「わ!スズメバチの巣だ!」突然蜂の巣を発見してしまうと、どうしていいか戸惑ってしまいますよね。
今回は、ベランダや通気口、軒下など、ご自宅にハチが巣を作ってしまって困っている方に向けて、「自力で蜂の巣を安全に駆除する方法」と「業者駆除にかかる料金・費用感」「業者選びのポイント」などについて紹介します。この記事を読むと、あなたも私の友人のように、自分の納得のいく方法で蜂の巣を駆除できるようになりますよ。
蜂の巣を『安心して』撤去するために、ぜひ最後までご覧いただきたく思います。
1 アパート・マンションの蜂の巣は管理会社が駆除してくれる?
マンションやアパートといった賃貸物件にお住いの場合、蜂の巣ができた時には、共有部分にできていた場合は管理会社や大家さんが親切な方だと、蜂の巣を撤去してくれる可能性があります。
※マンションやアパートには“共有部分”と“専有部分”という認識があって、住人が個人で管理している『ベランダ』は“専有部分”、通路や玄関、畑などは、全ての住人が使う“共有部分”として考えられます。
ただし、専有部分にできた蜂の巣は、管理会社や大家さんに「住人であるあなたの“持ち物”ですよ」と認識されやすいため、撤去してもらえない可能性があるのです。
2 蜂が戻ってきて巣を作ることはある?
もともと巣があった場所に戻ってきてとどまろうとする蜂のことを“戻り蜂”と言います。日本には『アシナガバチ』や『スズメバチ』『ミツバチ』といった蜂がいますが、どの蜂にも『帰巣本能(きそうほんのう)』という習性があります。
巣を撤去した際、巣にいなかった蜂が後で巣の場所へ戻ってくるのは、自然界の法則においてとても自然なことなんです。
2-1 戻り蜂が巣を作る可能性は低い
戻り蜂が新しい巣を作る可能性は極めて低いです。
『蜂が戻ってくる=また新たに巣を作られる』と不安に思われるかもしれませんが、新たに巣を作るのは、『戻り蜂の中に女王蜂がいた時だけ』です。
(女王蜂は、蜂の巣を1番最初に作り始める張本人です)
本来、女王蜂は巣の中にいることがほとんどですから、一般的には巣を駆除する際に、一緒に死んでしまいます。巣を失った戻り蜂は、女王蜂がいない状態において、新たに巣を作り始めることができません。
2-2 戻り蜂はいなくなる可能性が高い
巣のあった場所に蜂が戻ってきても、だいたい1週間ほどでいなくなることが多いです。働き蜂が生き残るためには、巣の中にいる幼虫が分泌する液体が必要となるので、巣を失った戻り蜂もいつか必ず死に絶えます。
とはいえ、戻り蜂が再び巣作りを行う可能性は全くの0(ゼロ)ではありませんので、後ほど、巣の駆除方法と合わせて『戻り蜂対策』も一緒にお伝えしたいと思います。
3 巣がある間の“3つの注意点”
巣がある間は、蜂がマンション周辺を飛び回っている可能性が高いので、あなたは刺されないよう常に注意しなくてはなりません。
「大きな物音をたてない」「香水・タバコの臭いに気を付ける」「『黒』と『カラフル』な衣服を着用しない」これらを守らなかった場合、あなたが蜂に刺されてしまう可能性がグッと高くなります。
3-1 大きな物音を立てない
蜂の巣のそばや、蜂がいる場所で大きな物音を立てると、蜂が危険を感じて、そばにいる人間に襲い掛かってくることがあるからです。
3-2 香水・タバコの臭いに気を付ける
蜂が寄ってくると、刺されてしまう危険性がグッと高くなってしまいます。蜂の巣がある間は香水をつけないですとか、タバコを吸ったら無香性の消臭スプレーを使って臭いを消すといった“匂い対策”対策を講じるのが理想的です。
3-3 『黒』と『カラフル』な衣服を着用しない
ミツバチは『緑』や『ピンク』『黄色』など、花や草の色に寄ってくる習性をしていますし、スズメバチは黒い色をしたものに対して攻撃しやすい性質にあるからです。これらの3つの注意点を実践していれば、あなたは蜂に刺される危険性を大幅に回避することができます。
4 素人にもできる自力駆除マニュアル
私の友人のベランダにあった巣のように、サイズの小さな蜂の巣は、素人でも自力で駆除することが可能です。
蜂の巣が小さいときの駆除方法は、どの蜂も同じです。まずは、以下で紹介する道具を揃えてください。
4-1 用意するもの
蜂の巣を駆除する際は、以下の道具が必要となります。
- スキー手袋
- スキーウェアのように分厚い服装
- 防虫ネット
- マスク
- ゴーグル
- 殺虫剤
- 全方向にツバのある帽子
- 巣を落とすための棒(ホウキの柄など)
- レジ袋(巣が入る大きさのもの)
- ネズミ捕り
巣が小さいとはいえ、蜂がいる可能性は十分にありますので、蜂の針が皮膚に届かない装備で駆除に挑む必要があります。
ちなみに『3.防虫ネット』とは、頭からかぶる網状の防虫アイテムです。
防虫ネットは、インターネットの通販サイトで1,000円程度から売られていますので、それをご用意ください。また、蜂の巣に吹きかけるゴキジェットのような『6.殺虫剤』も必要です。虫の神経系を破壊する『ピレスロイド』という殺虫成分を浴びた蜂は必ず死に絶えますので、ピレスロイド系の殺虫スプレーを用意しましょう。
1本目は巣に30秒間ほど吹きかけますので、使用回数が足りる製品か、薬剤がなくなった時のために、同じ殺虫スプレーを2本購入しておいてください。巣を撤去している最中に戻り蜂がやってくる恐れもあるからです。
また、殺虫スプレーが口や目に入り込まないよう、『4.マスク』と『5.ゴーグル』も着用しておいた方が安心です。マスクもゴーグルも、100円ショップで売られている製品で構いません。
蜂の巣を駆除する際に用意する道具については、『蜂の巣の除去はどうやる?蜂の種類別3つの撤去法 』でもより詳しくご紹介していますので、こちらも参考になさってください。ちなみに『10.ネズミ捕り』は、蜂の巣があった場所に設置します(理由は後述します)。
ではここから、蜂の巣を撤去する方法を3ステップに分けて紹介したいと思います。『蜂の巣の種類』に関しては、以『たった20分でできる!『蜂』と『巣』をスプレーで駆除する方法 蜂の巣種類を確認しよう』でも詳しく紹介していますので、1度確認した上で撤去に臨みましょう。
ステップ1:蜂の巣に殺虫スプレーを吹きかける
まずは、蜂の巣に対して風上(かざかみ)※の方向から、殺虫スプレーを30秒間ほど吹きかけます。
巣の出入り口が1つしかないスズメバチの巣の場合は、巣穴から殺虫スプレーを吹き込むように中へ向けて噴射します。この段階で、巣にいる蜂を殺虫スプレーによって駆除することができます。
蜂が巣から出て飛び回ることがあっても、あなたは蜂に刺されない装備を身に着けていますので、刺される心配はありません。殺虫スプレーの薬剤を身体に少しでも浴びた蜂は、必ず当日中には死んでしまいますので、飛び回る蜂は無視して次のステップへと進みましょう。
ステップ2:巣を落としてレジ袋に密封する
殺虫スプレーを噴射し終わったら、巣を棒などでつついて落とし、レジ袋などに入れて、袋の中に向けてもう1度殺虫スプレーを吹きかけます。
殺虫スプレーを再度噴射し終わったら、レジ袋を密封して蜂の巣を1日ほど放置した後、お住まいの地域の指示に従って処分してください。
ステップ3:ネズミ捕りを設置する
戻り蜂が再び巣を作ってしまわないよう、粘着式のネズミ捕りを蜂の巣があった場所に設置しておきましょう。ネズミ捕りを設置しておけば、巣のあった場所に蜂が戻ってきても、粘着面にくっついて営巣(えいそう)※を行うことができなくなります。
5 業者に依頼するといくらの料金がかかる?
巣の規模が大きくなると、数万円単位で料金がかさんでしまうこともありますので、以下で紹介する『業者選びのポイント』を参考に、早めに業者さんへ連絡してください。
6 業者探しのポイント
駆除業者を探す時は、以下の要件を満たす業者を選ぶようにすると、あなたが金銭的に大きな損をすることなく蜂の巣を駆除してもらえます。
業者選びに成功すれば、駆除してもらった後、あなたは心から「業者に頼んでよかった!!」と実感できるはずです。
6-1 追加料金を取らない業者を選ぶ
蜂の巣を駆除してもらう業者を選ぶ時は、作業完了後に追加料金を取らないということを、最初に約束してくれる業者を選びましょう。
作業完了後に新たな料金を追加で請求されては、あなたが納得して依頼した意味がなくなるからです。作業前に施工料金の概算を提示してくれることも大切な要素ですので、いくつかの業者へ同時に見積もりを依頼して、各社の施工内容と料金を比較してくださいね。
6-2 クリーニングも行ってくれる業者を選ぶ
駆除料金の範囲内で、巣があった場所もクリーニングしてくれる業者を選ぶことも大切です。もしもあなたのご自宅にある蜂の巣が「ミツバチの巣」であった場合には、巣があった場所に、蜜が付着して汚れてしまっているかもしれません。
蜂の蜜が巣のあった場所に残っていると、アリなど他の害虫が寄り集まってしまう可能性があります。
巣のある場所が天井付近であり、なおかつあなたが、マンションの2階よりも上の階層に住まれている場合には、蜜を清掃する際にベランダから階下へ落下してしまう恐れがあるため、とても危険なんです。
清掃は業者の社員さんにお願いするのが安全であると言えるでしょう。
6-3 『戻り蜂対策』を施してくれる業者を選ぶ
駆除を実施する前に提示される施工内容の中に、『戻り蜂対策』も組み込んでくれる業者を選びましょう。戻り蜂対策をカンペキにしてくれる業者は、緊急連絡先も教えてくれます。万が一の時は頼っておきましょう。
まとめ
今回の記事では、蜂の巣を自力で撤去する方法や、業者に依頼した場合の料金、業者選びのポイントなどを紹介しました。
- 蜂の巣がある間は、大きな物音を立てないこと
- タバコや香水の臭いに気を付けること
- 黒やカラフルな発色の衣服は着用しないこと
- 蜂に刺されない分厚い服装で蜂の巣駆除に当たること
- 蜂の巣を駆除した後はネズミ捕りを設置すること(戻り蜂対策)
- 蜂の巣が小さければ、業者に低料金で駆除してもらえる可能性が高い
- 追加料金なし、クリーニング・戻り蜂対策も行ってくれる業者を選ぶこと
春先にできた蜂の巣は、時間の経過とともにどんどんと規模が大きくなっていきます。
自力で駆除するのも、業者に駆除を依頼するのも“蜂の巣を見つけたその日のうちに実行する”ということが理想的です。
最後に蜂が好きな私が補足として伝えたいことがあります。
蜂は蛾や蝶など、ときに人間にとって害虫となりうる虫を食べて減らしてくれる『益虫(えきちゅう)※』でもあります。
※益虫(えきちゅう)…人間に利益をもたらしてくれる虫のこと
それに、スズメバチとアシナガバチは冬が来ると、女王蜂を残してすべての個体が死に絶えてしまいますので、12月頃には巣に蜂がいなくなります。
スズメバチもアシナガバチも、翌年に前年使っていた巣を使うことはありませんので、寒い時期が来れば、必ず巣を安全に撤去できるようになるんです。
※ミツバチは同じ巣を数年使い続けますので、どうしても不安な場合は巣が小さいうちに撤去した方がよいです。
スズメバチやアシナガバチの蜂の巣が、あなたのご自宅から少し離れた場所にある場合、そしてあなたの周りに蜂が寄ってこない場合は、蜂の巣作りを冬まで見守ってあげてもいいと思います。
“蜂を自力駆除する時に知っておきたい3つの注意点と駆除の方法” への1件のフィードバック