「気が付けば、玄関に蜂の巣が!!いつの間に作ったんだろうか…。」そんな経験ありませんか?
蜂の巣作りの習性を知っているか知っていないかで、蜂被害に対するリスクが大きく変わります。そこで今回の記事では、早く蜂の巣をどうにかしたいと不安に思われている方に、蜂の巣を撤去するにあたり、蜂の習性から『いつが巣撤去に最適な時期なのか?』を説明します。
巣撤去に最適な時期がわかってしまえば、お金をかけて業者に依頼しなくても蜂に襲われるリスクを極端に減らして、「無料(タダ)」でかつ「安全」に巣を撤去することができるようになります。ぜひ最後までお読みください。
1 蜂の巣作り習性について
巣作りの目的
蜂の巣作りは、人間の家づくりと同じようなものと思ってもらってもいいでしょう。蜂の巣作り、すなわち営巣行動は生きて繁殖していく上で蜂にとって必要な行動なのです。
巣を作る場所は、雨風がしのげる安全なところでなければなりません。また、働きバチを増やしていくため、繁殖していかなければなりません。人間と蜂は、なんだか似ているところがあるんですね。
巣作りの時期
蜂の巣作りは、女王蜂が目覚めた春先から行われます。働きバチがふ化しはじめ、夏頃には、かなり活発に巣作りが行われるようになります。
そして秋頃まで、継続して行われるため、この頃には蜂の巣の大きさは最大になっています。そして、冬には巣作りは終わり、巣はもぬけの殻となってしまいます。
女王バチ中心に巣作りが行われる
日本では約4,500種の蜂が確認されていますが、ほとんどの蜂は『女王バチ中心に巣作り』が行われます。越冬し、冬眠などから目覚めた女王バチは、春から夏先にかけて一匹でせっせと巣作りを行います。
次第に、働きバチが生まれ、女王バチの巣作りを手伝いはじめます。そして、秋の繁殖期までの間、どんどん巣を拡張していきます。こうして、蜂の巣は秋にかけて、どんどん大きくなっていくんですね。
巣が大きくなれば、それだけ蜂が増えてきますし、秋の繁殖期には蜂はデリケートになり、攻撃性が増します。
全ての蜂がいなくなる(冬眠)時期
蜂は寒さに弱い生き物です。寒くなると活動を停止してしまいます。
寒さに弱いため、気温が低くなる時期の夜には飛び回る蜂は皆無となります。秋から冬にかけて、寒さがより一層厳しくなる頃、働きバチは活動を停止し、死んでしまいます。
多くの働き蜂は女王バチを残し、冬にはいなくなってしまうのです。
繁殖期を終えた巣の末路
繁殖期を終えた巣は、もう用はなくなります。多くの蜂の巣は、一年で使い捨てられるんですね。
ちなみに、ミツバチは、巣を何年も使い続けます。ミツバチは、働きバチも越冬できるため、その間も女王バチとともに巣作りが行われます。ミツバチは『蜜ろう』という天然のろうを作り出すことができ、それを素材に使った巣は耐久性に富むため、何年も巣を使い続けることができるのです。
2 危なくない!最適な蜂の巣駆除方法
「巣は駆除したいけどなるべく危険な時期は避けたい!」と思っている方に、危険を極力回避出来るような対処法や、最適な蜂の巣駆除方法を紹介します。
駆除前に抑えておきたい2つの注意点
安全に駆除するために「駆除する時間帯」「殺虫剤使用上の注意」この2点は必ず抑えておきましょう。
【注意点1】時間帯:日没22時以降に駆除する
日没後2~3時間後には、外出していた蜂も巣にほとんど戻り、また動きを止めるため、駆除する時間帯は日没後に行いましょう。
※日没後とは、16時以降くらい、万全を期すなら22時以降がベストです。
「洗濯物を干せないから!」といって、あせって昼間に蜂を駆除しようとすると、翌日になったら、巣に帰れなかった蜂が戻ってくる場合があるので注意してください。
【注意点2】殺虫剤を使用する際は「光がない所」で噴射する
日没以降に作業するとなると、懐中電灯などの明かりが必要になります。
ですが、蜂は光のある方に飛んでいくため、殺虫剤を噴射するときは光がない方がいいです。
※懐中電灯を使う場合は、認識されにくいといわれる赤色セロハンを貼った懐中電灯を使用しましょう。
自力駆除で失敗しないためのオススメの4ステップ
ステップ1:日中に駆除スタート場所を決めておく
暗くなってから巣の位置を特定することが難しいため、明るいうちに、蜂の巣の位置を確認し、最初にスプレーを噴射する場所を決めておきましょう。
最初のスプレー噴射は、次の4条件を満たす場所から始めます。
- 巣から3m離れた場所
- スプレーを噴射した時に、直線状に巣をさえぎる障害物がない場所
- 何かあってもすぐに避難できる開放的な場所
- 巣が風下になる風上の場所
ステップ2:駆除作業スタート
22時以降に、作業をスタートします。蜂駆除の服装になり、
(1)赤いセロハンを貼った懐中電灯
(2)スプレー2本以上
(3)ホウキ
(4)ちりとり
(5)ゴミ袋
を取り出し、すべて持って事前に決めていた駆除スタート場所へ移動します。持ち運びしやすいように、袋やカゴに入れて片手で持てるようにしておきましょう。
赤いセロハンを貼った懐中電灯で巣を照らし、位置を確認したら、巣から3m離れた駆除スタート場所から、風が吹いていないタイミングを見計らって、スプレー缶1本を使い切るまで巣に噴射しましょう。
- 蜂はニオイに敏感です。柔軟剤などのかすかなニオイにも反応し襲ってくる可能性があります。
- アシナガ蜂やミツバチでも刺す可能性はあります。十二分に注意しましょう。
ステップ3:少しずつ巣に近付いてとどめを刺す
スプレー缶1本を使い切ったら、2本目を取り出し利き手に構えます。もう片方の手であらかじめ一つにまとめた掃除道具や予備のスプレーを持って、一緒に移動します。2本目のスプレーを巣の穴の中に向かって噴射するイメージで吹きかけながら、巣から2mの距離まで近付いていきましょう。
巣への攻撃に気付いた蜂が単体で飛び出してきますので、飛び出した蜂にも適宜スプレーし、近寄られる前に殺虫してください。
2mの距離まで来て、巣から蜂が飛び出すことがなくなったら、一旦スプレーをストップしましょう。
ステップ4:駆除できたか確認し撤去と掃除
スプレーを利き手とは逆で持ち、利き手にはホウキを持ちます。巣をホウキで突き、巣からスズメ蜂が出てこないことを確認しましょう。
出てこないようであれば、そのままホウキでスズメ蜂の巣を落として撤去します。
落とした巣に向かって念のためスプレーをし、周囲に飛び回る蜂がいないことも確認できたら、片付けます。ゴミ袋の口を広げたら、ホウキで掃いてちりとりに入れ、巣とスズメ蜂の死骸をちりとりからゴミ袋へ移します。
死骸の場合でも、針が刺さる危険性があるので、必ずホウキとちりとりで行いましょう。
袋に入れ終わったら素早く口を縛り、外置きのゴミ箱へ入れます。可燃ごみで出せますので、地区の可燃ごみ収集最短日で出しましょう。
自力駆除で一番重要なのは「スプレーの選択」です。オススメのスプレーに関しては『素人でも安全確実にハチを駆除できる最強蜂スプレー3選』、防護服に関しては『絶対に刺されない?蜂駆除のオススメ防護服3選+裏技』で詳しく書いていますので合わせてお読みください。
3 自力駆除の限界を感じたら業者に頼みましょう
蜂の巣駆除にはリスクが伴います。『あまりにも巣が大きくなっている場合』や『スズメバチなどの危険な蜂」の場合、自力駆除の限界を感じることもあります。
そんな時は自分で何とかしよう!と無理することなく、業者に相談しましょう。
オススメの駆除業者は『スズメバチ駆除を安心して依頼できるオススメの蜂駆除業者5選』で紹介していますので合わせてお読みください。
まとめ
蜂は人間と同様、健やかに生きるために、繁殖をするために巣を作ります。ただ、春先からはじまった巣作りは、夏の終わりから秋にかけてピークを迎え、冬に入る頃にはもぬけの殻となってしまいます。
人の往来が激しく、蜂の巣を刺激してしまう可能性が高い場合、自治体や業者にまずは相談しましょう。自力で駆除しなければならないのであれば、今回の記事に載せているように、蜂を駆除するための最適の条件(時間帯・道具・服装・時期)を備えて、駆除するようにしましょう。
ただし無理は禁物なので、自力駆除の限界を少しでも感じたら業者に相談するのをお忘れなく!
人通りが少なく、蜂の巣をあまり刺激しない、私の叔母のような家では蜂の巣を放っておけば、冬には終わりが来ます。冬を迎えて、蜂の活動がなくなってから、蜂の巣を処分しましょう。
参考になりました。ありがとうございました。