これって…もしかして、ミツバチ!?益虫であると同時に、ハチミツ、蜜蝋、ローヤルゼリーの生産、果実の受粉に関わっている非常に貴重な種類の蜂。海外でも、農業を守るためにミツバチの保護活動が行われているほど、その数は減ってきています。
しかし、そんな貴重なミツバチも、自宅に巣を作ってしまうと、放置することはできません。蜂というだけでも怖いイメージがありますし、不安を抱えたままでは、リラックスできるはずの自宅も、なんだか居心地が悪いですよね。
本記事ではそんなミツバチの被害に遭っている人のために、自力駆除の方法について、生態や危険性なども含め、余すところなく解説していきます。是非、取り組んでみてください!

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1 駆除前に知っておきたいミツバチの特徴と危険性

ミツバチには『ニホンミツバチ』『セイヨウミツバチ』とがいます。もしあなたの自宅に巣を作るミツバチがいるなら、それはニホンミツバチです。

ミツバチは越冬可能で、かつニホンミツバチは、春になるたび新女王を巣に残して引っ越し新たに巣を作る分蜂(ぶんぽう)という習性を持っています。
つまり、冬に死滅することもなく、次々と巣の数が増えていくのです。

1-1 住み着かれると洗濯物や壁、屋根のシミ汚れの原因になる

● 雨風にさらされない
● 閉鎖空間で外敵に見つからない
● エサ場が近い
この3つが、ミツバチが巣を作る場所選びの条件と言われます。
実はこの3つの条件をすべて満たしてしまうのが、人間の生活圏でいうと『床下』や『天井裏』にあたるのです。

住人の見えない場所で成長していった巣からは、ハチミツが滴り、それがシミとなって天井や壁、床、洗濯物やお布団などを汚してしまいます。

1-2 いろんな虫を寄せ付けてしまう

ミツバチの蜜は『甘い』『栄養価が高い』ことから、人間に害のある次の虫を呼び寄せてしまいます。

  • スズメバチ、オオスズメバチ
  • アリ
  • ゴキブリ
  • ダニ

1-3 刺す時は集団になって襲ってくる

ミツバチは1家族が数万匹近い大量の集団です。

そのため、ミツバチを刺激してしまうと、数百、数千、数万という集団のミツバチに襲われることになってしまいます。

2 自力で駆除するなら知っておきたいミツバチの駆除方法

駆除をする時は、比較的凶暴性の低い種類だから、と甘く見ず、しっかりと準備をして駆除を行うことが大切です。

2-1 準備物

自力で駆除するなら知っておきたいミツバチの駆除方法準備物

  • カッパ
  • 麦わら帽子
  • 顔を隠す布
  • 秋口に着るような長袖長ズボン
  • 軍手
  • ほうき、ちりとり、ゴミ袋
  • 蜂駆除スプレー
  • 抗ヒスタミン軟膏
  • ポイズンリムーバー

・蜂駆除スプレー

 

・抗ヒスタミン軟膏

 

・ポイズンリムーバー

注意点
  • 蜂が本能的に攻撃対象と捉えてしまうので、黒色の服装は避けましょう
  • 花の香りと間違われて引き寄せてしまうので、香水や柔軟剤のニオイが薫る衣類は避けましょう

2-2 駆除は朝6時に行う

ミツバチは夜から朝にかけてすべての個体が巣へ戻る習性があり、巣にすべての蜂が戻っている状態は『朝6時前くらい』です。

一網打尽にするために、駆除は朝6時に行いましょう。

2-3 巣を見つける

ミツバチは女王蜂を駆除すれば、完全駆除が可能になるので、まっさきにミツバチの巣を見つけることが大切です。

女王蜂は、他のミツバチ(働きバチ)達よりもひとまわりほどサイズが大きいのですぐにわかります。

巣を見つける
※画像は、女王蜂が特殊なフェロモンを放って働きバチがそれを受け取るロイヤルコートの様子です。

ミツバチは社会性昆虫と呼ばれ、それぞれが役割を持ち、集団で行動、生活をします。

人間の会社組織にも似ていて、トップ、つまり女王蜂がいなくなってしまうと、それは『非常事態』ということになり、組織としての機能を失ってしまいます。
つまり、女王蜂さえやっつけてしまえば、自然とその配下にいた働きバチもいなくなってくれるのです。

女王蜂は頭部から『女王物質』といわれる特殊なフェロモンを分泌しており、女王蜂がいなくなれば、働きバチはすぐに非常事態を知ることができます。
巣を見つける方法は次の2パターンでいずれかで行いましょう。

巣を見つける方法

【パターン1】巣を作られやすそうな場所を探す
  • 人の出入りが少ない
  • 普段近寄らない
  • 閉鎖空間
  • 雨風がしのげる
  • 生い茂った草木の中
  • 物置の中や庭に放置している不用品
  • 換気口
  • 雨戸の戸袋
  • 軒下
【パターン2】働きバチを追ってみる

働きバチは、花粉を集めると巣に持ち帰ります。その後を追って、巣の場所を特定しましょう。

2-4 巣を撤去する

巣の場所がわかったら、次の手順で駆除、そして巣の撤去を行いましょう。

  1. 巣に直接蜂駆除スプレーを吹きかけます。
    ポイントは、女王蜂を逃がしていないか注意することです。

    女王蜂を駆除することに意味があるので、ひとまわり大きな個体が奇襲に驚いて駆除から逃れないよう、しっかりとらえてやっつけましょう。

  2. ほうきで突いても蜂が出てこないか確認しましょう。
  3. 全滅を確認したら、巣を手際よくゴミ袋に入れ、袋を縛って駆除終了です。
  4. 撤去後は、巣があった場所にもスプレーしておき、戻り蜂の対策に、寄せ付けない予防策も行っておきましょう。
注意点

もしも、巣の場所が素人には難しい天井裏や床下だった場合は、無理をせず業者駆除を視野に入れることをオススメします。

床下のミツバチの巣
例えば、こういった床下の巣になると、素人では駆除撤去が難しくなるのは、イメージしやすいですよね。

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3 刺されてしまったときの処置について

もしも刺されてしまったら、手際よく応急処置することが大切です。

特に、ミツバチの針は、人を刺すとミツバチの体から針が外れ、皮膚に刺さった状態になります。
手では取れないので、ポイズンリムーバーやピンセットで根元から引き抜くことが重要です。

ステップ1 安全な場所まで避難する

ステップ1 安全な場所まで避難する集団で刺される可能性もあるため、すぐに蜂に刺された箇所から10~20メートル以上離れること。

ステップ2 皮膚から針を引き抜く・流水で毒を洗い流す

ステップ2 皮膚から針を引き抜く針がある場合→ピンセット、カードなどを使って針を取り除く。

ステップ2 流水で毒を洗い流す
針がない場合→爪で圧迫して毒を押し出すようにしながら流水で洗い流す。
ポイズンリムーバーがある場合、針と毒の吸引を同時に可能

 
間違った対処法
間違った対処法

ステップ3 抗ヒスタミン軟膏を塗る

ステップ3 抗ヒスタミン軟膏を塗るハチ毒に含まれるヒスタミンが、体内で悪さをするのを抑える働きがある塗り薬です。軟膏のオススメは、抗ヒスタミン成分が入っている次の商品です。

 

ステップ4 氷や保冷剤で冷やす

ステップ4 氷や保冷剤で冷やす血管を収縮させ毒液が体内に吸収されるスピードを遅くするための大切な作業です!

ステップ5 病院へ行く

ステップ5 病院へ行く局所(部分)症状のみであれば、「皮膚科」を受診すれば対応してくれます。
全身症状の場合は「アレルギー科」を受診してください。
自己判断は万が一のこともあるので、危険です。必ず受診するようにしてください。

4 近くの業者・自治体・養蜂所(養蜂家)に連絡してみよう!

ここまで、ミツバチの自力駆除について解説してきました。人間の生活圏に巣を作ってしまうと、どうしても駆除せざるを得ないと感じます。
しかし、ミツバチ、特に野生化しているニホンミツバチは、近年数が減少し、その存在は非常に希少価値の高いものとなっています。
クジョカツ編集部としては、もちろんあなたのストレスを早く解消するために駆除することもオススメはしますが、その前に、『蜂駆除業者・自治体・養蜂所・養蜂家』に相談してみることをお願いしたいです。

もしかしたら、無為に殺さなくても、引き取られ、求められる場で、益虫として、生態系の維持に一役買いながら、長く生きられる場があるかもしれません。

5 まとめ

ミツバチの駆除について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?巣は、大きな物では直径1メートル以上にもなるというミツバチ。
蜂と思うと怖いですが、実は世の中で大切な役割を果たす益虫でもあります。
自力駆除の方法は簡単ですから、駆除方法の知識が身に付いたら、一度専門家に引き取り出来ないか、相談してみましょう。もし引き取りが叶えば、あなたの家からミツバチの恐怖は無くなり、さらに無為な殺生をすることなく、ミツバチの活躍できる場で生かすことができます。
本記事が、あなたの不安を取り除くとともに、ミツバチへの誤解を紐解き、共存のためのちょっとしたアプローチのきっかけになることを願っています。