「蜂に刺されたかもしれない!」パニックになってしまいますよね!でも冷静になってください!蜂刺されは『症状』で、あなたが今「軽度の蜂刺され」なのか「重度の蜂刺され」なのかわかります。

症状度合いがはっきりすれば、適切な処置で痛みを長引かせず早く回復することも可能です。

そこでこの記事では、「蜂に刺された時の症状」「局所症状と全身症状、アナフィラキシーショックの危険」「対処法」をお伝えします。

記事の通りに対処していただければ、適切な処置ができ、重篤な症状や長い苦しみを味合わずに済みます!ぜひ実践ください!

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1 蜂刺されで必ず現れる症状

必ず現れる症状が次の2つの症状です。

(1)痛み

電気ショックのような、激しい痛みを感じます。

その後、刺された部位を中心に炎症が起こり、腫れ上がってきます。

(2)カユミ

腫れがビークに達した頃か、腫れが引きはじめた頃に、刺された部位を中心に痛みがカユミに変わります。

2 大切なのは危険かどうかの見極め!

刺されると痛みやカユミでパニックになりますが、大切なのは『局所症状』なのか『全身症状』なのかを見極めることです。

局所症状だった場合は、ひとまず自分で応急処置を行い、その後皮膚科を受診すれば大丈夫です。

しかし、全身症状が現れた場合は、まず病院へ行くことを最優先に行動しなければなりません。2種類の症状と対処法を詳しく解説しますのでどちらに当てはまるのか確認してください。

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3 局所症状

局所症状なら、適切な処置をとって後で病院に行くことで、痛みを長引かせずに済ませることができます。

局所症状

刺された直後
  • 刺された部位が痛い
  • 刺された部位が赤く腫れあがる
刺されてしばらくすると…
  • 赤い腫れが引き、痛みは和らぐ
  • 痛かった部位がかゆくなる
  • 刺された部位にしこりのようなものができる

局所症状の対処法

対処法は5つのステップです。

  1. 安全な場所まで避難する
  2. 皮膚から針を引き抜く・流水で毒を洗い流す
  3. 氷で冷やす
  4. 抗ヒスタミン軟膏を塗る
  5. 病院へ行く

ステップ1 安全な場所まで避難する

ステップ1 安全な場所まで避難する集団で刺される可能性もあるため、すぐに蜂に刺された箇所から10~20メートル以上離れること。

ステップ2 皮膚から針を引き抜く・流水で毒を洗い流す

ステップ2 皮膚から針を引き抜く針がある場合→ピンセット、カードなどを使って針を取り除く。

ステップ2 流水で毒を洗い流す
針がない場合→爪で圧迫して毒を押し出すようにしながら流水で洗い流す。

ポイズンリムーバーがある場合、針と毒の吸引を同時に可能

 

間違った対処法
間違った対処法

ステップ3 抗ヒスタミン軟膏を塗る

ステップ3 抗ヒスタミン軟膏を塗るハチ毒に含まれるヒスタミンが、体内で悪さをするのを抑える働きがある塗り薬です。軟膏のオススメは、抗ヒスタミン成分が入っている次の商品です。

 

ステップ4 氷や保冷剤で冷やす

ステップ4 氷や保冷剤で冷やす血管を収縮させ毒液が体内に吸収されるスピードを遅くするための大切な作業です!

ステップ5 病院へ行く

ステップ5 病院へ行く局所(部分)症状のみであれば、「皮膚科」を受診すれば対応してくれます。

全身症状の場合は「アレルギー科」を受診してください。

自己判断は万が一のこともあるので、危険です。必ず受診するようにしてください。

4 全身症状

全身症状の場合は、刺されてからの15分間が生死を分けますので、すぐに救急車を呼んでください。

全身症状

即時型全身症状

刺されてすぐ局所症状と同時に起こる、『刺された部位以外の箇所』への異変

遅延型全身症状

刺されてから10日程して症状が現れる、『刺された部位以外の箇所』への異変

即時型と遅延型の詳細な症状

どちらの場合も軽度重度にかかわらず、『全身症状は病院』が鉄則です。

【蜂に刺されてからすぐに起きる即時型全身症状】

レベル 症状
軽度
  • 刺された部位以外に蕁麻疹(じんましん)が出る
  • 全身のかゆみ
  • 体のだるさ
  • 鼻、口、喉のかゆみや違和感
中等度
  • 鼻、口、喉の痛みやしびれ
  • 胸が圧迫されたような苦しさ
  • 腹痛、下痢
  • 吐き気、嘔吐
  • 軽い頭痛、めまい
  • 呼吸のたびの喉がぜいぜいする
  • 繰り返し咳き込む
  • 眠気を感じる
  • 顔色が蒼白になる
重度
  • 呼吸がさらに苦しくなる
  • 繰り返し激しく咳き込み
  • 水、ツバ、食べ物などがうまく飲み込めなくなる
  • 声がかすれる、声が出にくい
  • 全身に力が入らない
  • 意識がはっきりしなくなってくる
  • 何かに怯えたり怖がったりした様子で、錯乱する
重篤(=アナフィラキシーショック) 全身の皮膚が赤くなる

  • 急に、唇まぶた舌口の中顔喉が大きく腫れる
  • 喉がつまったような、耐えられない程の息苦しさを感じる
  • 体にチアノーゼによる青っぽい変色した箇所が見られる
  • 手足の急速な冷え
  • 多量の発汗
  • まったく体に力が入らず、立ち上がることもできない
  • 尿失禁、便失禁
  • 呼びかけに応答が無くなり、大きな声や揺さぶり、手をつねるといった痛みにも一切の反応を示さなくなる

【蜂に刺されて10日ほどあとに起きる遅延型全身症状】

レベル 症状
軽度~中等度
  • 熱が出る
  • 頭痛
  • 体のだるさ
  • リンパ節が腫れる
  • 関節が痛む
  • 刺された部位以外の場所に蕁麻疹(じんましん)が出る
重度~重篤(=アナフィラキシーショック)
  • 腹痛
  • 原因不明の痛みやしびれを感じる(知覚異常)
  • 体に力が入らなくなり、立ち上がれなくなる
  • 腱反射(けんはんしゃ)が無くなる
  • 全身に紫色の斑点(はんてん)が現れる
  • 食欲不振や吐き気、嘔吐、むくみ
  • 腎臓の炎症による血尿
  • 腎臓の炎症による蛋白尿(たんぱくにょう)が出る
  • ※蛋白尿…排尿後いつまでも尿が泡立っている

全身症状の救急車到着までの応急処置法

応急処置は、3ステップです。

  1. 横向きで寝かせる
  2. 刺された部位の心臓寄りを縛る
  3. 刺された箇所を保冷材などで冷やす

(1)横向きで寝かせる

(1)横向きで寝かせる仰向けに寝かせ、衣類などを使って頭が低くなるようにする※嘔吐している場合は窒息を防ぐため横向きで寝かせる。

(2)刺された部位の心臓寄りを縛る

(2)刺された部位の心臓寄りを縛る手足を刺された場合は、毒が少しでも体内に循環しないよう、刺された部位の心臓寄りを縛る。

※救急車が来るまでは数分おきに縛ったり緩めたりを繰り返し、壊死を防ぐ。

(3)刺された部位を保冷剤などで冷やす

(3)刺された部位を保冷剤などで冷やす刺された部位を保冷剤などで冷やし、血管を収縮させて毒液の吸収速度を遅らせる。

※ミツバチに刺された場合は針が皮膚に残っているので潰さないよう取り除く必要があるただし、ムリをして毒嚢(どくのう)を潰すと、体内への毒の吸収速度が上がってしまうので、難しいと感じた場合は、救急連絡時に判断を仰ぐ。

5 全身症状が引き起こすアナフィラキシーショックとは?

全身症状の中でも重篤なアレルギー症状を、アナフィラキシーショックと言います。

5-1 アナフィラキシーショックの仕組み

アナフィラキシーの仕組み

5-2 蜂の種類ではなく抗原が一致するかでショック症状が起こるか決まる

蜂の種類でショック症状が起こるか変わるのか、というよりも、やや専門的になりますが、『抗原性』によってショック症状が起こるかどうかが決まります。

ショック症状が起こらないケース

種類が違う蜂に刺された場合にもアナフィラキシーショックは起こりません。

正確に伝えると「抗原性が一致しない蜂」ではショック症状は起こりません。

例えば、スズメバチ毒とミツバチ毒には共通の抗原性がないため、スズメバチに刺された後、次にミツバチに刺されてもアナフィラキシーショックは起こりません。

ショック症状が起こるケース

同じ抗原性がある蜂であれば、次に刺されたらショック症状を起こす可能性があります。

例えば、スズメバチとアシナガバチは共通の抗原性があります。

最初にスズメバチに刺され、次にアシナガバチに刺された場合、アナフィラキシーショックを起こす可能性があります。

5-3 動物・ペットでも引き起こす

アナフィラキシーショック自体は、人間以外の動物でも起こります。

飼い猫、飼い犬、その他ペットなどを飼っている方は注意してください。

※人間以外の動物が蜂に刺されて起こるアナフィラキシーショック症状は、人間が起こす症状と一緒です。

5-4 死んだ蜂でもカウントされる

蜂が死んでいたとしても、刺された場合、生きた蜂に刺されたのと同じ症状が起きます。

たとえ胴体がちぎれてしまっていても、触れたものに対して、腹部の針を反射的に刺してくる場合があるので、死んでいるからといっても注意しておいてください。

まとめ

蜂の持つ毒性は高く、刺された場合、痛みやカユミを引き起こします。

蜂に刺されたら、可能であれば応急処置をしてください。

その後病院に行って適切な処置をすれば、カユミや痛みが長引かない可能性が高くなります。

※症状は個人差があります。

しっかり患部を水で洗い流し、抗ヒスタミン配合の薬を塗り、よく冷やしましょう。

蜂に二回目以降、刺されるとアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。

アナフィラキシーショックを起こす人は、アレルギー体質の人であって、すべての人に起こる訳ではありません。

また、同じ抗原性を持たない蜂に二回目以降刺されても、アナフィラキシーショックは起きません。

ですが、なるべく刺されないよう、蜂には近付かない等、気を付けて行動するようにしましょう。