまい、せっかくの『人が来ないので警戒心が低く罠にかかりやすい天井裏』のメリットを潰してしまいます。
ネズミの鳴き声が聞こえたら、屋根裏にしかけた罠をチェックしましょう。
(4)罠設置場所は掃除しない
罠を設置する場所を掃除してフンを片付けてしまうと、ネズミの「自分たちのニオイ」が無くなり、人間や洗剤のニオイが残ってしまいます。フンを掃除してネズミのニオイがなくなり、代わりに人間のニオイがついていれば、ネズミは警戒心を高めてしまいます。
ネズミが警戒してしまうと、罠に近づかないどころか、他の安全なルートを探しにいき、被害範囲が拡大してしまうかもしれません。
ネズミは動きながら糞尿をしますので、罠を設置しようとする場所には、フンが転がっていて不潔で、ついキレイにしたくなる気持ちはわかりますが、グッとこらえましょう!
6 捕獲後に安全に処分するための3つのポイント
無事捕獲したあとには、以下の3つのポイントを抑えて、正しく処理しましょう。正しく処理しないと、ネズミに噛みつかれたり、死体の二次被害に合ってしまいます。
- ネズミは絶対素手では触らない
- ネズミの死体は新聞紙で包んで『燃えるゴミ』
- 箱罠で捕まえたネズミはすぐにバケツで溺死させる
(1)絶対素手では触らない
捕獲したネズミを、絶対に素手では触らないで下さい。死んでいる場合でも、体に寄生した細菌やイエダニなどの害虫は死んでおらず、人間に害をあたえます。
殺虫スプレーを吹きかけて、細菌やダニなどを殺し、軍手ではなく、ゴム手袋や革手袋を使って処理しましょう。
(2)燃えるゴミで捨てる
死体は、新聞紙で見えないように包んで、『燃えるゴミ』として処分しましょう。大手製薬会社も、生ゴミとしての処分を推奨しています。
捕獲したネズミは、新聞紙や包装紙に粘着剤ごとくるみ、生ゴミとして処分してください。
引用:アース製薬
(3)バケツで溺死させる
生きているネズミは、糞尿を撒き散らし、糞尿には悪臭と細菌の二次被害の恐れがあります。捕獲したら出来るだけはやく処理しましょう。
箱罠で捕まえたネズミは、捕獲した後すぐに、バケツなどに水を張り、箱罠ごと沈めて溺死させましょう。
生きているネズミを殺すのは、少しためらわれるかもしれませんが、また戻ってきて被害を受けないためにも、思い切って処理しましょう。
家ネズミ3種類は、「環境衛生の維持に重大な支障を及ぼす鳥獣」として、鳥獣保護管理法の『対象外』となっており、無許可での殺駆除が可能です。
ただし、鳥獣保護管理法第80条の規定により、「環境衛生の維持に重大な支障を及ぼす鳥獣又は他の法令により捕獲等について適切な保護管理がなされている鳥獣」として、ニホンアシカ・アザラシ5種・ジュゴン以外の海棲哺乳類、いえねずみ類3種については、鳥獣保護管理法の対象外とされています。
まとめ
ネズミの殺処分には罠で捕獲し処分するのが1番です。死体を目視して確認できますし、毒餌での殺処分は、ネズミの死体の行方がわからず、死体の腐乱臭や、細菌・イエダニなどの2次被害に遭う可能性があるからです。
ネズミの学習能力を利用し、ネズミの強い警戒心をといて、コツを押さえて罠を使えば、捕獲は難しくありません。
記事の通りに実践してもらえれば、もうあなたがネズミ被害から解放される日も近いといえます。ネズミがいない生活への道筋は、もうバッチリみえていますよね。
根気よく罠を仕掛けて、日頃の整理整頓を習慣にし、ネズミの被害の無い生活を送りましょう!
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