妻の大学時代の後輩は、社会人になったばかり。
会社の近くに駐車場付きのアパートを借りて、新しい生活に心を弾ませていましたが、「ある風景」を見てしまいました。
新しく借りた駐車場の後ろ側のブロック塀の所に、小さな「蜂の巣」があったのです。
蜂の巣の周りには、遠くから見ても蜂がブンブン飛び回っています。
「車を停める際に刺されたらどうしよう…」
そんな不安な気持ちを抱えながら、アパートに帰ってふと窓の外を見たらそこにも小さな蜂が、、、
よくよく調べてみると蜂の巣は、アパートの小さな庭やベランダの近くにもありました。
大家さんにも相談してみましたが、「自分で何とかしてください!」と、とりあってくれません。
そこで、後輩は蜂の巣を駆除するために、ネットで薬剤を買いました。
さっそく薬剤が届く範囲に薬を撒いたのですが、蜂の巣は手の届かない場所にもあります。
そもそも薬を撒いてあっても、巣は取り除いた方が良いのかどうかもわかりません。
「センパイ…どうしたらいいんでしょうか…」
大学を卒業しても、時々連絡を取り合っていた筆者の妻に、相談の電話がやってきたというわけです。
持ち家ならまだしも、借りているアパートに高いお金を払って、駆除業者に依頼するのはちょっともったいないですよね。
そこで今回の記事は、借家のアパートやマンションに住んでいる人に向けて、利用できる機関についての情報も含めた、『蜂の巣を発見した時の正しい対処法』をご紹介します。
妻の後輩は「市役所がやってくれること」、「大家や管理会社がやってくれること」、「自分でやらなくてはいけないこと」それぞれの分野を理解し、自分にできることをしました。
結果、ほとんどお金をかけることなく、蜂の巣を駆除することができました。
「良い社会経験になりました。」
と感謝の気持ちを筆者に持ってきた後輩は、立派な社会人の目をしていました。
あなたもぜひこの記事を読んで、無駄なお金をかけないで蜂の巣を駆除してしまいましょう。
1 蜂の生態について
あなたが蜂の生態について理解していると、管理会社や市役所の人はあなたを助けやすくなります。
逆の立場になって、少し考えてみてください。
あなたが市役所の人であるとして、ただ「蜂が家の近くに飛んでいるから何とかして!」と言われても返答に困るのではないでしょうか?
その「ハチと思われる虫」は「刺す恐れのない蜂」か、「アブ」かもしれません。
刺す恐れのある蜂だったとしても、「ミツバチ」か「スズメバチ」かで、補助金が出せるかどうかも変わってくる可能性があります。
しかしもしあなたが、
「直径15センチのスズメバチの巣がベランダの近くにあり、アパートの住民全ての人が刺される危険があるので、巣が大きくなる前に早急に対処してほしい」
と具体的に伝えるなら、管理人も市役所の人も被害が起きる前に早急に対処したいという気持ちになるはずですし、対処もしやすくなります。
そこで、蜂の被害が多いといわれている「ミツバチ」「アシナガバチ」「スズメバチ」そして、「人に危害を与えない蜂」それぞれの特徴をご紹介しますので、あなたのアパートの回りに飛んでいる蜂や蜂の巣がどのような種類かを理解しておきましょう。
1-1 ミツバチ
ミツバチの巣は、「巣版(すばん)」と呼ばれる、鉛直方向にのびる平面上の板が何枚もぶら下がっているのが特徴です。
ミツバチの種によっては巣版が10枚以上になっているものもあり、「巣版」が多ければ当然そこにいるミツバチの数も多く、危険であるということになります。
またミツバチは床下や天井裏など、閉鎖空間に営巣(えいそう)します。
※営巣とは動物が産卵などのために巣を作ること。
1-2 アシナガバチ
アシナガバチの巣は、「円形でシャワーヘッドのようになっている」のが特徴です。
巣の大きさは10センチ~15センチほどで、スズメバチの巣よりも頑丈にできています。
アシナガバチは軒下やベランダなどに営巣しますが、種類によっては場所を選ばず色々なところに巣を作るので、駆除業者泣かせの蜂でもあります。
1-3 スズメバチ
丸いボールのような形をして、マーブル模様やうろこ模様になっているのがスズメバチの巣です。
ミツバチやアシナガバチの巣に穴がいくつもあるのに対して、スズメバチの巣は穴がひとつなので、すぐに見分けがつくでしょう。
スズメバチは、土の中や茂みの中に巣を作ることもあります。
スズメバチは他の蜂よりも危険なため、個人で駆除するのは危険です。
しかし、市役所の補助制度の対象になりやすいので、「自分の敷地内にある蜂の巣はスズメバチである」という旨を必ず役所の人に伝えましょう。
1-4 人に危害をあたえない蜂
人に危害をあたえないか、そうでないかは『蜂を見る』とわかります。
人に危害を与える毒針を持っている蜂は、『胸部と腰部の間がくびれて』いるのが特徴です。
この蜂の種類は、腰が細くくびれているので、『細腰亜目(さいようあもく、ほそこしあもく)』と種別されています。
一方、人に危害をあたえない蜂は『胸部と腹部の細さにくびれがなく、かわりがない』のが特徴です。
この蜂の種類の蜂は、腰にくびれがなく広いので、広腰亜目(こうようあもく、ひろこしあもく)、あるいはハバチ亜目と呼ばれています。
広腰亜目の蜂は、蜂ですが人に危害を与えませんので、駆除する必要はありません。
2 責任の所在はどこにあるか?
蜂の巣を駆除しなければならないという時、責任の所在は「蜂の巣がどこにあるか」にかかっています。
この点を理解していないと、払わなくても良い駆除料金を払うことになるかもしれません。
そこで、蜂の巣がそれぞれ「公共の場所」、「借りている場所」、「私有地」ある場合、責任の所在がどこにあるかを考えましょう。
2-1 公共の場所
道路や公園など、公共の場所に蜂の巣がある場合、責任の所在は役所にあります。
それで、あなたのアパートやベランダ、または駐車場に蜂がいたとしても、公共の場所に蜂の巣があるなら、役所にお願いしましょう。
ただし、「スズメバチ」は危険なのですぐに駆除してくれますが、「ミツバチ」や「アシナガバチ」は、刺激しなければ刺すことはないので駆除してくれないことがあります。
2-2 賃貸の住まいや駐車場
賃貸の住まいの場合、責任の所在は「ケースバイケース」になるでしょう。
例えば、アパートの「水道が壊れた」、とか「ガスが出なくなった」という場合大家さんが負担してくれるのが一般です。
しかし、家の中に「ゴキブリが出た」からといって、駆除してくれることはありませんよね。
同じように蜂の巣があなたのアパートで発見された場合、駆除費用を払うことを渋るかもしれません。
しかし、物は考えよう。蜂の巣がある『場所』を、よく確認して下さい。
蜂の巣が「ベランダの中」というのではなく、「ベランダの近く」の公共スペース(アパートの外壁や階段など)にある場合、専有部分にはなりませんので、大家さんが払ってくれるかもしれません。
また、管理費を払っているなら、管理会社が蜂の巣の駆除をしてくれるケースもあります。
(この場合、管理費を払っているという事実を管理会社に強調して下さい。)
さらに、役所に相談すると駆除料金の一部を補助してくれることがあります。
この場合、残りの駆除料金を大家さんや管理会社が支払ってくれるかもしれません。
いずれにしても、交渉してみる余地はあります。
「あなた個人が迷惑している」というと、「個人で対処しなさい」ということになりかねませんので、「アパートの住民(あなただけではなく)にとって蜂がどれほど恐怖であるか」を、大家さんや管理会社に説得し、駆除してもらうようにお願いしてみてください。
2-3 私有地
個人所有の家や駐車場は、自分で駆除しなければなりません。
あなたが「大丈夫」と思っても、あなたの土地に蜂の巣があって、そこからでた蜂が隣家の人や通行人を刺してしまった場合、治療費を請求されることもあります。
なので、出来るだけ早く蜂駆除業者を呼んで蜂の巣を駆除しましょう。
しかし、自分の土地に蜂の巣がある場合でも、市役所に相談してみるなら思いもよらないサービスを受けられるかもしれません。
3 市役所は何をしてくれるか?
市役所があなたに何をしてくれるかは、あなたの住んでいる場所によって違います。
ここでは、市役所が蜂の巣駆除サービス行ってくれる種類を紹介しますので、お住まいの地域に該当するサービスがないか尋ねてみてください。
3-1 駆除料金が無料あるいは一部を補助
市役所に相談すると、蜂の巣を駆除してくれることがあります。
蜂の巣駆除の対応は下記のようにいろいろです。
- 完全無料で引き受けてくれる。
- スズメバチなど一部の危険性が高い蜂のみを駆除してくれる。その他のアシナガバチやミツバチなどは自己負担。
- 駆除料金の一部を補助してくれる。
このように、市役所が一部、ある意は全額補助してくれる制度があるならそれを積極的に活用しましょう。
「市役所が一部負担してくれる」、と言われた場合それを交渉材料にして大家さんや管理会社に残りの料金を負担してくれるよう説得することもできるかもしれません。
3-2 駆除業者の紹介
市役所が蜂駆除の補助を出してくれなくても、信頼できる駆除業者を紹介してくれます。
「紹介だけ?」と思うかもしれませんが、信頼できる業者を選ぶのは結構大変。
悪徳業者や腕の悪い業者に当たってしまうと、まさに「泣きっ面にハチ」状態です。
法外な値段を請求されたり、慣れない手つきで家の備品を壊されてしまったりしてしまうかもしれません。
その点、市役所が紹介してくれる業者は安心です。
仮に、悪徳業者に当たってしまったとしても、紹介した市役所が責任をもって対処してくれます。
3-3 防護服の貸代
自分で駆除を使用とする場合、市役所に相談すると蜂駆除用防護服を貸してくれることがあります。
防護服は購入すると「1着十数万」とかなりの高額。
レンタルするにしても、「1回20,000~30,000円」ほどします。
かといって、防護服なしで蜂の巣駆除をするのは注意しないとかなり危険です。
蜂に刺されると激しい痛みがあるだけではなく、短期間に複数回刺されることによる、アナフィラキシーショックで呼吸困難や嘔吐、または命に危険が及ぶことさえあります。
市役所は、防護服を無料で貸してくれる場合がありますし、正しい着方も教えてくれますので安心して蜂の駆除をすることができます。
3-4 アドバイスをしてくれる
市役所は、蜂や蜂の巣に関するいろいろなアドバイスをしてくれますので、活用しましょう。
例えば、大家さんや管理会社が蜂の巣の駆除をしてくれないならその事も相談に乗ってくれるかもしれません。
そのほか、駆除業者や駆除グッズなど気になることはなんでも聞いてみてください。
もし、市役所が答えられないことがあったら以下の記事を参考にして下さい。
駆除グッズの使い方や信頼できる駆除業者の選び方は『蜂の巣の除去はどうやる?蜂の種類別3つの撤去法』でも紹介していますので、合わせてお読みください。
4 蜂の駆除に協力してくれるその他の機関
市役所の他に、「保健所」「消防署」「町内会」なども蜂の巣の駆除や、補助を行ってくることがあります。
どの機関が何をしてくれるか、というのはやはり場所によって違います。
市役所に相談しても動いてもらえなくても、保健所はすぐに駆除しに来てくれるということもありますので、いろいろな機関に相談してみることをおススメします。
5 駆除業者に依頼する
駆除業者に依頼する場合、『費用』が気になりますよね?
また、費用だけではなく『腕が良く、保証制度がしっかりついた業者』にお願いしたいものです。
業者選びに失敗しないために、「駆除業者を選ぶ前に知っておくべき情報」を紹介します。
5-1 駆除業者にかかる費用
蜂の巣駆除は、「蜂の種類」、「蜂の巣の数」、「蜂の巣の場所」、「時期」によって違います。
まず、蜂の巣の駆除の相場ですが、基本的には下記のような値段となっています。
蜂の種類 | 相場費用 |
アシナガバチ | 7,000~10,000円 |
スズメバチ | 10,000~15,000円 |
オオスズメバチ | 15,000~20,000円 |
ミツバチ | 15,000~20,000円 |
上記は蜂の巣ひとつに対する料金です。
これに加えて、蜂の活動が活発になる7月から12月にかけては約10パーセント増しになったり、高所作業や屋根裏・床下での作業などは3,000~5,000円など追加費用が請求されたりします。
5-2 駆除業者を選ぶ際にわすれてはならない3つのコト
駆除業者を選ぶ際に忘れてはならないのは、「見積もり」「保証制度」「評判」の確認です。
1.見積もりをとる
まず、複数の会社に「見積もり」を取ってもらうのは大切なことです。
見積もり書があれば、あなたの家にかかる費用の相場がわかりますし、見積もり書にかかれている以上の作業を勝手にされてぼったくられることを避けることができます。
2.保証制度の確認
信用できる駆除業者は、「一度駆除しにきたら1シーズン無料で駆除してくれる」など保証制度がしっかりしています。
また、蜂は「戻り蜂」という習性があって、蜂の巣を駆除した後も、その場所に蜂が戻ってきて、再び巣を作ってしまうということがあります。
信用のできる業者は、「戻り蜂」対策もしっかりしていますし、仮に巣を作ってしまっても無料で駆除してくれます。
3.評判の確認
料金や、サービス内容に加えてその会社の評判を調べることも大切です。
市役所が紹介してくれる業者はそれだけで信頼できますが、そうでない場合中立的な立場の口コミサイトを調べるなどして、その会社の質や問題点についてあらかじめ調べておきましょう。
6 自分で出来る安全な駆除方法
蜂の巣の駆除を自分でする、というと「コワイ!」と思うかもしれませんが、安全な方法があります。
ここでは、女性でもできる安全な蜂の巣駆除の方法を紹介します。
6-1 蜂の巣ができそうな場所をこまめに点検する
蜂の巣ができそうな場所をこまめに点検して、「蜂の巣をできるだけ早く見つける」のは、被害を最小限に抑える駆除方法です。
蜂は冬を越すことができませんので、3月~6月に巣を作り始めますが、最初は女王蜂1匹だけです。
※ミツバチは、ハタラキバチも冬を生き残り、巣も2~3年使い続けます。
そして、女王蜂はその後卵を産んで働き蜂を増やしていき、巣を徐々に拡大していきます。
それで、女王蜂が1匹だけのときに駆除すれば、その後働き蜂を増やすことも、巣を拡大することもできなくなります。
つまり、女王蜂1匹駆除すれば、将来の巣『丸ごと』駆除したことになるんです。
なので、3月~6月はこまめに点検して、蜂の巣の作り始めを見つけましょう。
下記の図に、蜂が巣を作りやすい場所が書かれていますので、参考にして下さい。
画像引用元:川崎市公式ウェブサイト「巣を作りやすい場所」より
https://goo.gl/S6tzKl
蜂の巣ができそうな場所を定期的に点検すれば、「気づかないうちに蜂の巣が大きくなっていた」という事態を避けることができます。
6-2 蜂の巣ができないようにする
蜂が巣を作りそうな場所わかったら、蜂の巣ができないように殺虫剤をかけましょう。
下記の商品は、蜂に巣を作らせないための専用スプレーです。
「蜂の巣を作らせないスプレー」には、除虫菊の花と似た成分の「ピレスロイド」という成分が含まれています。
ピレスロイドが含まれているこの殺虫剤をかけると、蜂はその場所に巣を作らなくなり、蜂が巣を拡大しようとしている場所にかけると、蜂は嫌がってその場所に巣を作らなくなります。
「蜂の巣を作らせないスプレー」の効果は2週間なので、蜂が巣を作りそうな場所がわかったら、『2週間ごと』にスプレーしてください。
6-3 蜂の巣が小さいうちに駆除する
蜂の巣が小さいうちに駆除すれば簡単で安全なので、女性でも簡単にできます。
それでも、「蜂の巣に殺虫剤をかけるのはコワイ!」という人のために、蜂の巣の近くに設置するだけの蜂捕獲器をご紹介します。
この商品を使えば、蜂と直接対決する必要がありません。
甘い香りのするこのトラップに、蜂をおびき寄せられて中に入りますが、一度入ったら最後。もう出ることはできません。
そのまま、蜂は液体の中で溺死してしまいます。
しかしこのトラップは、蜂や他の昆虫も捕獲してしまい、中がすぐに一杯になってしまうというデメリットがあります。
それで、狙いを『女王蜂1匹』にしぼってください。
蜂の巣ができる初期段階の、3月~6月くらいに設置するなら、女王蜂を捕まえやすくなります。
まとめ
借家のアパートやマンションに住んでいる人のために、正しい蜂の巣対処法をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
蜂の生態について理解を深めるなら、蜂の被害をはっきりと説明できるようになります。
蜂の巣ができた場合、「公共の場所」か、「借りている場所」か、「私有地」かで責任の所在が変わってきます。
「アパートの管理会社」や「アパートの大家」あるいは、「市役所」「消防署」「保健所」「町内会」などの機関を活用しましょう。
自分で業者をお願いする場合、「見積もり」「保証制度」「評判」をしっかりと確認し、費用の面でも腕の面でも信頼できる業者を選びましょう。
自分で蜂の巣駆除をしなければならないなら、蜂の巣ができそうな場所をこまめに点検し、蜂の巣を作らせないように「殺虫剤」をかけたり、蜂の巣がまだ小さいうちに女王蜂を「蜂捕獲器」で捕まえたりするなら女性でも簡単に駆除することができます。
最後に、補足事項として次のことを覚えておきましょう。
市役所は、あなたが問い合わせをすれば、蜂の駆除に関していろいろなサービスを受けることができます。
しかし、あなたが問い合わせをしない限り、なにも活用することができません。
あなたは税金をちゃんと納めているわけですから、活用できる機関は全て活用しておきましょう。
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