妻の友人の家の環境は、周りに木がいっぱい生えている自然豊かな場所。山には野生の鹿やうさぎやたぬきが自由に駆け回り、目の前のきれいな川では魚がたくさん泳いでいます。そんな美しい場所で育ったからか、妻の友人はとても優しくて気遣いのある人です。

さて、自然がきれいな場所にはそれなりの問題もあるものです。

その問題のひとつは、『蜂』でした。

蜂はいろいろな選択肢がある中で、なぜか妻の友人の家の敷地内を好んで巣を作っていたようです。妻の友人の説明によると、蜂がよく巣を作る場所は木の根元の土の中のような所と縁側の裏、またエアコンの室外機など。

蜂はまた、植物の葉の裏にも作ることもあり、そのことによって発見が遅れたり、駆除するために植物まで犠牲にしたりしなければならないことが彼女のストレスをさらに高める原因となっていました。

今年はグリーンカーテンを作ろうと思っているようですが、「蜂の巣まで出来てしまったら」と思うと心配。蜂が巣を作りそうな場所に、ビニールを張ったこともあったようですが、すぐに風で飛んでしまい、油断したらまた小さな巣を作り始めていたそうです。

彼女のお父さんは、手の届く範囲の木部に全てスプレーして、「これでもういないだろう」と思ったら、今度は上から蜂の羽の音が、、、見上げると蜂は物干の金具に巣を作っていました。

妻の友人としては、蜂の巣駆除のために、できれば「化学薬品の入った駆除剤」は使いたくありません。誘因捕殺は蜂がかわいそうだし、かえって蜂をさらに呼び寄せることになりそう…
そこで、妻を通して私たちに、「蜂に巣を作らせない・よらせない方法はないか」という相談がやってきました。あなたもできるだけ環境にやさしく、蜂を殺さず、蜂の巣を作らせない方法を知りたいと思われませんか?「蜂の巣を作らせないために自然で安価なグッズがあったらいい」、と思っているかもしれません。

そこで今回の記事は、化学薬品を使った殺虫剤を使うことによって、農作物に影響を与えたり、オゾン層を破壊したりしたくないと思っている方に向けて、「環境にやさしい蜂の巣作り防止法」をご紹介します。

蜂の生態についての理解を深めるなら、「駆除が必要のない蜂の種類」がいることに気づかれるでしょう。また蜂の巣が作られやすい場所を知って、早めに対処をすれば、「蜂を殺さないで巣を作らせない」ようにすることができるかもしれません。

蜂の巣ができてしまったら、安全のために蜂を殺処分するのはやむを得ませんが、できるだけ自然の環境を守りながら、蜂の巣を駆除したいですよね。これら『蜂の巣防止対策』に加えて、いざというときに蜂から自分の身を保護するためにどうしたらよいかをこの記事でご説明したいと思います。

妻の友人はここに書かれていることを実践してみて、「化学薬品を使わないで蜂の巣作りを防止する」ことに成功しました。そして、その年はゴーヤのグリーンカーテンを作って、自然のクーラーとその産物を楽しんでいました。

あなたもぜひこの記事を読んで、実践してみてください。

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1 駆除の必要がある蜂必要がない蜂

『蜂』と聞くと、すべて「人間を刺してくる危険な昆虫」と思う人もいらっしゃるかもしれません。

しかし、実は人間を刺してくる蜂は、蜂の中でも『一部の種類』だけ。

同じ蜂でも、「全く危険ではないおとなしい蜂」もいます。

また、「うわっ!蜂だ!」と思っても、蜂ではない昆虫もいます。

このような人間に危害を加えない蜂や昆虫に、殺虫剤をかけて殺してしまったらかわいそうですよね。

それでここでは、「人間に危害を加える蜂とそうではない蜂を見分けるポイント」をご紹介したいと思います。

1-1 人に危害を与える蜂

人に危害を与える蜂は『胸部と腰部の間がくびれて』います。

この蜂の種類は腰が細くくびれているので、『細腰亜目(さいようあもく、ほそこしあもく)』と種別されています。

細腰亜目は、「ハチ亜目」と呼ばれることもあります。

広い意味ではアリも含む昆虫のグループのひとつですが、『蜂の細腰亜目』、つまり胸部と腰部の間がくびれている蜂には注意が必要です。

これら細腰亜目の蜂の針は『人を刺すため』に使うことがあり、その攻撃用の針には痛みを感じる『毒』が含まれています。

細腰亜目の蜂の毒は激しい痛みを伴うだけではなく、死の危険性すらある『アナフィラキシーショック』を起こすことがありますので、注意が必要です。

細腰亜目のもうひとつの特徴は、「集団生活をする社会性を持っている」というところで、時には1000匹以上の大群で生活していることもあります。

「人を刺す毒針をもった蜂」が、「集団で生活している」ということですので、大変危険です。

それで、細腰亜目の蜂があなたの家やアパートの周りに見かけたら、蜂やその蜂の巣は駆除する必要があるでしょう。

蜂の細腰亜目には、ミツ蜂(ミツバチ)、アシナガ蜂(アシナガバチ)、またスズメ蜂(スズメバチ)などがいて、この3種類の蜂の被害が最も多いといわれています。

ミツバチ

ミツバチは基本的におとなしい虫ですが、強い毒針を持っており、刺激されると刺されることがあります。

また、冬が始まる前の10月~11月、冬が終わるころの2月~3月あたりの寒い時期のミツバチは攻撃性が強くなっているので、近づくだけでも刺されることがあります。

ミツバチの怖いところは集団で生活していること。

時には数万匹もの大集団で襲ってくることがあります。

しかも、蜜蜂の毒針は一度刺したらミツバチの身体から針が取れ、皮膚が体内に入り込んでしまいます。

さらにその毒針には攻撃フェロモンがありますので、刺してしばらくすると集団で仲間が襲ってくることがあります。

アシナガバチ

アシナガバチは、攻撃性が低く刺激しない限り刺されることはありません。

しかし、その毒性はかなり強力で、アシナガバチの種類によってはスズメバチよりも強く、複数回刺されたことによるアナフィラキシーショックで死者が出ているほどです。

アシナガバチは目立たない場所に蜂の巣を作ることが多いので、気づかないうちに刺激してしまうことがありますので注意が必要です。

スズメバチ

蜂の中でも最も攻撃性が高く、最も大きく、毒性も高いのがスズメバチです。

ミツバチと違い、スズメバチは1匹で何度でも刺すことができるので、複数回刺されたことによるアナフィラキシーショックが起こりやすく、呼吸困難や意識障害、時には死者が出てしまうこともあります。

スズメバチはさらに毒霧をまき散らすことがあり、刺されなくてもその毒切りで、失明や呼吸障害のなることがあります。

1-2 駆除の必要がない蜂

『胸部と腹部の細さにくびれがなく、かわりがない蜂』は人に危害を与えませんので駆除する必要はありません。

この蜂の種類の蜂は、腰にくびれがなく広いので、広腰亜目(こうようあもく、ひろこしあもく)と呼ばれます。ハバチ亜目と呼ばれることもあります。

広腰亜目の蜂は非常におとなしく、つまんだり、攻撃しようとしたりすると反撃をすることがありますが、通常めったに人を刺すことはありません。広腰亜目の蜂も針を持っていますが、その針は産卵のために用いるもので、人の皮膚を通すほど丈夫ではありません。

仮に刺されても、毒性は低く痛みもすぐに治まります。

それで広腰亜目の蜂が飛んでいても、駆除したり、巣作り防止したりする必要はありません。

広腰亜目の種類はとても多く、日本産だけでもハバチ、キバチ、クキバチなどのほか、1000種を超す種類がいると考えられています。

ハバチ

ハバチは蜂の一種ですが人を刺すことがなく、もちろん毒針もありませんので安心です。

ただし、植物の葉を食べるので、害虫とされることがあり、そういった面では駆除が必要になります。

特に、バラの葉を好んで食べるハバチ科のチュウレンジバチはバラ園芸科に嫌われています。

キバチ

キバチは腹部先端にとげを持っていますが、毒針はなく、人を刺すことはありません。キバチはその名の通り、木を生活の居版としていて、木の幹に穴を開けて産卵します。

クキバチ

クキバチの針は、産卵管なので人を刺すために使うことはなく安全です。バラには「バラクキバチ」が、サンゴジュには「モンキクバチ」という種類クキバチが産卵の際に産卵管で切断してしまうので、先端が枯れてしまうという被害はあります。

また、「蜂のように見える、蜂ではない虫」もいます。蜂に間違えられやすい代表的な虫は、アブです。

蜂とアブの見分け方

蜂とアブの見分け方
蜂とアブは、『姿』と『飛び方』で簡単に見分けることができます。もし、蜂と思われるその虫がとまっているなら、『翅(はね)』に注目しましょう。アブは、『翅が2枚』しかありません。一方蜂は、『翅が4枚』あります。

もし、蜂と思われるその虫が飛んでいるなら、『速さ』に注目しましょう。アブは、素早く飛びまわっているはずです。一方蜂は、ゆっくり飛んだり、ホバリングしたりしています。

アブには針がありませんので、人に危害を与えことはほとんどありません。中には噛んでくる種類のアブもいますが、毒性がないため危険ではありません。

2 蜂の巣が作られやすい場所とは?

毒針を持った細腰亜目の蜂は、「雨風を防いで、外敵から身を守りやすい場所」に巣を作りたいと思っています。なぜなら、女王蜂が安心して産卵できる場所だからです。

あなたの家の敷地内に蜂が住みそうな場所があるかどうかを、あらかじめ確認しておきましょう。

【図解】蜂が巣を作りやすい場所

蜂は軒下や、普段あまり使わない物置や離れ、普段あまり開閉しない窓など、人目につかない、手に届かない場所や壁に巣を作ります。下記の図を参考に、蜂が巣を作りやすい場所を確認して下さい。

自力駆除危険ゾーン
蜂が「住みたい」、と思っているのはこのような図にある場所です。蜂の巣を作らせないための対処法は、この図に載せられている場所全てにしておきましょう。

蜂を確実に呼び寄せてしまう環境

洗濯物などについている「柔軟剤の臭い」は、蜂を呼び寄せてしまうことがあります。蜂は臭いが敏感なので、庭やベランダに柔軟剤のついた洗濯物を干していると、蜂はその強い臭いに反応するからです。

それで、蜂が巣を作り始める春の時期に、蜂を呼び寄せないために、強い香りのする柔軟剤は控えておくようにしましょう

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3 蜂を殺したくない!蜂の巣を作らせない方法

蜂を無意味に殺傷することを避けるためには、蜂に巣を作らせないようにする必要があります。あなたが蜂に刺されたくないように、蜂はあなたをできれば刺したくありません。

しかし、蜂はあなたが巣に近づいてしまうと、自分や自分の巣を守るために、「あなたを毒針で撃退しなければならない」と思います。今度はあなたが、蜂に刺されないために、蜂を駆除しなければならなくなります。

それで、「蜂に巣を作らせないようにすることは、あなたにとっても蜂にとっても良いことである」、ということができます。

方法(1)こまめに点検する

蜂があなたの家の敷地内に巣を作らせないようにするためには、「蜂が巣を作りそうな場所」をこまめに点検する必要があります。

蜂が巣作りを始める、3月~6月までの春先に、『あなたが普段使用していない物置』や『普段開閉していない窓』、などを点検しましょう。

あなたがこまめに点検することによって、蜂は「あなた」という外敵がいることを認知し、巣を作ることをあきらめるかもしれません。

また、厳しい寒さが和らぐ3月から暑い夏が始まる前の6月までは、エアコンを使用する機会がなくなるかもしれませんが、その時期は「蜂が巣作りを始める時期」でもありますので、蜂はそのすきにエアコンの室外機の中に巣を作ることがあります。

室外機に巣作りするのを防止するために、春の時期も時々エアコンを「送風モード」にして、室外機を回すようにしてください。

方法(2)防虫ネットを張る

蜂が巣を作りそうな場所に、防虫ネットを張るなら蜂はその場所には入れないので巣を作ることができなくなります。妻の友人は、蜂の巣作り防止のために、ビニールを貼っていましたが、風が吹くと吹き飛ばされてしまい、効果がありませんでした。

防虫ネットは網目がありますので、風に吹き飛ばされることはありませんし、ネットをかけた部分はほぼ100%蜂の巣作りを防止することができます。

 

 
しかし、防虫ネットは見栄えがあまりよくありませんし、ネットを付けた場所しか防ぐことができない、というデメリットがあります。

蜂が巣作りを始める3月~6月までに、「ここだけは巣を作ってほしくない」という場所に防虫ネットをつけるとよいでしょう。

妻の友人は、ゴーヤのグリーンカーテンを作るために、5月の中頃からプランターに苗を植えましたが、6月まで防虫ネットをプランターごと囲うようにして蜂が巣を作らないようにしました。

7月になったら防虫ネットを外しましたが、蜂が巣を作ることはなく、安全なグリーンカーテンを、ゴーヤの収穫と共に楽しんでいました。

方法(3)木酢液をつける

蜂が巣を作りそうな場所に、木酢液(もくさくえき)を入れた容器を設置するのは効果的です。木酢液とは、炭を焼くときに出る煙を液体化したものなので、環境に優しい蜂の巣作り防止グッズのひとつです。

 

 
木酢液からは煙の臭いがしますので、本能的に火を怖がる蜂はその場所に巣を作ろうとしなくなります。

木酢液で蜂の巣対策をする方法

木酢液で蜂の巣対策をする方法は、簡単です。

まず木酢液(もくさくえき)と水を1:1の割合にして、半分に切ったペットボトルの容器に入れてください。

そして木酢液の入った容器を、蜂に巣を作られやすい場所に置きます。木酢液の匂いがすると、蜂はその場所に近寄れなくなりますので、巣を作ることができなくなります。

しかし、「木酢液の臭いが苦手!」という人もいますので、その場合は物置や離れなど、人がいない場所に設置するなど、工夫してください。

方法(4)木クレオソートをつける

蜂は木クレオソートを塗った場所の付近に、巣を作ろうとしません。そこで、蜂が巣を作りそうな場所に木クレオソートを直接縫って、蜂の巣作りを防止しましょう。

木クレオソートはブナやマツなど原木を加熱分解して得られる、木タールを蒸留したものです。

 

 
木クレオソートと石炭クレオソートは全く違う成分ですが、名称がよく似ているため、混合されがちで、そのために誤解が生じることがあります。「木クレオソートは人体に危険をもたらすことのない安全な成分」ですが、その『強烈な匂い』から蜂を呼び寄ない効果を発揮します。

しかし、「木クレオソートは控えめに塗ると効果がありません」ので、注意して下さい。あなたが嫌と思う匂いがするくらいの大量のクレオソートを塗って下さい。

また、クレオソートの匂いは強烈なので、あなたやあなたの近所の人が不快に感じない場所に塗るようにしてください。

方法(5)ハッカ油スプレーを振りかけておく

ハッカ油で作る自作のスプレーを蜂が巣を作りそうな場所にふりかけると蜂の巣作り予防効果があります。

 

 
このミントの香りがするハッカ油スプレーは、環境に優しい天然素材なので安心。たとえハッカ油が体についても、植物についても全く問題ありません。

ハッカ油スプレーは高い防虫効果があり、蜂を寄せ付けません。

ただ、効果があまり持続しないというのがハッカ油スプレーのデメリットです。なので、蜂が巣を作る4~6月くらいまで、ハッカ油スプレーを毎日振りかけないといけません。

広範囲に振りかけるのは費用の面でも時間の面でも大変になりますので、毎年必ず巣作りされる場所があるなど、『限定的に巣作りを防止したい場所』があるなら、ハッカ油スプレーはオススメです。

ハッカ油スプレーの作り方

ハッカ油スプレーは、下記の順番で作って下さい。

  1. スプレー容器にハッカ油60滴入れる。
  2. 水を200ml入れる。
  3. 全体が混ざるまでよく振る。

ハッカ油は、ドラッグストアやインターネットで購入することができます。ハッカ油であれば値段、質、関係なく蜂を寄せ付けない効果があるので、値段、質にこだわらず買って試してみてください。

方法(6)おとり(フェイクネスト)を設置する

蜂は縄張り意識が非常に強いので、すでに巣のある場所には巣を作ろうとはしません。

その習性を利用することで、非常に高い予防効果を得ることが可能です!

実際の作成方法から設置イメージなど動画で解説していますので合わせてご確認ください。

【蜂予防に必須のおとり巣(フェイクネスト)の作り方と設置例】

YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=YIvlvc5X_8A

4 環境を守りながら蜂の巣を駆除する方法

蜂の巣を作らせないようにいろいろ努力してみても、「あなたに危害を加える可能性のある蜂が、あなたの家の敷地内に巣を作ってしまった」のなら、残念ですが『蜂を駆除』しなければなりません。

あなたが危害を加えるつもりはなくても、蜂はあなたと接触すればあなたを「自分や自分の巣に危害を加える敵」と判断し、攻撃してくるからです。

また、あなたの敷地内で育った蜂が、近所の家の人を刺してしまうこともありえます。蜂を駆除しなければならなくなったとしても、「できるだけ環境を守りながら蜂の巣を駆除する方法」がありますので、紹介します。

4-1 環境にやさしい殺虫剤の使い方

できるだけ環境を守りながら殺虫剤を使いたいなら、「蜂に直接かけるのではなく、蜂の巣に殺虫剤をかける」ようにしてください。

蜂に直接殺虫剤をかけても、どんどん新しい蜂が生まれるので、キリがありません。また購入した殺虫剤はすぐに空になってしまい、新しい殺虫剤を買ってこなければならなくなるでしょう。殺虫剤を大量に使えば、それだけ環境に負担がかかります。

しかし蜂が集まっている蜂の巣に直接殺虫剤をかければ、殺虫剤を使う量が減るため、相対的に環境への負担を最小限に抑えることができます。

殺虫剤を使う時間帯と噴射時間の目安

殺虫剤を使うポイントは、蜂が巣に戻っている夜22時から翌朝6時までの時間帯。

暗くなって蜂が巣に集まっているときに、殺虫剤を蜂の動きがなくなるまで、30秒から60秒噴射しつづけましょう。

蜂が全滅したことを確認したら、棒などで蜂の巣を地面に落とし、ゴミ袋に入れて回収してください。蜂の巣に殺虫剤をかけるのは危険を伴う行為ですので、蜂駆除用の防護服を着るなど、蜂に刺されない対策もしっかりするのも大切なことです。

もし蜂の巣が15センチ以上になっているのなら、素人で駆除するのは危険ですので、専門業者にお願いするようにしましょう。

4-2 環境にやさしい蜂捕獲器を使う

フルーツジュースで蜂をおびき寄せる手作り蜂捕獲器で、蜂を簡単に駆除することができます。

しかし、蜂捕獲器を設置すると、蜂はすぐに一杯になってしまい、その都度殺さなければいけないのは大変ですし、心が痛むかもしれません。また蜂以外の、ガやアブなども捕獲してしまうこともあります。

そこで、この蜂捕獲器を設置する時期は、「4月から6月頃」にして下さい。つまり、蜂が巣を作り始める時期に蜂を捕まえてしまうわけです。

なぜなら、この時期の蜂はこれから蜂を増やし、蜂の巣を拡大していく女王蜂だけ。女王蜂だけをうまく捕まえれば、その後蜂に巣を拡大されることはなくなります。

蜂捕獲器の作り方

蜂捕獲器の作り方は、下記の通りです。

  1. 2リットルのペットボトル上部に、2センチの穴を開ける。
  2. フルーツジュース200ml、酢と酒それぞれ大さじ一杯をペットボトルに入れる。
  3. ペットボトルにフタをして、蜂の巣の近くに置く。

たったこれだけで、蜂を捕獲することができます。捕まえた蜂がペットボトルの中で死んだら、中のジュースを出して、そのままペットボトルごと捨ててください。

5 いざというときのために用意するもの

あなたが予測している、していないにかかわらず、蜂は突然あなたの目の前に現れることがあります。急に蜂に刺されてしまうということも、あるでしょう。

そんな蜂の危険を防いだり、すぐに治療したりするためにあらかじめ準備しておくことは大切なことです。ここでは、いざというときのために用意するものを、ご紹介したいと思います。

5-1 不意の蜂には殺虫剤

蜂が毎年あなたの敷地内に巣を作っているなら、必ず蜂専用の殺虫剤をひとつ用意しておきましょう。

できれば蜂を殺したくない、と思うかもしれませんがあなたやあなたの家族の安全が最優先されるべきです。

部屋の中に蜂が入ってきたり、玄関の近くなど出入りする場所に蜂が巣を作ろうとしたりしているなら、すぐに殺虫剤をかけて駆除する必要があるでしょう。

蚊やハエ用の殺虫剤もある程度効果はありますが、蜂専用の殺虫剤と比べると威力が弱いので、逆襲にあって刺されてしまうことがあります。

蜂の殺傷効果が高い、蜂用の殺虫剤を用意しておきましょう。

5-2 蜂に刺されないための服装

蜂があなたの家の敷地内にすでにいるなら、蜂を完全に駆除するまで「蜂に刺されないための服装」を心がけていると危険度をかなり軽減することができます。

まず、蜂に直接刺されないように、長袖長ズボンを着るようにしましょう。また、蜂はにおいに敏感なので、香水やコロンはつけないか、控えめにしておきましょう。

香水を付けていなくても、体臭がきつくなっていると蜂を呼び寄せてしまうことがあります。蜂を寄せ付けないように、体や衣服を清潔に保ってあまり匂いがでないようにしましょう
蜂に刺されてしまっても、できるだけ冷静に対応していくようにしてください。

5-3 刺されてしまったらピンセット

蜂に刺されてしまった時、すぐに毒針を取り除けるようにピンセットを用意してください。指で針を取ろうとすると、毒針の毒を圧迫してしまい毒が体内に入り込んでしまうからです。

蜂に刺されてしまったら、まずはその場から20メートル以上離れて安全確保をするのが大切です。蜂の毒針が警報フェロモンの働きをするので、仲間の蜂を呼び寄せてしまうことがあるからです。

安全を確保したら、用意していたピンセットで針をそっと引き抜きます。その後流水で傷口を洗って毒を洗い流してください。

患部が傷むようなら、皮膚科に受診しましょう。

6 市役所に相談するという手もある!

もし気づかないうちに、蜂の巣がすでに15センチ以上になっているなら、安全のため専門業者にお願いしなければなりませんが、その前に「お住まいの市役所に相談してみる」ことをオススメします。

市役所の対応は、お住まいの地域によって異なりますが、無料で駆除を行ってくれたり、防護服を貸してくれたりするところがあります。また、信頼できる駆除業者を紹介してくれたり、あなたが住んでいる土地ならではのアドバイスをしてくれたりします。

あなたは、ちゃんと税金を払っているわけですから、このような市役所のサービスを受ける権利があります。市役所があなたの蜂の巣対策を助けているなら、それを十分に活用しましょう。

業者~助成金活用まで!スズメバチ駆除料金相場と業者選び3つの注意点』では市役所の頼み方から業者に直接相談した時の料金相場まで書いています。合わせてお読みください。

まとめ

できるだけ化学薬品を使って自然の環境を壊したくないと思っている皆さんに、「環境にやさしい蜂の巣作り防止法」について考えてきましたが、いかがだったでしょうか。

  • 「腰にくびれがない蜂やアブ」は、人間に危害を加えないので駆除する必要はない。
  • 蜂は「雨風を防げる」「人目につかない場所」を好む。また柔軟剤の「香り」が蜂を呼び寄せてしまうことがある。
  • 蜂の巣を作らせないためには、蜂が巣を作りそうな場所をこまめに点検して、その場所に蜂が嫌う「木酢液」「クレオソート」「ハッカ油」などをつけるか「防虫ネット」をかける。
  • 蜂が巣を作り始めたら、蜂の巣が15センチになる前に、蜂の巣にむけて殺虫剤をかけるか、フルーツジュースで作った蜂捕獲器を酢の近くに置けば、環境への負担を最小限に抑えることができる。
  • 蜂が不意に現れた時に備えて、蜂をすぐに撃退できる「蜂専用の殺虫剤」、蜂に刺されないために「明るい色の服装」を避け、香水や体臭などの「臭い」に気をつけ、蜂の毒針を引き抜くための「ピンセット」を用意しておく。

このように注意を払えば、蜂の巣作りを防止し、蜂の被害を最小限に抑えることができるでしょう。

そしてこの記事に書かれている対策を、『できるだけ早め』にしておきましょう。そうすればあなたにも、蜂にも、そして周りの環境にも、被害を抑えることができるはずです。