• 「蜂が、ベランダの天井に群がっている…!」
  • 「軒下から、蜂が何匹も出たり入ったりを繰り返している…?」
  • 「あの蜂の巣を作っているのは、なんていう蜂なんだろう…?」

あなたは、こんな体験をしたことがありますか?
日本にはいろいろな種類の蜂がいますが、1部の蜂は、民家やアパート、木の周り、通気口やベランダなど、様々な場所に巣を作って、私たちが知らないうちに繁殖していることがあります。

蜂の巣の種類は、蜂によって様々です。

子供の握りこぶしほどしかない大きさの巣を作る蜂もいれば、あなたが1人で取るには相当勇気のいる、大きな巣を作る蜂もいます。

さらには、巣を1度撤去しても、再び同じところに戻ってきて巣を作ろうとする蜂もいるんです。

蜂の恐ろしさは、『刺されれば死に至るケースもある』ということ。

特に小さなお子さんのいるご家庭では、子供が蜂に刺されてしまわないかと、ご両親はいつも気が気ではないでしょう。

「蜂の巣を早く除去したい」と願う皆さんの中には、自力での駆除を考えている方もいらっしゃると思います。

しかし、はたして私たちは、蜂の巣を自力で除去できるものなのでしょうか?

反対に、私たちが蜂の巣撤去を害虫駆除業者に依頼するとしたら、撤去の費用はいくらくらいかかるのでしょう?
また、そもそも蜂の巣の撤去は、市区町村の行政機関で実施してはくれないのでしょうか?
今回の記事では、

  • 蜂に巣を作られて困っている
  • 蜂の巣を自力で撤去するか、業者に撤去を依頼するかで悩んでいる
  • 蜂の巣撤去に関して、市区町村での対応を知りたい

というあなたへ、蜂の生態に詳しい筆者(駆除業者に務める叔父がいる)が、蜂の種類や、それぞれの巣を『1番安全な蜂の巣除去方法』についてお伝えします。

合わせて、駆除業者に依頼した場合の費用や、市区町村での対応についても、詳しくお話しします。

この記事を最後まで読むと、あなたが今迷っている『蜂の巣を撤去する方法』を『根拠に基づいて』選ぶことができ、なおかつ、蜂の巣を速やかに撤去できるようになりますよ。

ぜひ、最後まで目を通していただきたく思います。

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1 蜂の種類と巣の形状や特徴

林野庁によると、林業従事者も一般人も合わせて、毎年20人強の方が蜂に刺されて亡くなるそうです。

我が国では、野外で作業する林業従事者はもとより、一般の人々も含めて全国で毎年20人強の方が蜂刺されで亡くなっています
 
林野庁オフィシャルWEBサイト『蜂刺され災害を防ごう』より抜粋 https://goo.gl/N3JFvW

日本に生息する『人を刺す(刺しうる)蜂』は、大きく分けて以下の4種類です。

  • 雀蜂(スズメバチ)
  • 足長蜂(アシナガバチ)
  • 蜜蜂(ミツバチ)
  • ハナバチ(クマバチ)

この中で、人間の家の『表面』に巣を作り出すのは『スズメバチ』『アシナガバチ』『ミツバチ』の3種で、ハナバチだけは、木の中に巣を作って繁殖します。

今回は、家の『表面(軒下も含む)』に巣を作る3種の蜂について紹介します。

1-1 蜜蜂(ミツバチ)

ミツバチは、『花の蜜を集める蜂』として有名な蜂ですが、私たち人間を刺しうる蜂でもあります。

日本にいるのは、主に『ニホンミツバチ』『セイヨウミツバチ』の2種類です。

画像:Wikipedia『ミツバチ』より引用
画像:Wikipedia『ミツバチ』より引用
https://goo.gl/KWVyuD

ミツバチは『巣板』と呼ばれる平べったい巣を幾重にも重ねて、巣を作り上げます。

巣が出来上がると、こんな感じに。

蜜蜂(ミツバチ)の巣
巣全体の形は、巣ができた場所によって変わります。

画像:横浜市保土ヶ谷区オフィシャルWEBサイトより引用
画像:横浜市保土ヶ谷区オフィシャルWEBサイトより引用
https://goo.gl/nyyYt2

2枚目の写真では、ミツバチが開放部に営巣(えいそう)※を行っていますが、本来ミツバチは、屋根裏や床下などの『閉鎖部』を好んで巣を作り、同じ巣を何年も使い続けるという特徴があります。

※営巣(えいそう)…生き物が巣を作ること

ミツバチは、3種類の蜂の中で特に温厚であり、こちらから近づいて行って、巣を荒らすようなことをしない限りは、私たちに攻撃してくることがありません。

しかし、彼らがひとたび我々に対して危険性を感じ取ると、1匹ではなく、集団で襲い掛かってくることがありますので、安易に刺激しないように注意する必要はあります。

1-2 足長蜂(アシナガバチ)

足長蜂(アシナガバチ)
アシナガバチは、身体が小さくて体系も細い、お腹が『キュッ』とくびれているのが特徴的な蜂です。

アシナガバチにもいろいろな種類がありますが、“人を刺しうる”のは、

  • セグロアシナガバチ
  • キアシナガバチ
  • キボシアシナガバチ

の3種類です。

とはいえ、アシナガバチもミツバチに続いて穏やかな性格の蜂ですので、むやみに私たちを攻撃してくることはありません。

ちなみに、アシナガバチは、下方へ巣穴が露出する『シャワーヘッド』のような巣を作ります。

アシナガバチは、下方へ巣穴が露出する『シャワーヘッド』のような巣
アシナガバチの巣は、巣穴が露出しているので、駆除の際に『殺虫剤を吹きかけやすい』という長所があります。

繁殖がもっとも盛んになる7~9月頃にかけては、巣を守るために防衛本能が強くなり、攻撃性が高まっている個体が多くなります。

つまり、アシナガバチの穏やかな性質は、7~9月にかけて失われてしまうんですね。

だから、個体数が多いアシナガバチの巣には、安易に近づかない方が無難です。

ちなみに、アシナガバチの巣は、春先に作られたばかりの、まだ小さな状態であれば、自力で撤去することも可能ですので、巣が拡大しないうちに早い段階で対処するのが理想的です。

1-3 雀蜂(スズメバチ)

雀蜂(スズメバチ)
スズメバチは、言わずと知れた『攻撃性・凶暴性が強い大型の蜂』です。

日本には、なんと8種類ものスズメバチが生息しています。

日本に生息しているスズメバチの種類

  • オオスズメバチ
  • モンスズメバチ
  • ヒメスズメバチ
  • チャイロスズメバチ
  • コガタスズメバチ
  • クロスズメバチ
  • シダクロスズメバチ
  • キイロスズメバチ

スズメバチは、種類によって『開放的な場所に巣を作るスズメバチ』と『閉鎖的な場所に巣を作るスズメバチ』『土の中に巣を作るスズメバチ』と、巣を好んで作る場所が違います。

開放的な場所に巣を作るスズメバチ

  • コガタスズメバチ
  • キイロスズメバチ

閉鎖的な場所に巣を作るスズメバチ

  • コガ
  • ヒメスズメバチ
  • モンスズメバチ
  • キイロスズメバチ
  • オオスズメバチ
  • クロスズメバチ
  • シダクロスズメバチ

土の中に巣を作るスズメバチ

  • コガ
  • ヒメスズメバチ
  • クロスズメバチ
  • シダクロスズメバチ

ちなみに、チャイロスズメバチは、他のスズメバチの巣を襲撃して嬢王蜂を殺し、自分が巣を乗っ取って、巣を自分のものにしてしまう、かなり強引な蜂です。

他のスズメバチは、軒先や屋根裏、軒下など住みやすい場所を見つけると、最初に『フラスコを逆さまにしたような巣』を作ります。

※土の中に作られる蜂の巣は、初期の段階で『お椀型』をしていることが多いです
そして、巣は徐々に大きくなり、最後には『マーブル模様』の禍々しい巣が完成します。

巣は徐々に大きくなり、最後には『マーブル模様』の禍々しい巣が完成
スズメバチは、いずれの種類も強い毒性を持ちますので、私たちが刺されれば強いアレルギー反応が引き起こされ、最悪死に至るケースもあります。

自宅に、蜂の巣と思わしき物体ができた場合には、日ごろから『蜂に刺されないための対策』を講じた上で外出しましょう。

2 蜂に刺されないための対処法

蜂に刺されないためには、蜂をむやみに刺激しないことが大切です。

どの蜂も、自分たちの巣に危害が加えられると感じる時に狂暴化し、人間を襲ってきますので、まずは巣のある場所に近づかないのが一番です。

しかし、こちらから巣に近づかなくても、蜂から近づいてくる可能性は十分に考えられます
そのため、蜂の巣を撤去するまでの間は、以下のことに気を付けて生活しましょう。

2-1 服の色に気を付ける

アシナガバチやスズメバチの巣がご自宅にある場合、外出時には、黒や赤、青色の服を着ないようにしましょう。

なぜなら、アシナガバチとスズメバチは、黒・赤・青い色に対して攻撃してくる性質があるからです。

ちなみに、ミツバチの場合は、花の色に似た鮮やかな色によって行く習慣がありますので、ピンクや黄色・グリーンなど、発色のハッキリしている服は着ない方が無難です。

2-2 肌を露出しない(防蜂ネットの着用)

また、外出時には肌を露出させないということも大切です。

肌が出た部分に、蜂が襲い掛かってくる恐れがあるためです。

 
首や頭など、露出を避けることができない部分は、このような『防蜂ネット』を着用して、蜂から身体を保護しましょう。

外出時は、全方向にツバのある帽子の上から防蜂ネットを着用し、蜂がいない場所までたどり着いたら、取り外してください。

2-3 殺虫スプレーを携帯する

万が一、蜂がすぐそばにいた場合に備えて、日ごろから殺虫スプレーを携帯しているとより安全です。

なぜなら、どんなにこちらが蜂を避けていても、我々の死角から蜂が近づいてくる可能性もあるからです。

蜂が近くにいたら、すぐさまバッグから殺虫剤を取り出して蜂に噴射すれば、刺されずに済みます。

蜂に対して有効なのが『ピレスロイド』という殺虫成分。

これは、蜂に浴びせると必ず蜂が死んでしまう、殺虫力の強い成分なんですが、人体には無害なので、私たちは安心して使うことができます。

 
この『スズメバチマグナムジェット』という殺虫剤は、ピレスロイド成分が配合されている殺虫スプレーです。

スズメバチに直接使うこともできますし、スズメバチの巣に吹きかけて、中にいる個体を駆除する際にも使えます。

殺虫スプレーは、中身をすぐに取り出せるようなデザインのバッグに入れて持ち歩くとよいでしょう。

※ピレスロイドは、少量であれば人体に無害ですが、吸い込む量が多くなると、身体に悪影響が及ぶ恐れもありますので、一応マスクを着用した上で使用してください。

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3 蜂に刺された時の症状

どんなに『蜂に刺されないように…』と気を付けて外出しても、スズメバチのように攻撃性の高い蜂の襲撃を受けてしまう可能性を、完全に0(ゼロ)にすることはできません。

あなたは、蜂に刺されてしまった時、身体にどんな症状が現れるかをご存知ですか?

3-1 遅延型アレルギー反応

蜂に刺されると、刺された皮膚にかゆみや痛みが起こり、同時にどんどん腫れてきます。

これを『遅延型アレルギー反応』といい、症状が局部的に現れるのが特徴です。

遅延型アレルギー反応の現れ方は、刺された方の体質によって強く出る場合と、弱くて済む場合とに分かれます。

軽度な症状だと、腫れやかゆみが起こっても、早くて1日で症状が引いていきますが、腫れた部分が大きく腫れ、同時にかゆみや痛みが起こって、数日続くようなケースもあります。

3-2 アナフィラキシーショック(即時型アレルギー症状)

蜂に刺されると、ハチ毒が全身に回って『呼吸困難』『全身の腫れ』『意識喪失』といった重篤な症状が現れる可能性もあります。

これを“アナフィラキシーショック”と言い、比較的早い段階で全身症状が現れることから『即時型アレルギー反応』として認識されています。

アナフィラキシーショックは、蜂に刺されてから15分以内に起こり、以下のような症状が次々と起こって、急速に悪化していきます。

アナフィラキシーショックの症状

  • 口内のしびれ
  • 喉元の苦しさ
  • 呼吸困難
  • 動悸
  • 息切れ
  • 手足のしびれ
  • 腹痛
  • 意識レベルの低下
  • めまい
  • 強い尿意
  • 全身の肌が赤くなる
  • 体中にじんましんができる
  • 顔面蒼白(もしくは青紫色)

など            
アナフィラキシーショックが起こると、およそ1時間のうちに死亡してしまうケースが非常に多い傾向にあります。

体調に異変を感じたら、ご自身で対処しようとせずに、すぐさま救急車を要請してください。

4 蜂に刺された時の対処法

ハチ毒による症状は、すぐさま適切な対処を行うことで、被害を最低限に抑えることも可能となります。

万が一、蜂に刺されてしまったら、以下の手順で応急処置を行いましょう。

手順に沿わないで行うと、ハチ毒を思いのほか取り除くことができず、対処の意味がなくなってしまう恐れがありますので、必ず順番に沿って実践してください。

ステップ1.その場を離れる

蜂に刺されたら、まずは蜂の再襲撃から身を守るために、速やかにその場を離れましょう。

蜂が容易に刺すことのできる体位で移動するよりも、蜂が刺しにくい低姿勢で移動した方が安全です。

蜂の攻撃にあった場所から、最低でも10~20mほど離れてください。

ステップ2.針を抜く

次に、皮膚に残っている蜂の針を、以下のアイテムを使って抜きます。

どのアイテムも、私たちが日ごろから携帯できる大きさの道具ですので、蜂の巣にお悩みの間は常に携帯しているのが理想的です。

ピンセットで抜く

皮膚に刺さった蜂の針は、ピンセットで抜き取るのが一番効率的です。

蜂の針は大変小さく、また、ハチ毒は針に残っていますので、指先で抜いてはいけません。

ピンセットを所持していない場合は、次のアイテムを使って針を抜きます。

テープで剥がし取る

万が一、ピンセットを持っていない場合は、セロハンテープや、絆創膏のテープ部分などを針のある場所に張り付け、針を剥がすように抜き取りましょう。

「テープもバックに入れ忘れていた…」という時は、次の方法で蜂の針を取り除いてください。

カードで払い落す

ピンセットもテープも所有していない場合は、お財布からクレジットカードやキャッシュカードのように、プラスチック製のカードを取り出して、針が刺さっている皮膚に当てて横にスライドさせ、払い落とすように針を皮膚から除去します。

蜂の針はトゲトゲとしていて、1度刺さると皮膚にガッチリ食い込むため、取れにくいことがあるかもしれませんが、針が取れるまで、何度もカードをスライドさせましょう。

ステップ3.傷口を水で洗い流す

針が取れたら、次に刺された部分を水で洗い流します。

ハチ毒は水溶性で水に弱い性質をしているため、流水下で、皮膚から毒を絞り出すように洗うのが、解毒に一番効果的です。

しかし、お近くに水道が見つからない場合もあると思います。

水道水の代わりに、ミネラルウォーターを使っても、ハチ毒を洗い流すことができます。

蜂があなたの生活圏に巣を作っている場合には、万一の場合に備えて、普段からミネラルウォーターも携帯しておきましょう。

ステップ4.傷口を冷やす

あとは、ご自宅に戻ることが可能でしたら、氷嚢や保冷剤を使って、患部を冷やすと、腫れによる熱感や痛みが随分と楽になります。

ちなみに、ハチ毒を水で洗い流した時点で、自力でできるハチ毒処理は完了です。

また、患部を冷やす段階で、すでに15分以上が経過している場合は、腫れやかゆみ、痛みといった『遅延型アレルギー反応』で済む可能性がグッと高くなります。

かといって、遅延型アレルギー反応が先に現れた場合には、絶対にアナフィラキシーショックが起こらないという“科学的な根拠”はありませんので、刺された翌日は体調の変化に気を付けていた方がよいです。

ステップ5.虫刺され薬を塗る

ご自宅にもし『抗ヒスタミン配合ステロイド軟膏(虫刺され薬)』がある場合には、それを塗ると、かゆみが楽になる場合があります。

なぜなら、抗ヒスタミンにもステロイドにも、アレルギー反応を抑制する作用と、炎症を抑える作用があるからです。

ただし、あえて買いに行く必要はありません。

皮膚科を受診すれば、患部に最適なお薬を投薬してもらえるからです。

ステップ6.皮膚科を受診する

たとえ、ハチ毒でアナフィラキシーショックが起こらなかったとしても、一応、お住まいの近くにある皮膚科を受診しましょう。

皮膚科では、ハチ刺されに効果的な塗布薬を処方してもらえますし、今後しばらく気を付けるべきことについて、医師から正しいアドバイスを受けることもできます。

ちなみに、15歳以下のお子さんが蜂に刺されてしまった場合は、皮膚科ではなく『小児科』の管轄となりますので、まず先に小児科へ相談してください。

5 蜂の種類別3つの撤去法

蜂は、人類にとって一種の脅威となる虫ですが、どの蜂の巣も、状況によっては自力で撤去できる可能性があります。

『ミツバチ』も『アシナガバチ』も『スズメバチも』、巣が小さいうち、そして、巣にいる蜂の個体数が少ない春先(3~5月頃)の時期であれば、以下の方法で取り除くことができるんです。

5-1 ミツバチの場合

ミツバチの場合
ミツバチは、夜から朝方にかけて、働き蜂が巣に戻ってくるという習性をしていますので、明け方に巣の撤去を実践しましょう。

とはいえ、夜中は暗くて蜂の巣が見えなくなるため、早朝、朝6時くらいまでに行うのが理想的です。

ちなみに、夜から明け方は、日中よりも気温が下がっていますので、どの蜂も活動が活発ではなく、駆除しやすくなっています。

用意する道具

ミツバチを駆除する時は、以下の道具を事前に用意します。

  • ゴミ袋
  • ホウキとチリトリ
  • 殺虫スプレー(ピレスロイド配合)
  • マスク
  • ゴーグル
  • 放水できるホースか、バケツに入れた水
  • 巣のあった場所をこするブラシ
  • 防寒服に雨合羽を重ね着などして『防護服』の代わりにする
  • 全方向へツバのある帽子の上から、防蜂ネットを被る
  • 手袋
  • 長靴
  • 赤いセロファンを張った懐中電灯

まずは、防護服の代わりになる防寒服や雨合羽を十分に重ね着して、蜂の針が皮膚に届かない装いをします。

巣に集中的に殺虫スプレーを吹きかけますので、目や口を覆える『マスク』と『ゴーグル』も着用してください。

100円ショップで売られているもので構いません。

そのあと、帽子と防蜂ネットをかぶり、手袋や長靴の隙間は、蜂が入り込まないようにふさいでください。

またミツバチが、屋根裏や軒下などの『もともと薄暗い場所』に巣を作っている場合は、赤いセロファンをかぶせた懐中電灯を使って、巣の場所を確認します。

赤いセロファンを張って懐中電灯を使うと、蜂を光で刺激せずに済みます。

ではさっそく、ミツバチを巣ごと駆除しましょう。

ステップ1.巣に殺虫スプレーを吹きかける

ミツバチの巣に、蜂がいることを確認して、蜂に使う殺虫スプレーを巣に吹きかけます。

時間は、だいたい20~30秒ほど。蜂は巣から出てきて、あたりを飛び回りますが、ピレスロイド配合のスプレーを浴びると、必ずその日のうちに死んでしまいますので、安心してください。

ステップ2.巣を落としてゴミ袋に密閉する

巣から蜂がいなくなったら、巣をホウキの柄などで落として、ゴミ袋に入れて再度殺虫スプレーを吹きかけ、密封します。

密封した巣は、全ての個体が死に至るまで、1日程度放置してから、お住まいの市区町村の指示に従って処分しましょう。

ステップ3.蜜を洗い流す

ミツバチの巣があった場所には、蜜がたくさん付着していますので、最後に水道水やバケツに溜めた水を使って、キレイに洗い流しましょう。

蜜は、他の動物や昆虫のエサにもなりえますので、十分に洗い流すことが大切です。

5-2 アシナガバチの場合

アシナガバチの場合
アシナガバチは、開放的な場所に巣を作ることが多い蜂です。

アシナガバチの巣には蜜がありませんので、水洗いはしなくて結構ですが、『巣を撤去する時間帯』が違うので、間違いないように気を付けましょう。

撤去を行う時間帯

アシナガバチは、夕方17~19時くらいの間に、ほとんどの個体が巣へと戻ってきますので、この時間帯に撤去を行いましょう。

時間を誤ると、蜂をすべて駆除できない可能性がありますので、必ず17~19時の間、日が暮れる頃を選んで駆除を行ってください。

用意する道具

アシナガバチの巣を撤去する時は、以下の道具を用意してください。

  • 防護服(防寒具や雨合羽を代用しても可)
  • 手袋
  • 長靴
  • ゴミ袋
  • マスク
  • ゴーグル
  • 殺虫スプレー(ピレスロイド配合)
  • 高枝ばさみ(なければ竿やホウキの柄を代用してもOK)
  • 赤いセロファンを張り付けた懐中電灯

アシナガバチも、『光』に対して興奮したり、寄ってくる恐れがありますので、懐中電灯を使う場合には、赤いセロファンを張り付けて使いましょう。

ステップ1.巣に殺虫スプレーを吹きかける

アシナガバチの巣から1~2m離れた場所、風上※の方向から、殺虫スプレーを20~30秒間吹きかけます。

※風上(かざかみ)…風が吹いていく方向

殺虫スプレーを吹きかけると、巣にいた蜂が慌てて周囲を飛び回りますが、ミツバチと同様、スプレーを浴びた蜂はその日のうちに死んでしまうので、放置しても大丈夫です。

ステップ2.蜂の巣を切り落とす

蜂が巣から出て来なくなったら、高枝ばさみや長い物干し竿、ホウキの柄などを使って、巣を下に切り落とします。

切り落とした巣をゴミ袋に入れて、再度殺虫スプレーを吹きかけ、密封して1日放置した上で、自治体の指示に従って処分してください。

ステップ3.再来防止策

アシナガバチは、少しでも個体が残っていれば、翌日以降に同じ場所へ戻ってくる可能性が高い蜂なので、巣のあった場所に再来防止策を施す必要があります。

アシナガバチは本来、冬を越した後で、前年と同じ場所に巣を作るという習性をしているんです。

ピレスロイドには、殺虫作用だけでなく、虫を寄せ付けない効果も備わっています。

ピレスロイド配合の殺虫剤を、巣のあった場所に入念に吹きかけておくと、アシナガバチが再び寄り付かなくなるので、巣を撤去した後は必ず殺虫スプレーを散布してください。

5-3 スズメバチの場合

スズメバチの場合
スズメバチの巣に関しては、ハッキリと申しまして、害虫駆除業者に撤去を依頼した方が安全です。

叔父の話によると、スズメバチは他の蜂に比べて身体が大変大きく、もともと攻撃に慣れているため、自作の防護服では身を守ることができない可能性があるのだそうです。

※ここで紹介している蜂の巣撤去方法は、害虫駆除業者に務めている叔父から教えてもらったものです。

ただし、スズメバチの巣が、まだ初期段階(フラスコを逆さまにしたような形の時)であれば、巣にいるのは、嬢王蜂と幼虫だけである可能性が高いため、撤去しやすいとのこと。

しかし、大きくなったスズメバチの巣の除去作業は、全ての蜂が戻ってくる夕方以降、暗い中で行わなくてはならないため、素人による撤去には大きな危険が伴うそうです。

それを踏まえた上で、どうしても自力で駆除したいという方は、以下の手順に従い、『自己責任』という形で、蜂の巣撤去に挑んでみてください。

用意する道具

スズメバチの巣を撤去する際は、以下の道具を用意してください。

  • 防護服(防寒服や雨合羽など、厚着するに越したことはありません)
  • 手袋(スキー用など分厚いもの)
  • 長靴
  • 全方向にツバがある帽子と防蜂ネット
  • マスク
  • ゴーグル
  • スプレーボンド
  • ピレスロイド配合殺虫スプレー
  • スプレー用ノズル
  • ポイズンリムーバー
  • 赤いセロファンを張り付けた懐中電灯
  • ゴミ袋

スズメバチは、ミツバチやアシナガバチと違って攻撃に慣れている蜂ですので、あなたがどんなに完ペキに身を防護しても、思わぬ形で刺されてしまう可能性は十分にあります。

そのため、蜂の毒を瞬時に抜くことのできる『ポイズンリムーバー』を、最低でも1つ用意した上で、巣の撤去に臨んでください。

 
また、今回の蜂の巣撤去方法は、ミツバチやアシナガバチの場合と少し方法が違います。

殺虫スプレーは、蜂の巣に刺してから噴射しますので、殺虫スプレーに適合する『スプレーノズル』も、一緒にご用意ください。

 
ではさっそく、スズメバチの巣を撤去しましょう。

巣を撤去する時間帯

スズメバチの巣の除去作業は、あたりが暗くなってから始めます。

なぜなら、スズメバチは、日が暮れる頃に巣へ戻ってくる蜂だからです。

日が沈む時間は、季節や地域によって違ってきますので、『あたりが暗くなった』時間を目安に、巣の撤去作業に入ってください。

また、スズメバチも光に寄って来る、もしくは警戒心を高める蜂なので、懐中電灯を使う場合は、赤いセロファンを電灯部分に施して、光の強さを調整しましょう。

ステップ1.蜂の巣の入り口にスプレーボンドを噴射する

まずは、スズメバチの巣の入り口に、スプレーボンドを吹きかけます。

スズメバチは、スプレーボンドに異変を察知して外へ出てこようとしますが、ボンドが羽や身体に付着して、入口で身動きを取ることができなくなるんです。

スプレーボンドは、どのようなタイプの製品でも構いません。

3~4回ほどスプレーボンドを吹きかけて、巣の入り口を観察し、スズメバチが外に出てこないことを確認してください。

ステップ2.殺虫剤を巣に刺して噴射する

蜂が巣から出てこないことを確認したら、ノズルを取り付けた殺虫スプレーを蜂の巣の中央部分に突き刺し、スプレーを20~30秒間噴射します。

入口が『仲間の蜂』にふさがれて、出てこられなくなっているスズメバチたちは、やがて巣の中で死んでしまいます。

ステップ3.ゴミ袋で覆って取り外す

殺虫スプレーを噴射し終わったら、ゴミ袋を巣で覆い、そのまま手で取り外します。

取り外した巣は、そのままゴミ袋に密閉し、2~3日程度放置した後で、自治体の指示に従って処分してください。

これが、スズメバチの巣を1番安全に除去する方法です。

しかし、スプレーボンドを吹きかける時点で蜂の動きを封じることができなければ、あなたが刺されてしまう危険性は非常に高くなります。

ちなみに叔父の話では、蜂の巣撤去を駆除業者に依頼すると、市区町村がその費用を助成してくれる場合もあるそうです。

ですから、スズメバチの巣を除去することに多少なりとも抵抗を感じている場合には、まずお住まいの市区町村に電話で相談してみるとよいでしょう。

この機会に筆者も、今住んでいる函館市の市役所へ、蜂の巣の助成金について問い合わせてみました。

6 市区町村で駆除はしてくれる?

筆者の住んでいる函館市では、市立函館保健所に電話で相談すると、専門の駆除業者を紹介してくれるとのことでした。

文面によるソースも見つけたので、紹介します。

巣の駆除方法

  • 経験のない一般人による巣の駆除は刺されるリスクも高く、専門の駆除業者に依頼するのが望ましい。
  • 市立函館保健所(電話32-1521)にて専門の駆除業者を紹介しますので、数社の駆除業者から費用の見積もりを取って比較・検討していただき、お申し込みください。

北海道函館市オフィシャルWEBサイト『スズメバチ等について』より抜粋 https://goo.gl/DhlMQE

いろいろ調べてわかったのは、蜂の巣に関する対応は、市区町村によって違うということ。

お住まいの地域よっては、駆除業者にかかる費用を全額、もしくは一部助成してくれる地域もあれば、「業者に直接問い合わせてください」という対応に限られる地域もあります。

市では、スズメバチの巣の駆除を市が指定する専門業者に依頼して、事前に市へ申し込みをした場合、予算の範囲内でスズメバチの巣の駆除費の一部を助成する補助金制度を実施しております。

スズメバチの巣の駆除費における補助は下記のとおりになります。

なお、市では、私有地における蜂などの害虫駆除は行っておりません。

所有者(管理者)の責任で対処してください。

 記

  1. 補助対象者:市内に建物等を有する者(事業者含む)。
  2. 補助率:駆除費の1/2以内(5万円を上限とする)。
  3. 補助対象者となるハチの種類:スズメバチの巣のみ。
  4. 申込手続等:スズメバチの巣を駆除する前に、市へ「スズメバチの巣駆除実施申込書」による申し込みが必要です。

※スズメバチ以外の蜂の巣駆除及びスズメバチの成虫のみの駆除は補助の対象となりません。

※巣の場所が不明な場合の調査費や巣の駆除に伴って破壊した工作物の修理費等は、駆除申込者の全額負担となります。

※ご自身でハチの巣を駆除される方に対して防護服を無料で貸し出しております。

 
千葉県印西市オフィシャルWEBサイト『スズメバチの巣の駆除に補助金』より抜粋 https://goo.gl/1HvyMI

3.駆除業者について
小樽市内には専門業者が4事業者います。駆除費用は事業者が独自に設定しており、状況によって異なりますので、事業者に直接お問い合わせください。

 
小樽市オフィシャルWEBサイト『危険な蜂の巣の状況と駆除について』より抜粋 https://goo.gl/vcxv3n

ちなみに、駆除業者に蜂の巣撤去を依頼すると、だいたいどれくらいの費用がかかるのでしょう?

7 駆除業者にかかる費用

蜂の巣撤去を駆除業者に依頼した場合にかかる費用は、蜂が活発化する季節であるか・そうでないかによって、そして蜂の巣の規模や場所によって変わることが多いです。

アシナガバチの場合は、だいたい7,000~9,000円程度。巣の規模が大きいと、20,000円ほどかかることもあります。
ミツバチとスズメバチの場合は、どちらも同じくらいの費用で、だいたい17,000~23,000円前後の料金帯で変動します。

ミツバチもスズメバチも、巣の規模が大きかったり、高所に作られている場合、そして、スズメバチの場合は種類によって、40,000~50,000円程度の費用がかかることもあります。

ただし、市区町村によっては費用の半額を助成してくれる地域もあります。費用を助成してもらえたら、あなたの自己負担を最低限で抑えることが可能となります。

ですので、まずはお住まいの近くにある行政機関や保健所へ『助成制度の有無』について、電話で聞いてみましょう。

7-1 駆除業者に依頼するメリット

駆除業者に、蜂の巣撤去を依頼するメリットは、

  • 蜂に刺されずに巣を撤去できる
  • 蜂を完全に駆除できる
  • 素人がやるよりも時間がかからない

という3点です。

特にスズメバチは、身体の大きな我々人間も太刀打ちができない、大変危険な存在ですので、業者依頼で得られる『安心感』は多大なものとなるはずです。

7-2 駆除業者に依頼するデメリット

駆除業者に依頼するデメリットは、
『依頼前に、顧客が費用形態を把握できない』
『市区町村で費用を助成してもらえないと、全ての費用が自己負担になる』

という点でしょう。駆除業者のWEBサイトでは『8,000円』とうたっていたとしても、実際の巣の状態を確認してもらった後で、費用が追加されることは普通にあります。

選びに選んで、勇気を出して蜂の巣撤去を依頼するのですから、あなたにはぜひ、以下の条件を満たす駆除業者を選んでいただき、『満足のいく蜂の巣撤去』を実現してほしいと願っています。

7-3 駆除業者選びのポイント

駆除業者を選ぶポイントは、現地の状況によって『費用を上乗せしない業者』を選ぶということです。

最初に電話した段階で、どこに、どのような巣があるのかを伝えて、その時点で費用を教えてくれる業者を選べば、あなたは、のちに予想外の費用を請求される事態を避けることができます。

まとめ

今回の記事では、『蜂の巣を自力で撤去する方法』と、駆除業者に撤去を依頼した場合の費用、そして、市区町村での対応について紹介しました。

  • 蜂の巣が近くにあるうちは、派手な色、黒い色の服は着ないようにする
  • 肌の露出も避けること
  • 殺虫スプレー、ピンセット、ミネラルウォーターを常に携帯して、万が一の際に備えること
  • ミツバチは、朝方6時までに、ピレスロイド配合の殺虫剤を巣に吹きかけて蜂を殺してから、巣を撤去する
  • ミツバチの巣があった場所は、蜜で汚れているので、水で洗い流すこと
  • アシナガバチは、夕方15~17時の薄暗くなるころ、風上からピレスロイド配合の殺虫スプレーを吹きかけて、蜂が巣から出て来なくなったら、高枝ばさみなどで巣を落としてゴミ袋に入れ、ゴミ袋内に殺虫スプレーをふきかけて密封し、1日放置した上で自治体の区分に従って処分する
  • スズメバチは、他の蜂よりも攻撃性が高いため、駆除業者に撤去を依頼した方が安全
  • 市区町村で、蜂の巣撤去にかかる費用を補助してくれたり、信頼できる駆除業者を紹介してくれる場合がある
  • 蜂の巣撤去には、アシナガバチでだいたい7,000~9,000円、スズメバチとミツバチは17,000~23,000円ほどかかる
  • 費用を事前に提示してくれて、追加費用を請求しないことを約束している駆除業者を選ぶべき

実は、蜂は、蝶や蛾の幼虫、そしてハエやアブといった害虫を食べてくれる『益虫(えきちゅう)※』でもあります。

ただし、巣が私たち人間のごく近い場所に作られていたり、巣の規模が見る見るうちに大きくなる場合には、やはり我々に危害が加わる恐れも強まります。

まだ年齢の低いお子さんがいるご家庭では、早いうちに、蜂を巣ごと駆除した方がよいでしょう。