「ブブブブ…カチッカチッ…」
春を過ぎる頃に突如聞こえてくるいやーな音。正体は「オオスズメバチ」。
スズメバチの中でも特に恐ろしいのが、世界でもトップレベルの危険性を持っているオオスズメバチです。

パッと見ただけでもビックリするくらい大きなハチですし、刺されると痛いと思うレベルではなく、激痛でトラウマになるほど。
キイロスズメバチくらいのスズメバチであれば駆除できても、オオスズメバチはちょっと…と駆除をためらう業者も存在するくらい危険な昆虫です。

そんなオオスズメバチが庭先に突如現れたら怖いですよね。
では、自力で駆除は難しいか?いいえ、高いお金を払って業者に依頼しなくても、巣の見極めさえ間違わなければ、自分でオオスズメバチを駆除することは可能です。

そこで今回は、素人でも安全に完璧にできるオオスズメバチの駆除方法を紹介します。

ですが、見極めを誤ってしまうとどんなに準備を行っていたとしても、刺されてしまいます。
記事では、あなたの安全を最優先するために、自力駆除可能かの判断基準から紹介し、駆除の方法から予防策、万が一のために応急処置の方法までの全てを紹介します。

自分でできる範囲を超えていた場合も想定し、優良業者の見極め方も合わせて紹介します。

この記事を読めば、素人でも刺されることなく、安全に駆除できるだけではなく、完璧な予防ができるようになります。

※オオスズメバチの駆除は危険性が高いため、自力駆除の場合は全て自己責任の範囲内で作業しましょう。

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1 まずは自分で駆除か業者に任せるべきかを判断しよう

オオスズメバチは巣の見極めさえしてしまえば、素人でも駆除することは可能です。

ですが、専門業者もオオスズメバチの場合は刺される可能性が高くなるため、別途5,000円以上の料金が加算されているように、駆除は簡単なようで簡単ではありません。
特に「巣を発見した時期」には注意しましょう。

1-2 4~6月で確実に3匹までしかいない場合は自力駆除可能

基本的にオオスズメバチの巣は、8割が地中、2割が樹洞(じゅどう)といって木の中に巣を作ります。
巣が大きくなっていなく、働きバチが少ない時期、6月までくらいの巣で、かつ巣の周りに3匹程度のハチしか飛んでいない場合であれば、自力駆除が可能です。

多少の危険性はありますが、専門業者を呼ぶほどではありません。
安心して駆除しても大丈夫です。

1-3 7月以降の駆除は全て業者に任せる

7月を過ぎて巣を発見してしまった場合は、自力駆除は諦めて全て専門業者に任せた方が安全です。

パッと見の巣は小さく見えるかもしれませんが、実は巣が小さいのは見た目だけで、深く掘っていくと大きな巣が出てきます。
もちろん巣が大きくなればなるほど、蜂の数も増えていくため、刺されてしまう危険性も確実に上がります。
特に9月を過ぎたころになると、経験を積んだプロでも刺されてしまうほど獰猛で、危険な駆除作業になります。

2 オオスズメバチ駆除の方法と予防

自力で駆除する方法は、たとえ素人であっても準備さえしっかりしておけば難しくありません。
あなたが思っている以上に簡単に安全に駆除できるので、ぜひチャレンジしてみてください。

2-1 ステップ1 準備:入念すぎるほどの準備

駆除・予防するにあたり一番重要な作業が「準備」です。

オオスズメバチはとても攻撃性が高い昆虫のため、「刺されることを想定した」準備が重要です。

駆除から予防全てを簡単に、何より安全にこなすためには「これでもか!」というくらいの準備をしておきましょう。

目的 準備するもの おおよその料金
駆除 スプレー 2,300円
防護服 3,980円
厚手の手袋 6,480円
ゴミ袋(大きめの買い物袋でも可)
虫取り網 100円程度
予防 おとり(フェイクネスト) 自分で作れば無料
応急処置 ポインズンリムーバー 1,830円
消毒液 486円
緊急連絡先

上記の準備をしっかりと行えば、万が一の場合でもすぐに対処することができ、かつ安全簡単に駆除+予防が可能になります。
スプレー
まずはオオスズメバチに有効なスプレーをそろえましょう。
しかし、オオスズメバチは通常のハチと違って、「蜂スプレーであれば何でもよい」というわけではありません。
「オオスズメバチにも有効なスプレー」でないと効果が薄いので注意です。

少々値段は高くなりますが、オススメの商品は「ハチノック」です。

 

 
オオスズメバチが10匹以内であれば1~2本用意しておけば十分です。

防護服
防護服と聞くと「高い」というイメージが先行してしまいますが、自力駆除が可能な範囲であれば高額な防護服でなくても大丈夫。防護服は肉体的な安全もありますが、それ以上に精神的に落ち着かせるためにあるものです。

以下のような簡易的な防護服でも十分効果を実感できるでしょう。
 

 
防護服はもったいないので買いたくない、買った後に邪魔になる、と感じた場合は、レンタルするのもいいですよ。
以下の商品は、防護服だけではなく、手袋、スプレーまで付いてくるというかなりオススメの商品です。

蜂駆除用防護服レンタル 往復送料込み9,720円
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通常の衣類でも大丈夫ですが、以下の該当しない服装を選んでおきましょう。

注意点
服装 絶対に刺されたくない場合は、厚さ1cm以上がベスト。
黒色は絶対にNG。
蜂は古来より熊に襲われてきた昆虫なので、熊と間違えて攻撃する習性が遺伝子レベルで組み込まれています。
黒髪も危険ですのでヘルメットや帽子を被りましょう。
香水 香りはスズメバチを刺激するので、NGです。

衣類に柔軟剤の香りなどが含まれているのも危険なので避けましょう。

ヒラヒラしたもの スズメバチは動くものを優先的に攻撃してきます。
ヒラヒラするようなもの(レースやリボン、カラビナなど)を身に着けていると、動いたり、風で動いてしまいますので、真っ先に攻撃されてしまいます。

厚手の手袋
実は駆除では防護服よりも大事な道具が「手袋」なんです。

駆除する上で一番動く場所が「手」なんですね。
スプレーを使うのも、巣を壊すのも、真っ先に手が動きます。
オオスズメバチの攻撃の対象は「動くもの」を優先しますので、手をどれだけ守るか、が作業の中で最も重要になるんです。

※プロも防護服よりも手袋を重要視しています。
オオスズメバチの針の長さは最長で7mmあるので、ゴム手袋、革手袋、厚手のカッパは貫通してしまいす。
プロも愛用している厚手の手袋を紹介します。

従来の蜂防護手袋に特殊シートを更に1枚プラスした脅威の4重構造! 蜂防護手袋 6,480円
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http://www.tt-techno.co.jp/gyoumu_seihin/10-12.html
ゴミ袋(大きめの買い物袋でも可)
駆除後の巣や死骸をいれるためです。

この時に、棒や虫取り網などを使用すると円滑に駆除が行えます。
おとり(フェイクネスト
おとり(フェイクネスト)

オオスズメバチは縄張り意識が強い昆虫なので、すでに巣のある場所を避ける習性があります。
駆除した後おとりを設置しておくだけで、同じ個所に巣を作られることはほぼなくなります。おとり(フェイクネスト)は一般的に販売されていませんので、新聞紙を丸めて作ってもいいですね。
ポインズンリムーバー
防護服や厚手の手袋ををしていても、刺される時は刺されます。
ポインズンリムーバーは、万が一刺されてしまっても、安全に針を取ると同時に、毒を吸い出してくれるという便利な道具です。

必ず準備しておきましょう。
 

 
ポインズンリムーバーで毒を吸い出した直後に使用する消毒液も用意しておきましょう。
 

 
緊急連絡先
オオスズメバチに刺されると、恐怖と痛みで動けなくなってしまうこともあります。
緊急連絡先は万が一動けなかった時のために、あなた以外の誰かが応急処置を行ってくれたり、搬送してくれるために必須です。

友人、知人の中でも頼れる人を事前にピックアップしておくこと、そして、応急処置後に向かう病院の連絡先(内科)もメモしておきましょう。

2-2 ステップ2 確認:巣の確認

見た目で見える蜂は、全て巣から飛んでくるので必ず巣の確認をしましょう。
見た目の蜂だけを殺すことが駆除だと思っている方がいますが、駆除というのは「巣の撤去」を行って初めて駆除と言えます。

オオスズメバチの多くは以下のところに巣を作るので、重点的にチェックしてください。

場所 割合
土の中 約75%
樹洞(じゅどう)
※木の根元や途中にある穴
約18%
落ち葉の下や雨水マス 約3%
瓶の中 約2%
床下他 約2%

一般的なスズメバチ(キイロスズメバチ、モンスズメバチなど)は、家の天井裏、軒下、壁の中に巣を作るのに対し、オオスズメバチはほとんどが土の中に巣を作ります。
天井裏、軒下、壁の中に巣がないなと思ったら、土の中か樹洞が近くにあれば探してみてください。

2-3 ステップ3 駆除:いざ駆除へ!

巣を発見したら、巣に向かって一気にスプレーを噴射してください。
距離は2~3m、10秒以上はスプレーすること。
そして風に逆らわないようにしてください。

巣に向かって一気にスプレーを噴射
比較的小さな巣であれば、一気に襲われることはありませんが、躊躇していると刺される可能性が高くなるため注意しましょう。

その他での注意点をまとめます。

注意点 理由
日没後に作業する スズメバチは日中に活動します。

日没には巣の中にいるので、日没後2~3時間後が駆除のタイミングです。

威嚇行動に敏感になる 巣から10m以内に近づくと、スズメバチは接近者の周囲を飛び回り警戒行動をとります。更に近づこうとすると左右の大顎を噛み合せて「カチカチッ」という警戒音を出して威嚇します。

これが最後の警告ですので、万が一巣に近づいてしまった場合は頭や眼などの黒い部分を隠し低い姿勢で静かにゆっくりと後退りして、少なくとも20m以上離れてください。

手で振り払おうとすると確実に刺されますので、近づいてきたらじっと身動きしない方が得策です。

左右の動きは
なるべく避ける
スズメバチは急な動きや震動に敏感です。

特に前後ではなく左右の横の動きには敏感に反応するので注意しましょう。

駆除が終わったら、速やかに巣を撤去します。

蜂や巣の撤去方法は以下の通りです。

  • 虫取り網で個体・巣をつついて、本当に死んだかどうか確認しましょう。
  • 虫取り網で個体・巣を回収し、ゴミ袋に入れてください。
  • ゴミ袋に入れたら、速やかに袋の入り口をくくっておきましょう。
  • 燃える日のゴミでゴミ出しすれば完了です。

万が一のことも考えて防具はつけたまま撤去作業をしましょう。
巣を撤去する際に巣に残っていた蜂が襲ってくる可能性があります。

2-4 ステップ4 予防:おとり(フェイクネスト)の設置

スズメバチはとても縄張り意識が強いので、すでに巣のある場所には巣を作ろうとしません。
うまく習性を利用してあげれば、予防効果は抜群です。

設置箇所は巣を駆除した箇所や、付近の木にぶらさげておくといいです。

実際の作成方法から設置イメージなど動画で解説していますので合わせてご確認ください。
蜂予防に必須のおとり巣(フェイクネスト)の作り方と設置例

https://www.youtube.com/watch?v=YIvlvc5X_8A

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3 オオスズメバチに刺されてしまった場合の応急処置

もしも刺されてしまったら、速やかにポイズンリムーバーで針と毒を抜いておきましょう。
痛みや腫れは長引いてしまいますが、5分以内に針と毒を抜いておけば、多少長引くことを防ぐことができます。
ポインズンリムーバーには、使い方が詳しく記載されています。
適切な処置をしておきましょう。

ピンセットで針を抜いたり、口で毒を吸い出すのは絶対にNG

ピンセットで針を抜いたり、毒を口で吸いだそうとする方がいるようですが、危険なのでやめておきましょう。
オオスズメバチの針は特殊な「返し」がついているため、ピンセットでは正しく抜けず、途中で折れてしまう可能性があります。
オオスズメバチの針拡大図
オオスズメバチの針拡大図
引用:https://goo.gl/yv7ZPv

応急処置後は病院へ
応急処置が終わったら、個人で症状の判断はせず、必ず病院で受診するようにしてください。

箇所 症状 かかる科
部分症状 腫れが異常で、かゆみも痛みもおさまらない場合 皮膚科
全身症状 刺されて15分以内で全身のかゆみ、吐き気、めまいなどを感じる場合 アレルギー内科

4 オオスズメバチの優良業者を見分ける方法

オオスズメバチの駆除は一定時期を超えるととても危険な駆除作業になります。
命を落とすとまではなりませんが、専門業者でもそれ相応の覚悟が必要になってきます。
なので、危険レベルが高いオオスズメバチの駆除は専門業者に任せると、決して安い料金ではやってくれません。最低でも3万円以上はかかります。
ですが、高い料金を払って素人作業なんてされてしまったら、目も当てられません。
高い料金を払うからこそ、優良業者かどうかの見極めが重要です。

ホームページのみで見極めるなら「保証があるかどうか」で判断します。

直接話をして見極めるなら「オオスズメバチの生体に詳しいかどうか」でおおよそのことが判断できます。

  • 保証があり、内容が具体的かどうか?
  • オオスズメバチの生体に詳しいかどうか?

4-1 保証があり、内容が具体的

完璧な作業をしてくれても、求めるのは作業ではなく、「襲われない環境作り」です。

作業に自信があるところは、必ず保証をつけていますし、保証内容をあいまいにはしません。

  • ワンシーズン以上の保証があるか?
  • 保証の定義は明確か?

保証の定義の例:巣を撤去した後で、以前作られていた巣から1m以内に巣を作られていた場合は、無料で出張駆除を行います。

4-2 オオスズメバチの生体に詳しい

オオスズメバチの生体に詳しくないと、駆除中にあなた自身が襲われたり、完璧な予防はできません。
電話で話をした際、少なくとも、今回の記事で紹介した「駆除の方法と予防策」だけではなく、あなたが住んでいる環境でオオスズメバチの巣を作られやすい場所をすぐに言えるレベルでないと、不安が残ります。
具体的に以下の2つの質問をしてみてください。
たった2つだけですが、スピーディに答えられるなら依頼しても大丈夫です。

聞きたい内容 理想の回答
巣が確認できないんですが、どのあたりに巣がありそうでしょうか? オオスズメバチは8割以上が「土の中」「樹洞(じゅどう)」に巣を作ります。
早く来てほしいんですが、何時くらいに来れそうですか? すぐに行きたいが、実際の駆除は日没後が一番効果的だから、日没後の作業でも大丈夫か?

まとめ

オオスズメバチは世界でも有数の危険生物として認定されています。
刺されると1ヵ月以上も腫れや痛みが続いてしまうだけではなく、刺されたショックで死に至るケースも報告されています。
十分すぎるほどの準備さえしていれば、専門業者に高いお金を払わなくても、自分で簡単にかつ安全に駆除・予防は可能です。

オオスズメバチを駆除したいと思ったら、ぜひ今回紹介した方法で駆除してみてください。
ですが、7月以降の巣となるとパッと身だけでは判断できないような危険があるので、必ず専門業者に依頼して駆除してもらった方がいいでしょう。
決して安くはない買い物になってしまいますが、安全という安心を買うことができます。